もうこのマンションに移って三週間。
ようやく駐車場に車を停めるのも慣れて来た。
高級乗用車が並ぶ中に、私の車は女の子らしいとパパが言っていた。
私の横の駐車スペースは、パパが乗っている店の車。
不釣り合いかと思っていたけど、店の名前が入っているのを見て、何人かの人から食べに言った事があると話しかけてくれた。
高級マンションでも、住んでいる人は気さくで、敷地内で顔を合わせると挨拶をしてくれる。
「ハニちゃん、ちょっと・・・」
駐車場からエレベーターに乗って一階の集合ポストに郵便物を確認に行く時に、住民の一人に声を掛けられた。
「こんにちわ・・」
「知っている?」
「何かあったのですか?」
ハニに声を掛けた人は、エントランスからマンション敷地内の入り口の方を見てから、ハニに一枚のチラシを見せた。
「変質者が出たのですか?」
「みたいよ・・・数日前に、外の柱の陰からマンションのエレベーターホールの方を見ている人がいたんですって。見た感じは普通の若い男性に見えたけど、建物の外に出る人の姿を見たら、サッと隠れたって・・・防犯カメラが写らない場所に立っていたから、もしかしたらストーカーかもしれないわ。気を付けてね。」
「ありがとうございます。」
チラシをハニが受け取ると、その人は先にその場を離れてエレベーターに乗って行った。
チラシに書かれている変質者が出没した日は、ハニがギテに送って来てもらった日だった。
その日だけ変質者が出没したのなら、見かけた住民の勘違いかもしれないし、ハニ自身人に付けられるような身に覚えがなかった。
「物陰に隠れて・・・・私みたいなストーカーがいるんだ・・でも、私だったら防犯カメラに写っちゃうだろうな・・・」
気を使って渡してくれたチラシをクシャクシャにして捨てるわけにもいかず、ハニはそのチラシを丁寧に畳んで郵便物と一緒に部屋まで持って行く事にした。
まさかスンジョが来ていたとは思わないハニは、誰もいない部屋に入るとリビングの窓からペク家のある方向を眺めていた。
「スンジョ君に会いたいな・・・・でもヘラと一緒にいるのを見るのは辛い・・・大学も休学したままだし、最近ヘラもテニス部に顔を出していないから、もしかしたら結婚の話が進んでいるのだろうか・・」
ハニのために急いで見つけてくれたこのマンション。
父の想いは十分すぎるほど分かっているが、誰もいない部屋に一人でいると思い出すのはスンジョの事ばかり。
ペク家を出てから偶然にこのマンションの近くでギテと再会してから、何度かギテは遊びに来てくれたがお互いに先輩後輩としてハニとよく話をするようになった。
それでも冗談のように『デートしよう』と、よく遊びに行くのを誘ってくれるのは、スンジョがヘラと見合いをしたと言う噂を聞いて、ハニを気遣ってくれているからだった。

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ようやく駐車場に車を停めるのも慣れて来た。
高級乗用車が並ぶ中に、私の車は女の子らしいとパパが言っていた。
私の横の駐車スペースは、パパが乗っている店の車。
不釣り合いかと思っていたけど、店の名前が入っているのを見て、何人かの人から食べに言った事があると話しかけてくれた。
高級マンションでも、住んでいる人は気さくで、敷地内で顔を合わせると挨拶をしてくれる。
「ハニちゃん、ちょっと・・・」
駐車場からエレベーターに乗って一階の集合ポストに郵便物を確認に行く時に、住民の一人に声を掛けられた。
「こんにちわ・・」
「知っている?」
「何かあったのですか?」
ハニに声を掛けた人は、エントランスからマンション敷地内の入り口の方を見てから、ハニに一枚のチラシを見せた。
「変質者が出たのですか?」
「みたいよ・・・数日前に、外の柱の陰からマンションのエレベーターホールの方を見ている人がいたんですって。見た感じは普通の若い男性に見えたけど、建物の外に出る人の姿を見たら、サッと隠れたって・・・防犯カメラが写らない場所に立っていたから、もしかしたらストーカーかもしれないわ。気を付けてね。」
「ありがとうございます。」
チラシをハニが受け取ると、その人は先にその場を離れてエレベーターに乗って行った。
チラシに書かれている変質者が出没した日は、ハニがギテに送って来てもらった日だった。
その日だけ変質者が出没したのなら、見かけた住民の勘違いかもしれないし、ハニ自身人に付けられるような身に覚えがなかった。
「物陰に隠れて・・・・私みたいなストーカーがいるんだ・・でも、私だったら防犯カメラに写っちゃうだろうな・・・」
気を使って渡してくれたチラシをクシャクシャにして捨てるわけにもいかず、ハニはそのチラシを丁寧に畳んで郵便物と一緒に部屋まで持って行く事にした。
まさかスンジョが来ていたとは思わないハニは、誰もいない部屋に入るとリビングの窓からペク家のある方向を眺めていた。
「スンジョ君に会いたいな・・・・でもヘラと一緒にいるのを見るのは辛い・・・大学も休学したままだし、最近ヘラもテニス部に顔を出していないから、もしかしたら結婚の話が進んでいるのだろうか・・」
ハニのために急いで見つけてくれたこのマンション。
父の想いは十分すぎるほど分かっているが、誰もいない部屋に一人でいると思い出すのはスンジョの事ばかり。
ペク家を出てから偶然にこのマンションの近くでギテと再会してから、何度かギテは遊びに来てくれたがお互いに先輩後輩としてハニとよく話をするようになった。
それでも冗談のように『デートしよう』と、よく遊びに行くのを誘ってくれるのは、スンジョがヘラと見合いをしたと言う噂を聞いて、ハニを気遣ってくれているからだった。

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