大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2018年03月

運命の人 58

ハニが見ているのはボートに乗っているカップルや家族ではなく、弱い風でも表情を変える水面。
その揺れが自分の今の心の揺れのように、分かるか分からないかの風でも変化している。
池の底が見えるはずもないのに、その池の底を見てみたい気持ちもあった。
それはスンジョの心が見えそうで見えないのと同じだった。
池の底を見ようと思って覗き込めば、その中に落ちてしまう。
池の中は落ちてしまうが、スンジョの心は落ちるどころか覗き込む事さえできない。
覗き込まれることを拒まれているのなら、諦めてその対象を変えるしかない。

「変わらなきゃ・・・分かっていた事じゃない。スンジョ君が私の事を嫌いだって分かっていた事じゃない。それなのに、時々優しくされたりするから勘違いをして、変に期待をしてしまって・・・・振り向いてもらえなくてもいいと思っていたのに、同じ家で生活をしていたからそんな事も忘れてしまっていた。諦めるのじゃなくて、私の考えを変えなきゃ・・・」
フラフラとベンチから立ち上がったハニは、この公園に来た時と表情が変わっていた。
まだ元気になっていないが、どこか悟った要は表情だった。

高校の入学式に一目ぼれをして5年。
そんなに簡単にすっきりと忘れる事が出来るはずなどなかった。
忘れるはずなど出来なくても、ハニは何かを決心した表情をしていた。
きっとその表情をギドンが見たら驚くだろう。
一度も見せた事のない表情だったから。


「ふぅー・・・よしっ!」
ハニは大きく深呼吸をして気持ちを整えると、門の扉を勢いよく開けた。
そこから見上げるキッチンの窓にグミが夕食の準備をして動いている姿が見えた。
急ぐようにして駆け上がると、何もなかったように明るい表情を作って玄関のドアを開けた。

「ただいま帰りました。」
「お帰りなさい。おやつがあるけど、すぐにお茶を用意するわね。」
「おばさん、ランチの時間が遅かったのでおやつはいらないです。着替えてきてすぐに手伝いますね。」
明るい笑顔に戻っていたハニの顔を見て、グミはホッとした笑顔を見せた。
「よかったわ、早く元気になってくれて・・・スンジョもハニちゃんのあの明るい笑顔を見て、ユン会長の孫娘とのお見合いの話を考え直してくれるといいのだけど・・・・」
ユン会長の孫娘とのお見合いを認めたくないのは、スンジョがハニのお陰で随分と変わった事と、ハニに対してどんな気持ちでいるのか母親として分かっていたから。





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運命の人 57

ギドンの店を出てからハニはすぐにペク家に戻らず、思いつめた様子でフラフラと歩いていた。
どこに行く当てもなく歩いていたのに、気が付いた時にいた場所は大きな池のある公園だった。
夕方の公演は家族連れよりもカップルが多かった。

「どうして、この時間に公園に来たのだろう。」
家族連れが多い時間なら何もこんな事を考える事はなかった。
池のほとりのベンチに腰掛けると、懐かしい出来事をフッと急に思い出した。
この公園はスン所との思い出の公園。
スンジョとの思い出は、いつも嫌味を言われたりからかわれた思い出もあるのに、数少ない楽しい思い出の方がハニの心の中にしっかりと記憶されていた。

「あの時は楽しかったな・・・」
大学に入って数週間たったあの時は、スンジョとヘラが同じ学部で授業を受けていた。
その時の授業のテーマについて話をしていた延長で、街を歩き映画を観に行く事になった。
ハニはその後を尾行した。
ばれていないつもりでばれていたと後で分かったあの時、ちょっとしたトラブルでスンジョは一緒にいたヘラではなく、尾行をしていたハニの手を取ってその場から逃げた。

「このままどこかに行こうか。」
とスンジョが言いだしたものの、どこに行ったらいいのか分からない二人が行った先がこの公園だった。
恋人気取りでこの公園の池の貸しボートで、短い時間だったけどお互いに素直な感じで短い時間を過ごした。
動くなというスンジョの言葉を無視して勢いよくハニが立ち上がった時、船が大きく揺れて転覆をした。
転覆をすれば誰でも池の中に落ちてしまう。
ずぶぬれになった二人は当然このままでは家に帰る事は出来ないと、日がよくあたる場所で休んでいたが、くしゃみを一つしたハニを見てスンジョは一旦その場から離れた。

