大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2017年12月

糸 101

出張の荷物をまとめている自分の姿を見て、動かないでいるハニの様子にスンジョは気が付いた。
「どうかしたのか?」
「えっ!何が?」
あわてた様子ではなく、ただ驚いた様子を見てスンジョは手を休めてハニのそばに来た。
何も言わずにハニを抱き締めると、長い髪を片手に纏めた。

「ごめん、オレが気が付かなかった。ギョルと会って今日は話して来たんだよな?」
小さくビクンと体が反応した事を、スンジョは感じ取ったが特にそれに対しては疑問を持たなかった。
「大丈夫だった。火事の時の事を思い出しても、この間みたいに倒れなかったし、普通にギョルに話せたよ。」
「そうか・・で彼は何て言った?」
「私と話した事で、お母さんが言った言葉を思い出したって・・・」
「そうか・・」
スンジョの愛が伝わって来るぬくもりに、ハニは心の奥にある言葉を言い出せない。
「それから・・・」
「それから?」

一番スンジョに聞かなければいけない事を言うのが、一番言いにくく感じる。
きっとスンジョは気持ちよくそれについて応えないだろう。
言わなければいけない、自分自身もそこに行ってスンジョとこれからの人生を明るく昔みたいに冗談を言って過ごしたいから。

「全・・・全羅南道に行くって・・来週学校に行かなくてもいいからって・・」
「気持ちを切り替えるのにちょうどいい休暇だ。」
どう言おう・・・どう言おうじゃない。
ちゃんと自分の考えた言葉で、素直に言えば大丈夫。
「私も全羅南道に行って、ユン・ハニさんがすごした場所に行きたい。スンジョ君・・」
「いいよ。来週は無理だから、オレの長期休暇とハニの学校が休みだった時に一緒に行こう。今回はオレの出張が入ったから行けないけど。」
「そ・・・そうだね・・・」

結局ハニははっきりと言えなかった。
ギョルと一緒にスンジョ君も行かない?と・・
聞いたにしても、出張があるから個人的な事で取りやめるわけにはいかない。






人気ブログランキングへ

糸 100

「そ・・それは・・・」
「深い意味はない。お前のそのつらい過去との決別と、オレの父親違いの姉への誤解を解くために一緒に行こうと言っている。ま・・・旦那に聞いてからでもいい。」
スンジョ君は反対するだろうか。
でも、ギョルを信用して二人で行く事をこの場で決めてもいいかもしれない。
過去との決別で、私があの家事の事を思い出す時の精神的な負担が亡くなれば、それが一番スンジョ君と幸せになれる気がする。

「いつ行くの?」
「来週から一週間休みになる。その時に一泊で行けば行けると思う。」
一泊という事は、泊りがけだ。
どうしよう・・・

ハニはどう返事をしようかと迷った。
行ってはいけない気もするし、心の中に硬い塊のように残っていた【ユン・ハニ】と言う名前の人との苦しい思い出を終わりにする機会でもあった。
スンジョに話せばスンジョが嫌な思いをする事は分かっている。
でも、返事は当たり前だけどこういうしかない。

「すぐに返事をしなくてもいい?」
「いいよ。お前は既婚者だから、旦那以外の男と一泊で行くのはまずいからな。旦那と一緒に来ておまえが幸せに暮らしていると報告をするのもいい。」
「そうだね、家に帰ってからスンジョ君と相談をして返事をするね。」
迷う事はなかった。
ちゃんと自分の考えを相手に伝えれば、相手は不機嫌にもなる事はない。
こうして迷って伝えないでいると、変に誤解をしてしまう事は分かっている。
ギョルとの間の絡まっていた糸は解く事は出来たが、自分の中の絡まってしまった【ユン・ハニ】との糸は、まだ解く事が出来なかった。

その日は、ハニは一人で大学から家に帰る日だった。
帰路のバスの中で、ハニはスンジョにギョルとの話をどう伝えたらいいのか迷い始めていた。
最初は今日ギョルにちゃんと話が出来た事を、その次にギョルと一緒に全羅南道に行ってもいいか。
勿論、そこに行くのはスンジョにも一緒に行ってほしいと言うつもりだった。

「ただいま帰りました。」
「ハニちゃん、お帰りなさい。スンジョが帰って来ているわよ。」
「スンジョ君が?」
今日は一緒に帰る事が出来ないと聞いていたし、自分よりも早く帰って来るとは思っていなかった。
全羅南道に行く事を、スンジョにどう話していいのか考えがまとまっていない。

部屋のドアを開けると、スンジョが何か忙しそうに用意をしていた。
「スンジョ君・・・」
「あぁ・・お帰り。」
「どこかに行くの?」
「急な頼みで出張になったんだ。」
出張は時々あるが、ハニの方を見る余裕もないほど忙しくしているスンジョを見た事がなかった。
「いつから行くの?」
「明日の朝早く迎えの車が来て2週間の出張だ。」
2週間・・・
「研修も兼ねているから、ハニと連絡が出来る時間は深夜近くになる。困った事があったらメールしておいてくれるか?返事は遅い時間になるけど。」
スンジョが出張になってしまったら、全羅南道に一緒に行く事は出来ない。
そこまで行く事が出来る時間は来週しかなかった。





