大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2019年11月

あれから20年が過ぎて 70

更にきれいに盛り付けてラップフィルムをかけ、深めの器にケーキを入れて冷蔵庫に入れ、ダイニングテーブルを奇麗に拭くと、ハニは壁に掛かっている時計を見上げた。
「遅くなるって電話があったけど、何時になるのかなぁ・・・・」
開院して二年近くになると患者も増え、急患の対応をしているから帰宅するのが深夜近くになる事もよくあった。
遅くなる時は先に寝ていていいと、スンジョはそう言ってくれるが今日は起きて待っていたかった。
スンハの部屋を覗き、よく眠っている顔を見ると、ハニはスンハの部屋の窓のカーテンを少し開けた。

「部屋の中から見る星空と、外から見える星空は違うけど、まだ外に出て星空を見るのは怖い。」
やっと最近母親が好きだった星空を見上げる事が出来るようになったが、部屋の中からしか見た事がなかった。
今日は結婚記念日。
ひとつずつ前に進まないといけない。
気負わなくてもいいと言ってくれたスン所の言葉に、いつまでも甘えていてはいけない。

ハニはカーディガンを羽織り勝手口から裏庭に出て、ナムさんがスンハとハニのために作ったブランコに腰かけた。
数日前に雨が降ったから星空がとてもきれいに見えた。
今日が結婚記念日だから星空を見上げる事が出来たのか、それとも何かが変わって行き始めたから見上げる事が出来たのか分からない。
自然に揺れるままにして星空に見入っていたのか、揺れ方が変わりふと横を見るとスンジョが腰かけようとしていた。

「オレも横に座ってもいいか?」
「いいけど・・・ご飯食べていないでしょ?」
「食べていないけど、ハニが一人で星空を見る事が出来たのなら、オレも同じ星空を見たい。」
横に座るスンジョの横顔は、疲れているはずなのに清々しく見えるのはこの星空の下の空気のせいだからなのだろうか。
ハニが見ているのに気が付いたスンジョは、優しく微笑んだ顔をゆっくりと向けた。

キラキラと輝くその瞳から視線をハニは外せなかった。
静かに近づく顔に引き寄せられると、ハニは無意識に目を閉じた。
フワッと何かが触れると、ハニはそのまま吸い込まれるような感覚になった。
スーっと風が吹くと、スンジョの優しくて甘い声が耳元に聞こえた。
「ハニ・・・一つ乗り越えたね・・・ありがとう。」
星空がハニに魔法をかけたのか、それとも星空がハニの心を雪解けに導いたのか分からないが、ハニは身体全体が宙に浮いたような感じになった。





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あれから20年が過ぎて 69

『気負わなくていい、これからずっと一緒にいるのだから』

ずっとスンジョにそう言われていた。
結婚してから今日で一年。
ジョンオンおじさんも、おばさんも変わらず毎日カフェに来てくれる。
ナムさんもプロポーズを断って、それほど経っていないのにスンジョ君と結婚したのに、気を悪くする事なくカフェに来てくれている。
嫌な思いでもあるけど、ここの人達はとてもいい人たちばかりだ。
それなのにママが好きだった星空をまだしっかりと見たこともなければ、スンジョ君とはまだキスさえもした事がない。
どれほどスンジョ君にキスをしたいと思っているのか、どれほどスンジョ君に触れてもらいたいと思っているのか、それさえも考えるのが怖かった。

「ママ、今日は結婚記念日だから、パーティーをするの?」
「そのつもりだよ。結婚記念日だけじゃなくて、スンハがパパの本当の娘になれた日でもあるからね、三人でお祝いしようね。」
ケーキは夕方スンハと一緒に買い物に行く時に、予約をしたお店に取りに行く事になっていた。
料理はカフェに来るお客さんが途切れている時に、いくつか作っているからあとは盛り付けるだけ。

