大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2019年10月

あれから20年が過ぎて 40

どうしよう・・・

ハニは子供の頃からそうだった。
暗い所が苦手で、それに加えてあの出来事があってから特に怖くなり足がすくむようになった。
目の前のスンハを助けなければいけないことはわかっているが、窓の外から見える景色は、灯りはわずかにしか見えない。
このままにしていてはいけない。
私はこの子の母親。
目をつむり深呼吸をして、スンハを抱き上げた。

「今からお医者さんに連れていってあげるから、頑張ってね。」
新しく開院したクリニックは大きな通り沿いにある。
玄関のドアを開けて暗い夜空を見上げた。
ここに来て初めて見た気がする夜空。
輝く星が綺麗だと思う心のゆとりなどない。
握り締めた手の中にあるチラシを確認してスンハを抱き抱え直すと、玄関の鍵を掛けてまっすぐ先にある方向を見て足早に歩き出した。

今の私には頼る事の出来る人がいないけど、頼ってくれる人はいる。
大丈夫、ママが私に見せたかったここの星空を見れば。
ハニは星空を見上げた。
不安で涙が出ていたのか、星空は思っていたよりも輝いていた。
ひたすらスンハを抱いてクリニックをめざし、時間がどれくらいかかっているのかわからなくても、そこに何かあるのか不思議と不安も恐怖もなかった。

しかし、診療所のドアには『close』なプレートが掛かっていた。
「こんな時間だものね・・」
諦めるしかない時間ではあるが、ハニはクリニックに車が停まっていることに気がつき、クリニックのドアを叩いた。

「お願いします。急病なのでこの子を診てください。お願いします。」
何度も何度もドアを叩き、大きな声でクリニックの中に誰かいると思い呼び掛けた。



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あれから20年が過ぎて 39

スンハは幼稚園の時の写真を握りしめたまま、ハニが家の鍵の確認して戻って来るまでに眠っていた。
なぜこの写真がここに持って来たのか覚えていなかった。
思い出すのも嫌な子供の時の記憶だと、スンジョがハニの持っていた幼稚園時代の写真を全部処分したはずだった。

「スンハがこんなにスンジョ君に似て来るとは思ってもいなかった。」
ハニはスンハの手から写真を取ると、眠っているスンハの横に入った。
生まれた時からずっとこうして眠っているが、スンハの部屋が出来る頃には別々に眠らなければいけない。
あの時の記憶が消える事無く不安でいた時に、生まれたばかりのスンハを見ながらギドンが話してくれたのは、つい最近のような気がした。

『ハニ、ママが里帰り出産でこの町で暮らしていた時、ハニが母親になって自分と同じようにこの町で暮して欲しい。決して豊かな町ではないけれど、秋から冬にかけての星空と春の景色の美しさを教えたいと言っていたんだ。』
考えてみたら、子供の頃に来た時は遊び疲れて星空を見る事も、春の景色を奇麗だと思って見ていた事がなかった。
パパからおじさんの家に世話になるかと聞かれた時は、ただスンジョ君との思い出があるソウルから逃げ出したいという気持ちだった。
あの事件があった時に、パパから聞かされたままの言葉に、ここに残る事を決めたのは私。
パパはスンジョ君もおばさんもおじさんも時々お店に来るけど、私が会いたくなければ会わないようにすると言ってくれた。

ママが描いていた私が母親になった時のことを、まだ叶えていないから残ると言ったけど、秋から冬にかけての星空も春の景色もまだ見ていなかった。
なぜなのだろう、今なら星空を見る事が出来るような気がした。

ハニは身体を起こして、ベッドから降りようとした時、隣で眠っているスンハの身体が異様に熱い事に気が付いた。
「スンハ?」
スタンド電気を点けて顔を見ると、大量の汗を掻き苦しそうにしていた。
「熱が・・・すごく熱い・・・」
困った事があったらおじさんやおばさん、そしてナムに電話を掛ければすぐに駆け付けてくれる。
いくら駆けつけてくれると分かっていても、この時間に電話を掛けるには気が引けた。

