大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2018年09月

霞色の空のむこう側に 70

ハニがいない事は分かっていた。
マンションの玄関のドアの鍵を開けてドアを引くと、リビングから明るい光が漏れていた。
それが普通の事で当たり前と思っていた。
子供の頃から専業主婦の母ががっ国から帰宅する子供たちを笑顔で迎え、学校で会った事や友達の事を毎日聞いていた。
勉強をしなさいや、テストの点数はどうだったかは一度も聞かれた事はなかった。
明るく笑い世話を焼く母を煩わしく感じるようになったのは、思春期になった中学生の頃から。
そんな事は子供から大人になる成長期にある普通の事だ。
スンジョの場合、それほど親を煩わしいと思う事はなかったが、ある日突然自分の行動する範囲に入って来た同じようなタイプのハニに戸惑っていた。

親に対してはそれほど気にしてはいなかったが、同年齢のハニに対しては妙な感情が芽生えていた。
それが人に対する特別な想いと知って、ハニをずっと自分のそばに置いておきたいと思った。
誰もいないリビングに残るハニがいた痕跡は見られなかった。
ハニが使っていたイストクッション、マグカップにミニボールはそこにあるのに、それをどんなふうに使っていたのかが全く記憶がなかった。

一度見たり聞いたりしたことは忘れる事がないスンジョが、どんなふうにしてハニがこの部屋で動いていたのかも思い出せなかった。
鞄をソファーに置き寝室のドアを開けてクローゼットを開けた。
ハニが来ていた服が並んでいるのに、今の季節に着ていたはずのハニのその姿を思い出せない。

後ろを振り返ってカバーが掛けられているベッドに目をやると、ハニがどんな顔をして自分を待っていたのかも思い出せない。
実家にいる時の結婚した当初は、掛け布団の上に両手を置いて、甘えたような瞳でスンジョを待っていた。
その表情をこの部屋に来てから見た事があっただろうか。
たった数週間の生活でも見ていたのなら覚えているはず。

ハニが先に風呂に入って、ハニが先にベッドに入って、ハニが先に眠りについて・・・・・
夫婦なのに夫婦として過ごさなかったこの数週間。
ハニが先に眠っていたから、夫婦として過ごさなかったから?
ハニは本当に眠っていたのだろうか。
遅い時間にベッドに入っても、ハニと気まずくなる前は些細な事で喧嘩をしてもハニから伝わる物があったのに、何か心をシールドしている気もしていた。
ふたりだけで生活をすれば何もかも元に戻ると思っていたのは間違いだったのか。

もう一度結婚した時の二人に戻るつもりで、グミやスチャンとウンジョがいない生活をしようと思っていた。
「何が本当に間違っていたのか・・・・」
ハニがいないベッドの上に寝転んで、スンジョは自分の今までのハニに対する態度を思い出そうとしていた。




霞色の空のむこう側に 69

ファストフード店の食事は、スンジョの忘れかけた何かを思い出させた。
何を思い出したのか、思い出してどうなるのか分からないが、自分に欠けているものがまた一つある事に気が付いた。

「さぁ・・もう帰るか。帰ってシャワーを浴びたらすぐに眠れそうだ。」
スンジョに付き合ってくれたその人は、食べ終わったトレイを持って立ち上がった。
「スンジョ・・・お前・・几帳面だと思っていたけど、ハンバーガーの包み紙を織り紙みたいにするんだな。それにチキンの入っていた箱も奇麗に畳んで。」
「そうか?習慣だよ。」
ハニと外食をすると、ペーパーナフキンやハンバーガーの包み紙を奇麗に折りたたんでいた。

『スンジョ君、ペーパーナフキンをクシャクシャってすると、他の人が見たらゴミに見えるし、いくら自分が使った物でも見た目が奇麗じゃないでしょ?スンジョ君は人の目を気にするのに、そういう時は気にしないの?』
人の事など気にしていないと思っていても、ハニが言った言葉は思ってもいない言葉だった。
人の目を気にしているとハニからは見えたのだ。
それから、人の目を気にしないでいようと、ハニと同じようにペーパーナフキンはリボンのようにねじり、紙コップは合わせ目に沿って畳んでいた。
一緒に暮らせば小さな習慣から似てくるという。
無意識にその習慣が身に付けられているのだろう。

2人そろって店の外に出ると、高校の下校時刻なのだろう。
パラン高校の制服を着た男女のグループがいくつか店内に入って行った。
あの頃のハニは、よく笑っていた。
何がそんなにおかしいのか、くだらないと思う事でもお腹を抱えて笑っていた。