「何か着替えになる物を見て来る。」
レンタルで着替えを貸してくれる場所なんてありはしないが、いくら機構がよい時期でも濡れたままではいられない。
公演の入り口付近で中に入る時に見かけた露天に安いTシャツが打っているのを思い出したスンジョはその店に着替えになるシャツを買った。
しっかりと濡れた体を、いくらシャツだけ着替えても体を温かくすることは期待できない。
そこから少し離れた所にあるバーガーショップまで全力で走って、ハンバーガーと温かい飲み物を買って程って来た。

数十分の出来事なのに、ハニの中ではその時の幸せな感じが何十年にも思えた。



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運命の人 56

息の詰まる遅い時間の昼食。
いつもはペロリと食べられる父のククスが、半分も食べる事が出来なかった。
「何のためにハニに一緒に食べようと誘ったんだ!」
熱いお茶をハニの目の前に置くと、ジュングを怒りをぶつけるように言った。
「ハニがずっとあいつに片想いをしているのを知っているのに、冷徹な男だと分かっているけどあそこまで冷徹だとは思わなかったよ。」
ここにミナたちがいればそれに同意しただろう。
同意したらそれはそれで、ハニに付いた傷はさらに深くなる。

「ジュング、そこまでにしなさい。ほら、厨房が忙しいから中に入れ。」
ギドンはさっきのスンジョがした事に怒りを表していたジュングを抑えた。
娘の悲しいというより苦しい表情を目の当たりにすると、父として何を言ったらいいのか情けナコと似分からなかった。
恋の悩みは医師の治療や、診察診断をして傷をいやす事は出来ない。
時間が経てば自然と治る物でもないが、それしか解決をするしかなかった。

「ハニや、辛いか?」
父のその言葉に、今まで涙を流さなかった娘の大きな瞳からポロリと流れた。
「泣き。なさい。泣けばいい。泣きたいのを我慢をしていたら辛いのは自分になるよ。」
うんうんと頷くと、涙がテーブルの上にいくつも落ちた。
失恋で傷付いている娘に、何もしてあげられない事がギドン自身は辛かった。
これはどんな親でも同じだ。
一途に思い続けていれば、その恋が叶う事が出来ないと分かればショックも大きいだろう。
父としてどうしてあげればいいのか、答えは決まっていてもそれを今まで言い出せなかった。

同じ屋根の下で暮らしていれば、顔を合わせる事もあるのは当たり前。
相手の姿を見たり、その声を聞いたりするのも辛いだろう。
逆に同じ家にいて、姿が見えなくても余計な事を考え付く娘は、ますます深い溝に落ちて行く事も分かっていた。
「そろそろ潮時かな・・・・」
父は少し冷たい水で野菜を洗いながらポツリと呟いて、店のテーブルに付している娘の姿を見た。

「ハニ、店が立て込んで来る前に顔を洗って手伝ってくれないか?」
今はそう言って気を紛らわせるしか出来ない。
きっと店を手伝っていれば、辛い事や悲しい事を忘れる事が出来るだろう。
フラフラと立ち上がり、厨房の入り口にかけてあるエプロンを付けると、紙を一つにまとめて手を洗った娘を労わるような目でギドンは見つめていた。



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運命の人 55

自分の後ろを歩くヘラとスンジョが、時々何かを話しているのを感じながら歩くのは、スポーツの試合で対戦相手の地域に言ったように居心地が悪い。
ひそひそと話す声のほとんどは、ヘラがスンジョに話しているがスンジョからハニに何か話す事はなかった。

「ハニ、まだなの?」
普段からあまり歩く事のないヘラは、思ったよりも歩かなければいけない場所だと分かると、少しイライラとしていた。
「もう少しだよ。」
ハニではなくスンジョが答えた。
ふたりの見合いがなければハニは『いつも車ばかりで歩かないし、そんなかかとの高い靴だから歩けないのよ。』と言い返していただろう。
とてもそんな事を言う事も勿論思う事もハニには気持ちの余裕はなかった。

