大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2019年06月

はなびらが舞う頃 85

「ごめんなさい・・・」
スンジョの胸に倒れ込んだハニは、体勢を整えて体を起こそうとしたが、腕をつかんでいるスンジョの力は緩まなかった。
「離して・・・」
「離さない。もうハニを離さないから。」
意味は分からなかったが、スンジョのその言葉に体中が熱くなって来た。
赤くなった顔を見られないように、ハニは緩く結んでいた髪が崩れてホッとした。

「ハニは夫を亡くして自分一人で息子と義理の父のためにと強い気持ちでいる。無理して強がって自分を犠牲にしないで、人に頼って過ごさないか?」
無理して強がってなどいないと言いたいが、自分が息子と義理の父を守らなければと思っていた。
「無理して強がってなんて・・強がっていないけど、スンジョ君とは結婚できない。」
「どうして?」
「どうしてって・・」
「ハニがオレの事を嫌いだとは思えない。ハニは、オレの事を昔と同じ想いでいてくれると分かっている。だから、オレと視線を合わせないようにしている。」

スンジョに自分の気持ちを隠し切れない事は分かっている。
瞳の奥まで見透かされている心の中の迷い。
誰かに頼りたいという気持ちもあるが、母親として嫁として頑張らなければという気持ちもあった。

「義理の父は、私の事を自分の妻だと思っているの。ユシムは自分の息子のスウォンと思っている。だから、スンジョ君と結婚が出来ないしユシムが大人になるまではスンジョ君の気持ちを受け入れられない。」
「よかった。」
スンジョはニコッと笑って、ハニの腕をつかんでいた手を離した。
「オレの事は嫌いじゃない事が確信できた。それなら、オレがユシムが大人になるまで助けるよ。義理のお父さんには、オレを息子の家庭教師とでも紹介したらいい。ハニが困らないように、オレもユシムが大人になるまで助けるよ。それならいいだろ?」
自分の目をしっかりと捉えて暖かい瞳で見つめられていると、無意識にハニは頷いた。
「義理のお父さんがいる間は結婚しようと言わないよ。いつか結婚をする事を考えて恋人として付き合って行くのならいいだろ?」
『YES』も『NO』も言えなかったが、ハニはまた無意識に頷いて結局はスンジョの申し出を受けてしまった。
片想いをしていた時は辛くて仕方がなかったが、スンジョからのプロポーズや恋人としての付き合いを言われて、違った意味でスウォンが亡くなってから苦しんでいたのは事実だ。



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はなびらが舞う頃 84

オレの顔を見てビクビクとしていたあの頃のハニの顔が浮かんだ。
素直になっていたらハニとは、どんな関係になっていたのだろうか。
「どうぞ・・・・・」
室内の電気は特別に明るい物でもなく、机のスタンドも特別な物でもない。
まるで身体全体が明るい光を放っているように見えて、座って背を向けている姿にハニは頬ずりをしたくなりそうだった。
「コーヒー、気を使わせてすまない。」

いいえ、気を使っていないよ。
私を気遣ってくれていることへのせめてもの私の想いだよ。
私がスンジョ君を拒む理由は、まだ誰にも言えない。
あの頃とスンジョ君への想いは変わっていないけど、でも先生のことを好きになって結婚したのだからそれも変わらない事。

「オレがここに来て欲しくはなかった?」
「そんなことは・・私が決心して診療所を閉鎖すればいいことだけど、主人が亡くなっても義理の父が施設にいるから・・・」
「あれから時間が経ったけど、オレと結婚しないか?」
その言葉を言われても、まだハニは返事をどうしていいのかわからなく、できればその話にならないように避けていた。

「オレさ、ヘラと見合いをして気が付いたんだ。人から良く見られようと思っていたわけじゃないけど、人の視線を常に気にしていたから今の自分から変わるのが怖かった。ハニが家に来て、お袋が楽しそうにしているのをオヤジがまたそれを見て楽しそうで、ウンジョはオレの真似ばかりしているけどそこはまだ子供だから、微妙にハニをいじめながら距離を縮めていった。生活の変化や自分の変化を拒んでいては、人間として成長していかない。ハニを泣かせることで、わけのわからないイライラを解消していたけど、結局はそんなのは場しのぎの事。出て行くときの手紙にハニが一度書いて消した言葉が、オレの心を変えた。」
消しゴムできれいに消したと思っていた。
透かして見ても、角度を変えて見てもわからなかった。