人気ブログランキングへ

糸 99

深呼吸をゆっくりして、スンジョ君の顔を思い出して・・・・
目を閉じてハニは、自分の心を落ち着かせた。
目を開けて閉じる前と変わっていない場所とギョルの声。
もう大丈夫だ、ちゃんとあの時の事が言える。

「悪かったよ、辛い事を思い出させるような話をさせて。」
「ギョル・・・・」
ギョルは優しかった。
スンジョがハニと心が通じるようになった時と同じくらいに、優しく感じるのは心が通じたからなのか。
「お前って不思議な女だな。」
「そうかな?」

「オレの嫌いなタイプなのに、それまでは嫌いなタイプの人間と関わる事を避けていのに、お前の方から関わって来た。お袋に対して『どうして今目の前にいる子供を愛してくれないのか』と死の間際まで思っていたし死んでからも思っていた。父親違いの姉も憎かった・・・に悔いと言うよりも、妬ましく感じていたのかもしれない。付き合いの長いミンジュたちが、お前と仲良くしているから嫌いなタイプで出来れば関わりたくないからと言って避けていた。あいつは好きなタイプの人間じゃないから仲間から離れるとは、子供じゃないから言えなかった。」

スンジョから聞かされている私の最初の印象と、ギョルの話の中に出て来る私に対しての気持ちが重なった。
心の中でギョルと私が気持ちを許せるようになった表れなのかもしれない。
「本当にお前は不思議な女だ。忘れていたお袋の言葉まで思い出させてくれて。」
「お母さんの言葉?」

「縁と言う物は、見えない所で糸と糸で繋がっている。ギョルの父親と出会ったのも糸に導かれてなのかもしれない。前の夫と別れてしまったけどギョルの父親と出会うためかもしれない。結局お前の父親とも正式な結婚はしなかったのに、お前を授かったのはおいて来た娘の代わりとして育てるようにと神様がそう命じたのかもしれない。いつかお前と繋がっている糸が置いて来た娘の所まで辿って行けたら伝えてほしい・・・・母さんはお前を置いて出て来た事を悔やんで毎日過ごしていた。お前とよく似た息子の成長を見ながら母さんは、見る事の出来ないお前に懺悔をしている気分だ・・・・・・それも伝えてほしいと言っていた。」

穏やかなギョルの表情に、ハニは自分が乗り越えた事が出来たと思った。
それと同じように、ギョルも母親や父親違いの姉への気持ちを換える事が出来たのだと思った。

「全羅南道に一緒に行かないか?」
ギョルのその一言に、ハニは一気に現実に引き戻された気がした。




人気ブログランキングへ

糸 98

ユン・ハニさんとは年齢が近いと言っても私より4歳年上だけど、彼女の明るくて活発なその雰囲気が数分で気を許せるようになった。
スンジョ君との別れの前までの私と似ていたから、気を許せるようになったのかもしれない。
部屋でお酒を飲んで雄弁になったユン・ハニさんが話した生い立ちは、私とは比べられないほどの悲しい子供時代の話を明るく話した。
自分は母親に捨てられた。
酒飲みの父親と一緒に暮らしていた時は、母を恨む事で頑張れた。
でも、自分が縁あって結婚し母親になってから、母を恨む事はなくなった。
どこかで生きていて誰かと再婚をして、幸せに暮らしていたらそれでいい。

ハニは【ユン・ハニ】と話した事を思い出しながら、あの火事の時の事がチラチラと見え隠れしてくると冷や汗が出て来ているのに気が付いた。
大丈夫、ここを乗り越えなければ私に戻れない、そう心に活を入れて火事の時の事を話す事にした。

「ハニさんと最後に話した事は、まだその時の火事での記憶が蘇っていないから全部ではないけど、はっきりと覚えているのは『会えるのなら母親に会いたい』と、言っていた事。でも、彼女は亡くなってしまった。私と入れ替わって【オ・ハニ】として引き取られて・・・その5年後に入れ替わっていた事が分かって・・・・・彼女の旦那様と子供が眠るお墓と同じ場所に・・・・」
ガタンという大きな音がして椅子から床に滑り落ちると、ハニは足に力が入らずにしゃがみ込んだ。
しゃがみ込んだハニを心配してギョルは両脇に腕を差し入れて、いったん立ち上がらせて椅子に腰かけさせた。

「もう・・・いいよ。本当は、知っていた。」
「知っていたの?」
「お前が言った事全部じゃないけど、母親宛に手紙が来ていたから。勿論、その手紙が来た時はお袋は他界していたからオレが自分の目で見た。父親違いの姉がいた事は知っていたけど、結婚した事は知らなかった。婚家の親から、どういう伝手で住んでいる住所がわかったのかは知らないけど、前の夫の間に出来た娘は亡くなった事を知らせる手紙。遅くなったのは名前が同じ女性と何かの手違いで入れ替わっていたためだと書かれていた。」
ギョルがどうハニに言うのか、不安で誰かにそばにいてほしいという気持ちが働いた。