「ここ・・・私のパパのお店・・・」
「へぇーそうだったの・・・意外ね。」
ヘラはハニの父が料理人だと知っていたが、人気のククスの店を経営しているとは知らなかった。
ハニがいつもよりも少し弱い力で店のドアを開けると、ドアベルが鳴ったのと同時にジュングの大きな声が店に入って来た3人を迎えた。
「いらっしゃ・・・ハニ、それにペク・スンジョとユン・ヘラ・・・・」
ジュングの声にギドンは厨房の奥から挨拶に出て来た。
「ハニにスンジョ君・・・そちらのお嬢さんは?」
ハニはスンジョが見合いをした事を父にもジュングにも言っていなかった。
親友のミナとジュリには話していたが、それを父親のギドンに言う気持ちにはなれなかった。

「彼の婚約者のユン・ヘラです。」
スンジョが自分を紹介したがらないでいる事で、水から自分がスンジョの婚約者だと言って挨拶をした。
「婚約者・・・・そ・・そりゃ・・いつまでも店先に立っていないで、一番奥の席に案内してあげなさいハニ。」
「おじさん、ハニもまだ昼食を食べていないので一緒にいいですか?」
チラッとギドンはハニの方を見て、ヘラの様子を窺うように見た。
「スンジョ君と婚約者のお嬢さんがよければ・・・」
いいも悪いもハニの口からは言えないが、ヘラはスンジョの横が自分の場所だと思っているからなのか堂々としている。
「私は構わないわ。スンジョも気にならないわよね?食事を誘ったのだから一緒のテーブルでも。」
相変わらず上から目線の人を見下す言い方に、ハニの傷付いた心はもっと傷付いた。

「ほいよ・・そっちも・・・」
出来上がったククスをヘラの前とスンジョの前に、少し乱暴に置いた。
ふたりから集中を話したいハニは、二人よりも早く食べ始めた。
「空かんなぁ、世間知らずのお嬢さんは。ククスはこうして食べるんだ。」
ハニの思いを知っているジュングは、ヘラに対してスンジョに対する時以上に冷たい言い方をしていた。




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運命の人 54

パパのお店に行こうかな・・・・

ミナとジュリと予定が合わず、ひとりで家に帰る事も辛くて学校を出てからフラフラと街中を歩いていた。
バイトも体調不良を理由にして休む連絡をした。
小学生の頃から仮病を使って、学校を休んだりした事はなかったが、何事もなかったようにしていられなかった。

明日はちゃんとバイトに行かなきゃ・・・

明日は明日はと毎日思っていても、身体が行こうという気持ちになって行かない。
だからと言って休んだままでいる事はいけない事は、ギドンがアルバイトが役に立たないと言っていた事をよく耳にしていたから気にはなっていた。
ギドンの店に向かいながら、ショーウインドを眺めて歩いていた。

ドンッ!!

「きゃっ!」
誰かにぶつかり、ぶつかった相手が持っていた荷物とハニの荷物が歩道に勢いよく落ちた。
「ごめんなさい、考え事をして歩いていました・・・すぐに拾います。」
荷物を拾っていると視界に入る二人の足元。
女性は高級そうなパンプスを履き、もう一人も高級な靴を履いた男性。
恋人かカップルにぶつかったのだとハニは思った。

靴・・・スンジョ君が履いている靴と似ている。
そんな考えが浮いた時に、女性の方が声を掛けた。
「ハニ?ハニじゃないの?」
その声にビクッとしたハニが顔を上げると、デート中のヘラとスンジョがそこに立っていた。
「偶然ね。今彼に買い物に付き合ってもらったの。」
【彼】という言葉が、特別な意味を持っているように聞こえる。
「これから彼と食事をしようと思っているのだけど・・・・」
ヘラが言い終える前にスンジョが何か言葉を遮るようにしてハニの様子を窺うように目を見て聞いて来た。
「一緒に食べないか?」

その言葉に『どうしてそんな事が言えるの』という思いが沸いたのはハニだけじゃなくスンジョも同じだった。
聞かれた方が困るのに、聞いた方も言ってからその先どんな態度でいたらいいのだろうと考えた。
「この辺にというか、歩いてお店に言った事がないから分からないのだけど、このグルメ雑誌に書いてあるお店に行きたいの。ハニ、あなたは分かる?」
ヘラが指をさした店は、ハニがよく知っている店だ。
「こっち・・・」
出来るだけ二人を見ないように、ハニはヘラが行きたいと言った店の方に歩き出した。

ヘラのパンプスのかかとの音と、スンジョが歩く靴の音が、調和の取れた演奏のように聞こえる。
ふたりが自分の後姿を見ているのだと思うと、ハニの背中がその視線を拒絶しているような気がした。



 
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