「ねぇママ・・・パパに記念日のプレゼントは何にしたの?」
「パパは、そういうのは好きじゃないから、三人でお祝いするだけでいいと思うよ。」
「そうかなぁ・・・ソヨンちゃんのママは、ソヨンちゃんのパパとふたりでソウルの高級ホテルでデートしたんだって。その後に、妹が生まれたからそれがプレゼントなんだって。それがプレゼントって、スンハニはよくわからないけど。」
そうね・・とも、そうなんだとも言えない。
それよりも、スンハは弟か妹が欲しいのだろうか・・・・

「スンハは、パパの本当の娘になれた記念に何が欲しいの?」
「ん~スンハもソヨンちゃんみたいに妹が欲しい。」
「そっかぁ・・・妹が欲しいんだね・・・・」
子供には大人の事情は分からないが、それは本心だという事くらい分かっていた。
でも、スンハがお腹に出来た時は何も考えていなかったわけじゃないけど、あの時はスンジョ君と肌を触れ合う事だけで嬉しくて幸せだった。
運よくスンハを授かった時はまだ大学生だった。
何も知らないでいればよかったのかもしれないけど、あの出来事と医師からの診断が頭から離れない。

「でも、スンハいらないよ妹も弟も。ジョンオンおじさんとおばさんが言っていたよ、ママとパパは仲がいいからスンハも幸せだねって。ママが泣かなくなったから、スンハにはそれが一番のプレゼントだよ。」
この娘がいたから、私はあの出来事から乗り越える事が出来て、スンハがいたからスンジョ君と再会が出来た。
スンハがいれば私はきっと勇気が出るような気がする。




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あれから20年が過ぎて 68

都会の大きな病院ではないから、数年前のカルテを用意するのはそれほど時間はかからず、診察を担当する医師もハニをよく覚えていた。
普通の妊婦ではなく事件の被害者でもあるハニを、この田舎町の人でおそらく知らない人はそれほどいないだろう。
そんな中で、ハニはこの5年間どんな思いをして生活してきたのかと思うと、男であっても涙が出そうになる。

「あれから5年ね・・・娘さんはお元気ですか?」
担当の医師は中年の女性の穏やかそうな人だ。
「今日も一緒に来ました。」
「そう・・・ご主人は初めてお会いしますね。」
産婦人科の診察室に入ってから、スンジョは一言も話さなかったが、ハニの夫だと気が付いたのを知り、この女医がハニの担当医でよかったと思った。
「数日前に入籍をしました。」
「あの時に産まれた赤ちゃんのお父さんね。産まれたばかりなのにとっても顔立ちのはっきりした赤ちゃんだったから、よく覚えているわ。あとからお子さんに会わせてね。」

普通の人なら気が付かないカルテに書かれていること。
担当医は恐らく前に診察をした診療科から、連絡を受けて知ったのかスンジョの情報をメモした紙を見ながらカルテに書き込んでいた。
「あの・・・・私・・・・」
「二人目のお子さんが欲しいの?」
「え・・っと・・・」
言わなくてもこの科に来れば、そう思って当然だ。
ハニ自信スンジョにそう言ったことはなかったが、【無排卵】という言葉を聞いていたからその相談をしたかった。

「あなたの場合、ほかの人と違う事情があったから無排卵と話したけど、タイミング法を考えてみるか・・・・時間をかけてもまだ年齢が若いから可能性はあると思うわよ。一年後に来た時にお腹の傷を見せてもらったけど、きれいだったたしあれから5年経っているから、今度は普通分娩でも大丈夫よ。早く妊娠しようと思う焦りよりも、ご主人と今いるお子さんとの幸せな時間が一番の薬だと思うわ。」
スンジョは知らなかった。
スンハが予定よりも早く生まれたことは知っていても、普通分娩で生まれていないと聞いていなかった。
薬での治療を早めたいから産まれても問題ないくらいに成長していれば、そうすることもあるだろうがそれほどハニはよくない状態だったとは知らなかった。