「病院・・・明日の朝になったら病院に連れて行ってあげる・・・・」
子供の発熱は急変する事もあるのは、カフェに来るお客さんからも聞いた事があった。
ハニは昼間に見たクリニック開院のチラシを思い出し、捨てたリビングのゴミ箱の所に急いで向かった。



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あれから20年が過ぎて 38

「また振り込んでくれた・・・もういいのに・・・」
不定期でハニとスンハのためにギドンが生活費として現金を振り込んでくれていた。
繁盛しているとは言えないカフェでも、それほど生活に困る事はない。
ナムからも援助を申し出られたが、それを受けてしまうとナムの気持ちを受け入れなければいけないと思い断っていた。
ハニは振り込みを確認した事を伝えるためにギドンに電話を掛けた。

「パパ、振り込んでくれてありがとう。私たちのためにお金を送らなくてもいいよ。」
<いつもハニが新鮮な海産物を送ってくれるから、店でも使わせてもらっているから送っているだけだよ。>
「だって、ママの好きだったものだから、パパも喜ぶと思って送っているだけだよ。」
<店に従業員も喜んでいたから、そのお礼だよ。病院の方はどうだった?>
「夜も眠れる時があるようになったと話したら、少しずつ薬を減らしていきましょうって。今お店に時間だよね?スンハがクリスマスはおじいちゃんのお店に行きたいって・・・その時に、またゆっくりと話そうね。」
時々ここまで来てくれる父にハニはあまり負担を掛けたくなかった。
母の故郷に来る事を考えてくれたのは父で、来ることに決めたのはハニ。
辛い事があった時に、また父の下に戻るように言われた時に断ったのは、ここがハニにとって大切な思い出の場所だったから。

「おかあさん・・・・」
「どうしたの?オシッコ?」
「これ・・誰?」
スンハがハニの前に出した一枚の写真。
パラン幼稚園の制服を着たスンジョの写真をスンハが持っていた。
「スンハの幼稚園の服と違うよ。」
いつその写真を見つけたのか、どこにしまっていたのか忘れていた思い出の一つの写真。
今のスンハとよく似ているのは、年齢が近いからではなく間違いなくスンジョの娘だという証拠。
「スンハのお父さんの小さい頃の写真よ。」
もう隠さない。
何も知らない小さな子供ではあるけれど、スンハはスンジョと似ていて勘が鋭い。
今は、どうして自分に父親がいないのか、どうして母親が病院に定期的に通っているのか知らないかもしれないが、いずれはそのすべてを話さなければいけない。
それもあるからナムのプロポーズを受けられないのも一つの理由だった。

ハッキリした顔立ちの娘を膝の上に乗せ、店の売り上げを記入していた帳簿を閉じると、ポストに投函されていた郵便物を確認した。
その中に新しくクリニックが開院されるチラシを一読したが、ハニはそれをごみ箱に捨てた。




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あれから20年が過ぎて 37

「もうそろそろ帰って来るかな?」
ナムはテーブルの上に広げていた書類をまとめながら、壁掛けの時計を見た。
古い診療所をリフォームしたカフェは、壁掛けの時計もハニがそのまま使いたいと残していたが、時間がずれて行く事はなかった。

「ただいま帰りました。」
スンハを抱いたハニが、静かにドアを開けた。
「寝ちゃったのか?」
「さっきまで起きていたのに、いつも通りバスを降りる頃に寝てしまって。奥で寝かせて来ます。」
スンハを抱いて手にはバックと薬が大量に入っている袋を下げていた。
月に一度処方される薬の量は、あれから年数が経過しても減る事はなかった。
身体の傷は傷跡として残っても治るが、心の傷は薬で治る事など出来ないが、気休めでも薬があるだけでハニが落ち着いているのならそれでもいいのだろうとしか思えなかった。

