冬になった。
季節も冬だけど、家の中の空気も冬よりも寒い真冬になった。
家族それぞれ心がぽっかりと空いたようになっているのに、私にとても気を使っているのがわかる。
それなのに、私はどうしたのだろう・・・・・・悲しいとか寂しいとかそんな感情がなくなっていた。
あの夢・・・
スンジョ君が深い闇に落ちて行く夢を見たあの日から、私の心が悲しみや寂しいという事を感じなくなっていた。
悲しみや寂しいという感情がなくなったのに、毎日が不安だった。
その不安な気持ちを誰かに話してしまうと、涙が溢れて止まらなくなりそうだった。
今は平和な時代で、毎日平和に暮らす事が当たり前。
当たり前だから、きっとスンジョ君は危険を承知で赴任先を自分で決めたのだと思う。
「何か心配事でもあるの?」
今日はパク先生の診察日。
パク先生はモニターのエコー画像を見ながら、ハニに声のトーンを少し下げて聞いて来た。
「別に・・・仕事の疲れかもしれないです。」
「そう・・・・」
言い訳になるけど、最近忙しかったのは事実。
分娩と夜勤はないシフトを組んでいても、ヘラとあの高校生の女の子の出産が同じ日にあって、産科の看護師も他の出産で立ち会えなくて、急遽私が婦人科の医師に産科の人間として立ちあってほしい、と依頼されたのだ。
勿論、ヘラの家族であるギョンス先輩や、未成年の夫婦である高校生の両親の承諾で、産科ではなく婦人科のしいが立ち会うため、産科の私も立ち会う事になると。
分娩室で何度か陣痛に耐えている彼女たちを見ていても、私のお腹もギュッと収縮する感覚があった。
パク先生は、それを知ってはいないが『他人の陣痛を見ていて、まだ出産予定日が先の妊婦が早産になる事もあり得るから』と、定期健診の今日を時間に余裕を持って診てくれた。
仕事の疲れよりも、どちらかと言うとスンジョ君の事が精神的に負担をかけているのだと思う。
「胎児が下がっているわ。双子で小さいから、まだ生まれては欲しくないから早めに産休を取って、できれば入院をして欲しいわね。」
「入院・・・・・」
夢の事は誰にも言わないのがいい事は分かっている。
お母さんもお父さんもウンジョ君も勿論パパも言葉にしなくても私を気遣ってスンジョ君は大丈夫かと聞かない。
病院にいればスンジョ君が仕事をしている姿を思い出してしまうから、家で安静にしている方がおかあさんと話して気を紛らわせることができる。

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季節も冬だけど、家の中の空気も冬よりも寒い真冬になった。
家族それぞれ心がぽっかりと空いたようになっているのに、私にとても気を使っているのがわかる。
それなのに、私はどうしたのだろう・・・・・・悲しいとか寂しいとかそんな感情がなくなっていた。
あの夢・・・
スンジョ君が深い闇に落ちて行く夢を見たあの日から、私の心が悲しみや寂しいという事を感じなくなっていた。
悲しみや寂しいという感情がなくなったのに、毎日が不安だった。
その不安な気持ちを誰かに話してしまうと、涙が溢れて止まらなくなりそうだった。
今は平和な時代で、毎日平和に暮らす事が当たり前。
当たり前だから、きっとスンジョ君は危険を承知で赴任先を自分で決めたのだと思う。
「何か心配事でもあるの?」
今日はパク先生の診察日。
パク先生はモニターのエコー画像を見ながら、ハニに声のトーンを少し下げて聞いて来た。
「別に・・・仕事の疲れかもしれないです。」
「そう・・・・」
言い訳になるけど、最近忙しかったのは事実。
分娩と夜勤はないシフトを組んでいても、ヘラとあの高校生の女の子の出産が同じ日にあって、産科の看護師も他の出産で立ち会えなくて、急遽私が婦人科の医師に産科の人間として立ちあってほしい、と依頼されたのだ。
勿論、ヘラの家族であるギョンス先輩や、未成年の夫婦である高校生の両親の承諾で、産科ではなく婦人科のしいが立ち会うため、産科の私も立ち会う事になると。
分娩室で何度か陣痛に耐えている彼女たちを見ていても、私のお腹もギュッと収縮する感覚があった。
パク先生は、それを知ってはいないが『他人の陣痛を見ていて、まだ出産予定日が先の妊婦が早産になる事もあり得るから』と、定期健診の今日を時間に余裕を持って診てくれた。
仕事の疲れよりも、どちらかと言うとスンジョ君の事が精神的に負担をかけているのだと思う。
「胎児が下がっているわ。双子で小さいから、まだ生まれては欲しくないから早めに産休を取って、できれば入院をして欲しいわね。」
「入院・・・・・」
夢の事は誰にも言わないのがいい事は分かっている。
お母さんもお父さんもウンジョ君も勿論パパも言葉にしなくても私を気遣ってスンジョ君は大丈夫かと聞かない。
病院にいればスンジョ君が仕事をしている姿を思い出してしまうから、家で安静にしている方がおかあさんと話して気を紛らわせることができる。

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