「スンジョ君が楽になってくれるように、私はお世話になった家を出て行きます・・・・何が楽になる・・だよ。お前が家を出て行ってから、お袋が悲しんだけど、オレは心にぽっかりと穴が開いて苦しくて仕方が無くなった。」
動くことを忘れたハ二の腕に、スンジョの手が伸びた。
ハニはそれに引かれるように、スンジョの胸に倒れこんだ。



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はなびらが舞う頃 83

夕食の片付けをしているハニとおばさんの後ろで、ユシムがダイニングテーブルの上に広げた紙に絵を描いていた。
鼻歌を歌いながら、時には何かを言いながら楽しそうに絵を描いていた。
「ユシム君、最近明るくなりましたね。スウォンさんがいる頃はよくああして絵を描いていましたね。」
確かにこの数日のユシムは、笑顔も見られるようになり、舌ったらずな話し方も少し改善されていた。
「来月の夏休みに、ペク先生も私の田舎に一緒に行くのをお誘いしたらどうですか?」
「来てくれるかしら・・・先生はソウルに帰ってしまうから、あちらでご家族と過ごすのかも。」
それ以上おばさんは何も言わなかった。
たった数日ここにいただけで、スンジョがこの診療所にいる人間に影響を与えているのは言葉にしなくても分かった。

スンジョが来月の夏休みに、ハニとユシムとおばさんの田舎に行くかどうかは本当に分からないが、昼間にかかってきた電話の様子では、7月が終わったらソウルに帰らず来月もここで患者の治療をするのじゃないかと言う話をしているような気がした。
今月には帰らないが、再来月になったらソウルには帰るだろう。
そうなれば、スンジョと多分もう会う事はない。
「先生にコーヒーを持って行きますね。」
おばさんのその言葉にユシムは自分も行きたいという顔をして、椅子から降りるとおばさんの後ろに付いて、スンジョがいる部屋の方に何か話しながら歩きだした。

「待って!私が持って行きます。おばさんは、ユシムにお風呂に入るようにしてください。最近ユシムは眠るのが遅くなっているから、ちゃんとした生活リズムにしないと、おばさんの田舎に行く頃に熱を出してしまうから。」
咄嗟にとった適当な言い訳。
ハニは最近見るユシムとスンジョの中の良い姿に、抑えている自分の想いが揺れ動いていた。
スンジョが言った『ハニと同じ淋しい思い』は、どの親でも自分の子供にはさせたくない。
あんなにたった数日で懐いているユシムに、スンジョがソウルに帰ってもう二度と会えないというのは可哀想な気がした。
それよりも自分の心が一番、スンジョにそばに居て欲しいのかもしれない。

「スンジョ君・・・・・」
ずっとペク先生と呼んでいたハニが、初めて以前のようにスンジョを名前で呼んだ。



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はなびらが舞う頃 82

スンジョはすぐにユシムとおばさんと打ち解けた。
昔から冷たくても人からの信頼は割と得やすい性格だったが、その時とはどう違うのかは分からないがどこか違っていた。
ユシムが、スウォンが亡くなった頃からあまりしゃべらなく、舌ったらずを幼稚園でからかわれてから、ハニやおばさん以外の人の前では口を開かなかった子が、誰もいない診察室に行っては、ハニが呼びに行くまで出てこなくなった。

「またユシムは、診察室に行ってるのね。遊び場じゃないとわかっているのに!」
「スウォンさんがいる頃を思い出しますね。」
涙声でおばさんはそう話した。
「だからと言って・・・」
「今度の先生、スウォンさんと、どこか似ていますから、お父さんと重ねているのかもしれないわね。」
どこも似ていないと、自分ではそう言い切れない。
スウォンを見て、スンジョと似ているところを見つけたのだから。

「ペク先生の奥さんを見る瞳はよく似ていますね。外見は素敵ですけど、内はそれ以上に魅力的だと心で伝わってきます。」
どこか似ていると、スウォンを見たときに感じたが、どこが似ているのかはハニはわからなかった。

「ユシム、おやつだからおばさんの所に行きなさい。」
子供に少しきつい口調で言うつもりはなかったが、いつも自分を笑顔で見てくれている母親ではなく、厳しく固い表情にユシムから笑顔が消えた。
スンジョから離れるのを残念そうにしても、ハニに反発するにはまだ幼い。
「ユシム、話をする時は思った通りに話せばいいんだよ。」
ポンポンとユシムの頭に手を乗せると、少しだけ安心したような顔に変わった。