「スンジョ・・お前さ・・少し気を抜けよ。」
「気を抜く?」
「勉強は必要だけど、お前は真面目を通り過ぎてくそ真面目だし。そりゃあ、患者が何かを聞いた時や実際に医師になった時に困らないために勉強をするのは当たり前だけど、症例だって全く同じはそれほどないと思う。医者って、知識だけじゃなくて患者とのコミュニケーション良も必要だ。そんなに完璧に勉強をしようと思っていると、もし医師になった時に心のゆとりがなくなるぞ。」
「そうだな。」
滅多に授業以外で医学部生たちと話をする機会はあってもそれに加わる事はないが、モヤモヤとした心の時に、ファストフード店に誘ってくれた事に感謝した。
気を抜く事はスンジョにとって、難しくて容易ではないが少し気を抜いて見た方が、ハニとずれてしまった気持ちの原因がわかる顔しれない。




霞色の空のむこう側に 68

家に帰るか実家に帰るか、それとも大学の図書館で調べ物をするか。
何もなければそれほど悩む事でもないが、家を出る時にハニに対してとった行動と、電話口でグミで話した事が気まずくて小さな迷いごとでもどうしたいいのか決めかねていた。

「どうした?家に帰らないのか?可愛い奥さんが待っているだろう。」
「調べたい事もあるから・・・」
調べたい事は何なのかと聞かれれば、その調べたいこと自体よく分からなかった。
「家に帰れよ。新婚なんだし、そんなに必死に勉強をしなくても、お前なら余裕だろう。」
「そうだな・・・」
こんな事で人から助言されるとは思わなかった。
オレは何を悩んでいるのだろう。
「昼飯でも食べて帰るか?」
何かを感じ取ったのか、声を掛けてくれた仲間が気にしていないという表情でほほ笑んでいた。



「この店でいいか?」
「オレはどこでも・・・っていうか、ファストフード店じゃないか。」
「ははは・・・奢ってやろうと思ったのに、仕送りを使い過ぎてここなら何とか・・・」
地方から出て来た学生には、それほど金銭的に余裕がある人はいない。
バイトをすればいいが、医学部生にはそんな時間を作る事は難しかった。
家庭教師のバイトをしながら頑張っている学生もいたが、ほとんどが仕送りに頼っていた。
特に実習に加えて、教授の特別授業や聞きたい分野の講演に参加しているから寝ずに勉強をしなければオレは落ち着かなかった。

「チキンを持ち帰りで一つ追加してください。」
スンジョは店員に注文を伝える時に、誘ってくれた人の分も支払った。
「オレが誘ったのだから、オレが支払うよ。それくらいの金は持ち合わせているから。」
財布から紙幣を出そうとしているその手を止めた。
「いや、いいよ。一人で食べるよりも人と食べた方がうまいだろう。」
その言葉に何かを感じたのか、様子を伺うように顔を見ていた。
「何かあったのか?」
「いや・・・今の時間に家に帰っても、何も作っていないだろうから、このまま食事を抜こうと思っていただけだ。」
「そうか・・・・・ま・・いいや。奥さんにお土産も買っていくのだから、お前の分をテイクアウトすればいいのに。」

トレイに乗せられたハンバーガー類を受け取ると、空いた席に向かいながら二人は歩いた。
テイクアウトのチキンの袋をスンジョは差し出した。
「これはお前の分だ。グリルで焼けば出来たてに近くなるから、夕食に食べろ。」
成人した男が一人前のハンバーガセットと、余分に買ったチキンくらい一度に食べられる。
ハニと一緒にファストフード店に来ると、よく持ち帰りでハニが注文をしていた。

『家に帰って、夜のおかずにしようか。グリルで焼くとお母さんが出来た手になるって言っていたから。』
毎回同じことを言いながら二人で来たのに三人分のチキンを買っていた。
あの頃のハニはよく笑っていた。
気が付けば最近ハニが笑ったのはいつなのだろうかと思った。




霞色の空のむこう側に 67

眠れないスンジョとは反対に、ハニは心が軽くなったのか、久しぶりに自然と眠りの世界に入って行った。
その寝顔は穏やかで、母親の膝に甘えて眠っている幼い子供の様だ。
些細な事でスンジョと喧嘩をして飛び出し、≪ソ・パルボクククス≫の店の二階で過ごすようになってから眠れても、小さなもの音で起きてしまうほどの状態だった。
家の中にいる人が深い眠りについている時間に、静かに階段を上がり廊下を歩いている人物が、ハニが眠っている部屋の前で足を止めた。
ゆっくりと手を伸ばしドアノブに手をかけ、数センチドアを開けて中の様子を窺っていた。
その人は、ハニの寝顔を見て安心したように微笑みまたドアを閉めた。