「忙しかったですか?って聞いても、いつも来るお客さんは同じですよね。」
「いや、今日は滅多に来ない客だったよ。たまに来る、どこかの大学病院の先生が友達を連れて来たよ。」
「へぇー誰だろうって聞いても、私は記憶力が悪いから。」
コトンと熱いコーヒーをナムの前に置くと、ハニはニコニコと笑いながら向かい側に座った。
「どんなお客さん?」
「若い人だったよ。その中の一人の人が、ハニの写真を気にして見ていた。ハニが美人だから顔をしっかりと見ようと思ったのかも。」
「いつもナムさんはそう言うけど、お客さんが座る場所からは、私の顔は分からないわよ。」
目を合わせるとすぐにハニは目を逸らす。
どんなに信頼できる人でも、父のギドン以外の男性の顔を見つめる事が出来ない。
まだあの時の恐怖が、ハニの心の中で残っているから、それがなくならない限りナムとハニの距離は縮まらない。

「相変わらず薬が多いね。」
「飲まないと不安だから・・・だから、ナムさんと結婚が出来ない。」
「忘れられない人がいるからでもあるんだろ?」
「それもあるけど、この薬を飲んでいる間は妊娠できないから、ナムさんの子供を産む事は出来ない。」
ナムはいつもスンハがいればそれでいいと言ってくれるが、薬を飲んでいるからというよりも過去の記憶が影響して男性とのそういう関係を身体が拒絶しているからだ。
「急がないよ。別に結婚しても寝室は一緒にしなくたっていいけど、ハニが安心して夜が眠れるようになれればそれでいい。」
そっと気が付かれないようにテーブルの上のハニの手に触れようとした時、ハニは触れる瞬間に自分の手を引いてテーブルの下に隠した。
ナムは嫌いではないが、手を触れる事さえまだ怖くなる。
嫌な顔をしないでナムはまた来るからと言って、残っているコーヒーを飲んで店を出て行った。




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あれから20年が過ぎて 36

店のドアを開けた瞬間に漂って来たコーヒーの香りは、少し時間が経った香りだった。
「いらっしゃい。」
スンジョたちを迎えたのは中年の男性だった。
「あの中年男性・・・どうも、ここの女主人の彼氏みたいで、子供も懐いていたよ。」
空いている席に座ったスンジョたちのテーブルに、店の奥にいた男性は水の入ったコップを置いた。

「彼女はいないの?この店の主人の・・・」
キム先生は何度か来ていて顔見知りなのか、水を持って来た男性に気安い感じで聞いた。
「今日は通院日で、夕方に帰って来るよ。留守番だからコーヒーは淹れられないけど、紅茶とジュース類とトーストくらいしか出来ないよ。」
「仕方ないよな・・・疲れているし、紅茶とトーストとサラダでいいよ。」
イ先生もスンジョも同じものを注文した。
店の棚に並んでいる無数のフォトフレーム。
スンジョたちが座っている場所からは、写真に写る人の顔は分かりにくかった。

ただそのフォトフレームの趣味が、ハニと似ているような気がしたが、それだけで近くに見に行くには気が引けた。
「お客さん、写真が気になるのですか?」
茶葉の入ったポットを持って来た留守番だという男性が、スンジョがフォトフレームを見ているのに気が付き聞いて来た。
「たくさん並んでいますね。」
「彼女はもともとソウルにいたんですよ。何か辛い事があって、彼女の母親の田舎に来てここで出産したんですよ。ここに来た時にも・・・まぁそれは知らない人に話していい事じゃないですが、性格のいい人ですよ明るくて頑張り屋で。」
写真を見ながら特別な感情があるように話すその人が、このカフェの女主人の事が好きなのだと分かる。

「彼女と結婚するのですか?」
スンジョが男性の顔を見て、そう聞くとその男性は驚いたような顔をした。
「そう見えますか?」
「ええ、とても大切な人を見るような目でしたから。」
「親子くらいの年の差があるのに、年甲斐もなくプロポーズをしたのですけどね、忘れられない人がいるから結婚できないと言われましたよ。子供の父親に捨てられたのに、まだ忘れていない一途な女性ですよ。」
そう言うと三人に気を利かせて、その人は店の奥の座っていた場所に戻って行った。
子供の父親に捨てられたのに・・・その言葉とハニが重なったのは、店の外のウエルカムボードに書かれていた店の名前と、フォトフレームの趣味がハニと似ていたからなのだろうか。




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