「おかあしゃん、ごめんなさい・・・おやつたべてきましゅ・・・」
ゆっくり一言ずつ話そうとしても、どうしてもうまくしゃべれない。
「夏休みにおばさんの田舎にお母さんと行くって、嬉しそうに話していたよ。」
「先生が去年までは旅行を計画してくれたけど、今年はとても気が回らなくて忘れていたらおばさんが誘ってくれたの。ユシムだけを行かせるつもり・・・」
「診療所の方は大丈夫だから、ハニも一緒に行けばいいのに。」
「診療所の事が気になるからじゃなくて、先生のお父さんの面会に行かないといけなくて。葬儀が終わった頃から、状態が悪くなっていて嫁の私が面会に行かないのは・・・・」

少しずつハニはスンジョとの会話に力が入らなくなっているが、まだあの時のプロポーズが影響しているのか距離を近づけさせないようにしている。
「今すぐの返事じゃなくてもいい・・ハニの気持ちを聞かせてほしい。」
書類を書きながら、スンジョはハニの顔を見ないで低めのこの部屋の外に聞こえない声で話した。
「ハニの夫としてじゃなくてもいい、ユシムの父親代わりにオレと結婚しないか?」
「それは・・・」
多少力が入ってはいるが、あの時のように拒んでいる話し方とは違っていた。
「ユシムは父親が好きだったんだな。その代りはオレにはできないが、ユシムをハニが母親がいなくて淋しい思いをした時と同じ思いをさせたくないだろ?」
確実に昔のスンジョとは違っていた。
優しい性格だと気が付いていたが、暖かくて心が大きくて気持ちを委ねたい空気を感じる。
「ゆっくり考えさせて・・・・」
「急がないから。」
開けられた窓からはなびらがヒラヒラと、診察室のスンジョの机の上に落ちた。



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はなびらが舞う頃 81

スンジョはハニが思っていた人ではなかった。
正確に言うと、昔を知っているから型にはまった挨拶を終えたら、すぐにカルテを目を通すか、事務的な連絡を確認するだけだと思っていた。
「家の事を任されているおばさんですね。今日からよろしくお願いします。」
と、作り笑顔ではない心を引き込ませる笑顔で挨拶をすると、おばさんは少女のようにはにかんでいた。
顔を会わせたことのあるユシムには、しゃがんでニッコリと笑って『時々一緒に遊ぼう』と親しみを込めて話した。
最後にハニの正面に立つと瞳の奥まで麻痺させるくらいに強い力で視線を向けた。

「代診だからという気持ちではなく、患者の不安を取り除くような治療をして行くつもりです。」
専念という言葉は、数ヶ月前のプロポーズ的な言葉はなかったようにしたいと取れる言葉だった。
そんなスンジョの態度に、少し寂しさも感じたがかえってその方が昔の事を知らないおばさんやユシムのためにはよかったかもしれない。
挨拶が済むと早々にスンジョは診察室に案内されると、用意されている白衣に羽織ると机の中や機材などを確認した。
どんな表情でスンジョを見ているのか、ハニは自分の顔を見る事は出来ないが、普通にしているつもりでいた。

「奥さん、今度の先生素敵ですね。」
「そう?」
「そうですよ。私も30歳若かったら、片想いをしたかもしれないですよ。」
昔の冷たい表情のスンジョを知っていると、確かに柔らかくて温かくて引き込まれていきそうではあった。
いつからスンジョはそんな表情をするようになったのだろう。
「奥さん、再婚相手にあの先生はどうです?」
「な・・・何を・・私にはユシムがいるから・・・」
どもったことを不思議に思われるのではないかと、顔を見られないようにおばさんに背中を向けた。
「ユシム君がいたって、まだ奥さんは若いのですから再婚して幸せになっていただかなきゃ。でも、あんなに素敵な方だから、素敵な奥さんがきっといるのでしょうね。」
「・・・・・」
スンジョに妻がいないとは言わなかった。
そう言えばきっとなぜ知っているのか、知り合いだったのかと詮索されるだろう。

封印していたスンジョへの想いが、解かれ始めている不安が、微妙にぎこちない態度をしていても、おばさんは気が付いていなかった。
おばさんは特に今まで代診で来た医師に対する態度と変わらないが、スウォンが亡くなってから塞ぎ込んでいたユシムが、いつもハニの服の端を持っていた手を離した。
毎月交代する診療所の医師に、人見知りのユシムが警戒して診察前でも、診察室のドアから様子を見る事はなかったが、父の代わりに診療所に来てくれる人に慣れているとは思えないが、ハニの傍からスンジョの様子を見ていた。

「おとうしゃん・・・・」
雰囲気も顔も体系も違うスンジョを見て、ユシムが小さな声でつぶやくと、自分の声に気が付いたスンジョがおいでと手で招いた。
「お父さんじゃないよ。」
「おとうしゃん・・おとうしゃん・・」
ユシムは自分を見てほほ笑んだスンジョの方に走り出した。



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