「おはようございます。」
「おはよう。まだ眠っていてもよかったのに。」
「病気じゃないので、いつまでも眠っていられません。」
その声と言葉は、元気で明るい時のハニと同じだった。
もう大丈夫ね、とそんな思いでいるグミはハニに言葉にして伝えなくても分かる笑顔を見せた。
「それに、私はペク家の嫁ですから、お姑さんと一緒に家族の健康を考えて行かなければいけませんから。」
キラキラと輝くその大きな瞳は、心の中の思いを誰かに伝えたから心が晴れた事を表していた。
「ペク家の嫁でいてくれるのなら、私からハニちゃんに伝える事を厳しく教えるから覚悟をしてね。」
「覚悟します!。」
ふたりは顔を見合わせて、声を上げて笑い出した。
ふたり小笑い声で目が覚めたスチャンとウンジョが、寝ぼけた顔をしながらまた二人も笑顔でダイニングに現れた。

グミもハニが急にペク家を出て行ってから、笑顔どころか元気がなくなったのを心配していた。
スンジョがハニと二人だけの生活をするために出た時は、息子夫婦がまた一緒に暮らす事に安心をしていても、心からの笑顔を見せる事もなかった。
「あら!二人とももう起きて来たのね?」
「ハニの笑っている声がうるさくて、もう少し寝ていたいのに目が覚めたよ。」
「そんなに大きな声で笑っていないわよ。」
「言う方はそう思うけど、寝ている人間には大きいんだよ。」
嫌味を言うウンジョもまたハニが戻って来て安心していた。
当然スチャンもハニが家を出てから元気を無くしていた妻を心配していたし、賑やかな生活に慣れていた自分も、楽しく笑う我が家がまた戻って来てよかったと思っていた。

あとはスンジョだけか・・・・

そう思っている心の声を、今ここにいる家族は知らない。







霞色の空のむこう側に 66

一日目にハニに連絡をして以来、携帯の画面だけを見て電話をかけなかった。
もともと自分の方から特別に用がなければ連絡をする事はなかった。
家を出る時よりも前の、ハニが胃痙攣で病院に連れて行った頃から自分たちの間に何かおかしくなっている気はしていた。
喧嘩をして家を飛び出したハニと気まずいまままた一緒に暮らす事を決めて、それで最初はぎこちなくても自然と元に戻れると思っていた。

「いったいどうしたらいいんだ?」
ホテルの窓から黒い空を見ながらスンジョは呟いた。
教授と学生たちで食事をして、自分だけが先に部屋に戻って来た。
慰労を兼ねた二次会に誘われたが、とても酒を飲む気持ちにもなれない。
ハニの胃痙攣がストレス性の物だと言われ、その原因を知らなければ治らない事は誰かに言われなくても分かっている。

スンジョの両親と弟とハニの父親との生活が原因とは思えない。
喧嘩をした時に自分もハニも謝らなかった。
ハニが謝らなかったからスンジョも謝らないのではなく、ハニも自分も何も間違った事はしていないから。
いつも思い付きのように行動しているグミに、スチャンは一度も怒った事がない。
そんな両親が理想でもあるから、自分もハニが何かを失敗しても怒った事はないと思っている。

「疲れた・・・・」
声に出して言ってみたが、身体が疲れているのは休めば回復するが、それとは違う疲れを感じていた。
誰かに付かれたと言えば、寝る時間を削ってまで勉強をしているからと言われるだろう。
そうじゃないと言っても誰も信じない。
自分が初めて目指したいと思った医学の道。
その道に終わりはないが、まだ始まってもいない。
その道に行くために進んだ医学部。
そのために、時間を惜しんでも勉強をして疲れても、まだ体感した事のない達成感を味わいたかった。
ハニが自分を見て笑ってくれれば、どんな事でも乗り越えられそうなのに、最近のハニは笑っているのかさえスンジョは分からなかった。

「どうしたのか・・・目標に向かって進んでいるのに、霞がかかった空のように気持ちが晴れない。」
自分の道を見失わないように、勉強をしていればそれでいいと思っていた。
それなのに、勉強を必死でしてもはっきりと道が見えていない。
道が見えていないのはいつからだろう。
ハニと喧嘩をした時から見えていなかったのだろうか。
それよりももっと前から見えていなかったのか。

冷静に頭を働かせなくても簡単に心を落ち着かせる事が出来たのに、ベッドに横になって眠りに就こうとしても眠れず心は落ち着かなかった。






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