「お腹の傷を見せてもらってもいい?」
スンジョがいる場で見せるのは抵抗があったが、それを拒むほど子供ではなかった。
診察台に上がると、ハニは横になりスカートのホックを外して腹部を出した。
白い肌に無数の傷がはっきりとまだ残っていた。
手術での傷のほかにあるものは、あの忌まわしい事件の時に付いたものだろうか。
顔を横に向けて、スンジョと視線を合わせないようにしているハニを思うと、心の傷は単純に治すことができるとは思えなかった。





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あれから20年が過ぎて 67

「待っていてね。」
「うん。」
いつも行く病院に今日は初めて家族3人で行った。
いつもどおりハニはスンハに診察室前のベンチにいるように声をかけて、初めてスンジョと診察室に入った。
担当医は付き添いがいることに一瞬驚いた表情をした。
「結婚しました。」
とハニがそう言うとスンジョが挨拶をした。
「夫のペク・スンジョです。」

夫という言葉にまだ聞きなれないが、ハニが驚いたのは別のことだった。
「ペク・スンジョ・・パラン大病院外科のペク先生ですか?」
「そうですが、パラン大病院は退職し、今はここから少し離れた所でクリニックを開院しました。」
スンジョは医師の中で名前が知られているとか、そういった情報はハニには全く分からないが、ただいつも『どうですか?お変わりないですか?』と聞かれて『特に』としか答えていないハニにとって、スンジョがいてくれるだけで気持ちが軽かった。
詳しく話を聞き、薬の一つ一つを細かくスンジョが聞いているが、きっと聞かなくても知識が頭にインプットされているのだと分かっていた。

「さすがにペク先生ですね。私のところにハニさんが来なくても大丈夫な気がします。」
「いえ・・私は知識だけで、専門外の診療科じゃないですから。」
それでもスンジョは事前にハニの薬についての知識や症状については、知り合いの専門医に話を聞いていた。
「薬は今まで通り処方しますが、ご主人の判断で奥様に飲ませるかどうかお任せしてもいいですか?」
「構いません。」
薬の処方を書いた紙をハニは受け取ると、次回予約をスンジョの都合に合わせて予約した。

「ハニさん、よかったですね。やっとスンハちゃんもお父さんと暮らせることになって、これからたくさんご主人に愛してもらってくださいね。それがどんな薬よりも一番効果があるのですから。」
診察室を出ていくハニに、担当医はそう言って笑顔を見せていた。
診察室を出てきた両親の姿を見ると、スンハはトンっとベンチから降りて二人に近づいた。

「スンジョ君・・・私もスンジョ君も、スンハの父親がスンジョ君だと一言も言っていないよね?」
「言わなくてもわかると思うよ。顔だってオレと似ているし、名前だってオレとお前の二人の名前から付けたのだろうと分かったんだよ。」
「知っていたの?スンハの名前を決めた理由・・・私は何も教えていなかったのに。」
「普通の人間なら、オレの顔とスンハの顔を見ただけで、名前の由来もわかるはず。じゃあ。次の診療科に行くか・・・・・」
普通の人間ならわかる・・・・そんなに単純な気持ちで、産まれたばかりのスンハに名前を付けたつもりでもなかったが、確かにスンジョが父親だと知ってからのスンハは、『ママ大好きっこ』から「パパ大好きっこ」に代わっていた。

同じ病院内にある産婦人科に行くと、スンハが産まれてしばらくは通っていたが、久しぶりにそのフロアに来ると体がこわばってきた。
受付を済ませて待合のベンチで座るハニは、寒くもないのに小刻みに震えていた。
前回ここに来たときはスンハをベビーカーに乗せて、一人ですみの方で順番を待っていた。
事件が事件だけに、スンハがお腹にいる時に内診台に上がって検査をされた時は苦痛以上だった。
ギドンは何もなかったと言ったが、本当に何もなかったのかどうかハニはあの時の記憶は全くなかった。
覚えていたのは自分に覆いかぶさってきた男の手指の感触と、産後数か月後に診察した医師から聞かされた言葉。
【無排卵】
産後一年以上、生理が来なかったことが気になって受診した時に聞かされた言葉は、それをだれにも告げられずまだ乳飲み子のスンハを抱いて泣いて耐えていた。



