辛いな・・・
ハニはベッドにもたれ床に座り込んで、涙を流していた。
もともとヘラは苦手だった。
いつも堂々として、裕福な家柄でいつも華やかだった。
ドアを閉めていてもヘラの声が聞こえるような気がして、机の上にあるイヤフォンを手にすると耳に付けて、スマホに保存している音楽を聴いた。
なぜヘラが来たのかは分からないが、自分の家の力を使って何かスチャンの会社を援助したという事は分かった。
ぼぅっと空間を見ていると、ノックに気が付かなかったのか、ウンジョがハニの前に立っていた。
「ウンジョ君・・・」
「あの人帰ったよ・・・ハニ・・ご飯食べないの?」
へへッと泣いていなかった振りをして、ハニはウンジョに笑いかけるが、泣いていた事は恐らく気が付いていただろう。
「食欲なくて・・・・」
「食べなきゃだめだよ。ハニってさ・・・お腹に赤ちゃんがいるの?」
「えっ?」
ウンジョが知らないと思っていたのに、どうして気が付いたのだろうかと不思議だった。
「少し前にお兄ちゃんが帰って来て、あの女の人にケータリングで用意したものを片付けさせている時に聞いたんだ。ハニのお腹に赤ちゃんがいるから、部屋に行ってハニの様子を見て来てほしいって。」
「そうなんだ・・・」
心配そうに自分を見ているウンジョが、急に大人びて来たように見えた。
春からは中学生になる。
この家に来た時はまだ9歳の憎まれ口をたたく男の子だった。
「もうあの人来ないから下に降りて来たら?お兄ちゃんも、あの人を家から追い出したらすぐに戻って来ると言ったから。」
スンジョは滅多に感情を出さないが、まさか怒ってヘラを家から出すとも思いもよらなかった。
医学部に変わる前の自由選択学科にいた頃は、いつもヘラと一緒にいた。
いつも一緒にいたと言うより、ヘラの方が自分がスンジョの彼女だと見せつけているように勝手にいただけかもしれない。
「お兄ちゃんといつからその・・・付き合い始めたの?」
春から中学生になるのだから、どうしたら妊娠するかくらいの知識はあった。
家の中でも恋人みたいにしている姿を一度も見た事がないのだから、ハニの今の状況でいるのが不思議なのだろう。
「医学部に変わる少し前・・・・」
「ふぅ~ん・・・・良かったね、お兄ちゃんの彼女になれて。でもさ・・・僕、ハニが高校生の頃に家に来て少し経ってから、お兄ちゃんはハニの事が好きだって気が付いていたよ。」
スンジョの秘密を話してしまった事が照れ臭かったのか、それだけを言うとウンジョはハニの部屋を出て、足音を立てて階段を降りて行った。

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ハニはベッドにもたれ床に座り込んで、涙を流していた。
もともとヘラは苦手だった。
いつも堂々として、裕福な家柄でいつも華やかだった。
ドアを閉めていてもヘラの声が聞こえるような気がして、机の上にあるイヤフォンを手にすると耳に付けて、スマホに保存している音楽を聴いた。
なぜヘラが来たのかは分からないが、自分の家の力を使って何かスチャンの会社を援助したという事は分かった。
ぼぅっと空間を見ていると、ノックに気が付かなかったのか、ウンジョがハニの前に立っていた。
「ウンジョ君・・・」
「あの人帰ったよ・・・ハニ・・ご飯食べないの?」
へへッと泣いていなかった振りをして、ハニはウンジョに笑いかけるが、泣いていた事は恐らく気が付いていただろう。
「食欲なくて・・・・」
「食べなきゃだめだよ。ハニってさ・・・お腹に赤ちゃんがいるの?」
「えっ?」
ウンジョが知らないと思っていたのに、どうして気が付いたのだろうかと不思議だった。
「少し前にお兄ちゃんが帰って来て、あの女の人にケータリングで用意したものを片付けさせている時に聞いたんだ。ハニのお腹に赤ちゃんがいるから、部屋に行ってハニの様子を見て来てほしいって。」
「そうなんだ・・・」
心配そうに自分を見ているウンジョが、急に大人びて来たように見えた。
春からは中学生になる。
この家に来た時はまだ9歳の憎まれ口をたたく男の子だった。
「もうあの人来ないから下に降りて来たら?お兄ちゃんも、あの人を家から追い出したらすぐに戻って来ると言ったから。」
スンジョは滅多に感情を出さないが、まさか怒ってヘラを家から出すとも思いもよらなかった。
医学部に変わる前の自由選択学科にいた頃は、いつもヘラと一緒にいた。
いつも一緒にいたと言うより、ヘラの方が自分がスンジョの彼女だと見せつけているように勝手にいただけかもしれない。
「お兄ちゃんといつからその・・・付き合い始めたの?」
春から中学生になるのだから、どうしたら妊娠するかくらいの知識はあった。
家の中でも恋人みたいにしている姿を一度も見た事がないのだから、ハニの今の状況でいるのが不思議なのだろう。
「医学部に変わる少し前・・・・」
「ふぅ~ん・・・・良かったね、お兄ちゃんの彼女になれて。でもさ・・・僕、ハニが高校生の頃に家に来て少し経ってから、お兄ちゃんはハニの事が好きだって気が付いていたよ。」
スンジョの秘密を話してしまった事が照れ臭かったのか、それだけを言うとウンジョはハニの部屋を出て、足音を立てて階段を降りて行った。

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