「看護学科にお前が来た時、名前を聞いて『コイツが』と言う気持ちがわいて、それまでオレの事よりもおいて来た娘の話ばかり聞かされていたから憎んでいたのが、お前を見たらお前が憎かった。」
ハニは静かに目を閉じて大きく呼吸をした。






人気ブログランキングへ

糸 97

もう大丈夫。
不思議とその気持ちは自分に言い聞かせるのじゃなくて、大丈夫だという自信だとはっきりと言える。
試験開始前にギョルに言った事を後悔をしていないし、大丈夫だと言えるのは【ユン・ハニ】の事もそうだが試験以外の事が頭にあるのに試験も大丈夫だという確信が持てた。
それがどうして確信できるのかは分からないが、身体の奥から自分に自信が持てる力が湧いていた。
スンジョがいてくれるから、そんな気持ちになっているのかもしれない。

「待たせたな。」
結局ギョルと待ち合わせた場所は、この間から使っているラウンジにした。
その方が、ミンジュやへウンたちに変に誤解をされたくないから。
それよりも、そこでギョルと話をしている事がスンジョ君も知っているから、もし何かあったら駆けつけてくれると言っていたかから。

ギョルが向かい側に座りハニの目を見ると、その強い力に戸惑ったが『大丈夫』と自分にそう言言って最初の言葉を話した。
「この間の続きを言う前に、私の事を話してもいい?」
「その話が必要なら聞いてもいい。」
「必要かどうかわからないけど、それを話した方が後から説明をしなくてもいいと思う。」
「それなら、どうぞ・・・」
一度ハニは目を閉じてから、呼吸を小さく一・二度整えた。

「私・・・5年前に家を出たの。事情があってその時付き合っていたスンジョ君と別れなければいけなくなって。でも、付き合っていたのは誰も知らない事で・・・・・」
「そんなのはオレに関係ないだろう。」
そうギョルが言う事は分かっていたが、それを言わないと話せない事でもある。
「ううん、関係があるの。スンジョ君と別れるのなら、自分がその別れを受け入れるために、思い出の温泉宿に行こうと思った。別れられない理由もあったけど、それは私がギョルに伝えたい事には関係がないから話さない。」
スンジョの子供を妊娠していた事を、ギョルに話す必要がないし話したくはなかった。
あの子供を産む事が出来なかった事は、自分の中で一番悲しい事でまだ心の整理がついていないから。

「突然訪れたりしたら宿が宿泊できる部屋がないって・・・・当たり前と言えば当たり前だけど、そんな時に【ユン・ハニ】さんに声を掛けてもらった。」
ユン・ハニとの出会いは、一度簡単に話をしていたから不安はなかった。
そこまでを話したら、頭の中は蘇るのはあの火事の時だった。





人気ブログランキングへ
ギャラリー
  • お知らせ
アーカイブ
美容室美容院レーシックfx 口座開設美容整形キャッシング
デリヘルデリヘル 求人里親 募集求人情報美容室裏dvd保険出会い出会いエステ美容整形クレジットカード消費者金融
アクセスカウンター
キャッシング社長ブログseothink tank医薬品 買取ブログパーツお見合い結婚相談住宅ローン
アルバイト情報海外サーバー海外サーバーアクセスカウンター無料ブログカウンターオンラインカウンター借金時計ページランクアダルト動画
アダルト動画 比較裏dvd裏dvddvdレンタル 比較有料アダルト動画 比較月額アダルト動画 比較出会い系サイト 比較ライブチャット 比較裏dvd
ブログカウンター無修正dvdフェラチオキャバクラデリヘル風俗
無料カウンターデリヘル 求人高級 デリヘルキャバクラ 求人借金時計プロバイダ 比較ウォーターサーバー 比較レンタルサーバー 比較クレジットカード 比較生命保険 比較
etcカードエステ脱毛インプラントホームページ製作ドメイン取得化粧品 サンプル自動車保険 比較学資保険 比較おまとめローン 比較キャッシング 比較証券会社 比較fx 比較fx口座開設 比較
無料アクセスカウンターフレッツ光 auひかり 比較fx 初心者誕生日 プレゼント
東京 デートスポット消費者金融 一覧銀行 口座開設アクセスカウンター無料カウンターページランククレジットカード ランキング生命保険 ランキング自動車保険 ランキング学資保険 ランキング育毛剤 ランキング証券会社 ランキングプレゼント ランキングクレジットカード おすすめ
bto パソコンエアコン 工事エアコン クリーニング給湯器 交換犬 里親猫 里親エアコン 取り付けエアコン 取り外しガス給湯器 交換ホストクラブ新宿 デリヘル新宿 デリヘル歌舞伎町 キャバクラ渋谷 デリヘル


バラが降るオルゴール


  • ライブドアブログ