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あれから20年が過ぎて 66

同じベッドで寝てもハニは緊張して眠れなかった。
近くに感じるスンジョの匂いと体温に、ドキドキする気持ちと何も考えずにじゃれあっていた時のことを思い出し、そっと手を伸ばそうとするが数ミリの所で手を引いてしまう。

「無理するな。」
「でも・・・」
「時間が解決するさ。そのためにオレは明日ハニと一緒に病院に行くのだから。」
優しかった。
スンジョはこの数年の間に随分と変わっていた。
これが本当のスンジョだ。
ハニにだけ見せていた本当の姿は、ただ優しいだけではなく温かくて大きくて、大丈夫だと言葉に出さなくても伝わって来ていた。
一歩踏み出した二人の関係だから、今度は一歩踏み出すのは自分だ。

「あのね・・・明日もう一つ行きたい診療科があるの。一緒に行ってくれる?」
「いいよ。何科だ?」
「産婦人科・・・スンハがお腹にいる時に、こっちに来たでしょ?それから通院しているの。」
「いいけど・・・今は妊娠していないだろ?」
妊娠は絶対にしていないと言い切れるくらい、まだスンジョに近づく事も振れることも出来ない。
この先の事を考えたら、スンジョと一緒に一度一緒に確認をしたかった。

「私ね・・・一人っ子だからスンジョ君とウンジョ君を見ていて、自分の子供はたくさん産みたいなって思っていたの。まだ大学生だったころにスンハを妊娠して、スンジョ君が結婚しようと言ってくれた時は嬉しかった。結婚は出来ないと思った時は絶望な思いだったけど、こっちに来て新しい生活を始めようと決めた。あんなことがあって、もうこれ以上の絶望的な事はないと思っていたけど、本当はね・・・それよりもつらい事は、妊娠できないかもしれないという事・・・」
ハニはあの時医師に言われた事を思い出して涙が出て来た。
泣いている事をスンジョに見られないように、無意識にスンジョの胸に顔を付けた。

「言ったじゃないか、子供はスンハだけでもいいって。スンハに弟か妹がいなくても、スンハにたくさんの愛情を注げばいい。」
「それは分かっているけど、そうじゃないの・・・スンハを妊娠した事が本当に運がよかったと言われて・・・何を言っているのかよくわかんないよね。」
「分からないよ。オレはハニの夫でもあるけど、医師だからどんな言葉を聞いても冷静でいられると思う。」
少しずつ自分に近づいている事に気が付かないハニに、スンジョは身体に触れないようにハニの背中の方に腕を伸ばした。

「無排卵の時があるみたいなの・・・・・精神科で出た薬を飲んでいるからかもしれないけど、もともと妊娠はしにくい体質だったみたい。それに・・・・あの時の恐怖があるから、スンジョ君と結婚しても、薬を止められないかもしれない・・・」
「本当にそうかな?オレがハニを抱きしめているのに気が付かない?」
知らない間にスンジョの腕が自分の身体にしっかりと抱きしめていた。
「どう?怖い?」
「・・・怖くない・・・」
「時間が掛かっても良くなるから。だからと言って今日はここまで、明日はここまでと考えなくてもいい。ハニがキスしたくなったらキスをすればいいし、ハニが身体に触れてもいいと思ったらそう言えばいいし、自分の本脳に従えばいい。とにかく今日は早く寝て、明日は気を楽にして病院に行こう。」

スンジョの胸の中にいると少しずつでもあの恐怖の事を忘れる事が出来るような気がした。




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