どうしよう・・・
ハニは子供の頃からそうだった。
暗い所が苦手で、それに加えてあの出来事があってから特に怖くなり足がすくむようになった。
目の前のスンハを助けなければいけないことはわかっているが、窓の外から見える景色は、灯りはわずかにしか見えない。
このままにしていてはいけない。
私はこの子の母親。
目をつむり深呼吸をして、スンハを抱き上げた。
「今からお医者さんに連れていってあげるから、頑張ってね。」
新しく開院したクリニックは大きな通り沿いにある。
玄関のドアを開けて暗い夜空を見上げた。
ここに来て初めて見た気がする夜空。
輝く星が綺麗だと思う心のゆとりなどない。
握り締めた手の中にあるチラシを確認してスンハを抱き抱え直すと、玄関の鍵を掛けてまっすぐ先にある方向を見て足早に歩き出した。
今の私には頼る事の出来る人がいないけど、頼ってくれる人はいる。
大丈夫、ママが私に見せたかったここの星空を見れば。
ハニは星空を見上げた。
不安で涙が出ていたのか、星空は思っていたよりも輝いていた。
ひたすらスンハを抱いてクリニックをめざし、時間がどれくらいかかっているのかわからなくても、そこに何かあるのか不思議と不安も恐怖もなかった。
しかし、診療所のドアには『close』なプレートが掛かっていた。
「こんな時間だものね・・」
諦めるしかない時間ではあるが、ハニはクリニックに車が停まっていることに気がつき、クリニックのドアを叩いた。
「お願いします。急病なのでこの子を診てください。お願いします。」
何度も何度もドアを叩き、大きな声でクリニックの中に誰かいると思い呼び掛けた。

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ハニは子供の頃からそうだった。
暗い所が苦手で、それに加えてあの出来事があってから特に怖くなり足がすくむようになった。
目の前のスンハを助けなければいけないことはわかっているが、窓の外から見える景色は、灯りはわずかにしか見えない。
このままにしていてはいけない。
私はこの子の母親。
目をつむり深呼吸をして、スンハを抱き上げた。
「今からお医者さんに連れていってあげるから、頑張ってね。」
新しく開院したクリニックは大きな通り沿いにある。
玄関のドアを開けて暗い夜空を見上げた。
ここに来て初めて見た気がする夜空。
輝く星が綺麗だと思う心のゆとりなどない。
握り締めた手の中にあるチラシを確認してスンハを抱き抱え直すと、玄関の鍵を掛けてまっすぐ先にある方向を見て足早に歩き出した。
今の私には頼る事の出来る人がいないけど、頼ってくれる人はいる。
大丈夫、ママが私に見せたかったここの星空を見れば。
ハニは星空を見上げた。
不安で涙が出ていたのか、星空は思っていたよりも輝いていた。
ひたすらスンハを抱いてクリニックをめざし、時間がどれくらいかかっているのかわからなくても、そこに何かあるのか不思議と不安も恐怖もなかった。
しかし、診療所のドアには『close』なプレートが掛かっていた。
「こんな時間だものね・・」
諦めるしかない時間ではあるが、ハニはクリニックに車が停まっていることに気がつき、クリニックのドアを叩いた。
「お願いします。急病なのでこの子を診てください。お願いします。」
何度も何度もドアを叩き、大きな声でクリニックの中に誰かいると思い呼び掛けた。

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