大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2017年10月

糸 40

ユン・ハニさんは、自分の荷物を片付けると部屋に備え付けのポットで湯を沸かしてお茶を淹れてくれた。
ポットに水を入れ、湯を沸かしお茶を入れる手際はとてもよく、入ったお茶は香りを損なわなく熱くなくすぐに飲めるが体の芯まで温まった。
彼女は、別に不通に淹れただけだと言ったけど心が籠っていればそれがその日に伝わるとだけ言った。

「ね・・・あなた、名前が同じよしみで聞くけど・・・・家出をして来たの?」
「どうして・・・・」
「顔に出ているわよ。家を出て誰もいない所に行こう・・・そうでしょ。」
ユン・ハニの瞳は黒曜石のように真っ黒でキラキラと輝いていた。
「高校生?」
「21歳です。」
「若く見えるね。私は24歳、全羅南道出身で家族はいなくて天涯孤独。大学は出ていないけど、ソウルに出て仕事をしようと思っているの。」
家族もいない天涯孤独なユン・ハニは、そんな風に見えないくらいに明るく声が弾んでいた。
まるで彼女の中には、天涯孤独は生きて行くには左程必要じゃないような感じに見えた。

「同じ名前同士、仲良くなろうとは言わないけど、悩みがあるのなら話してみたら。ここにいる間だけは友達よ。」
「妊娠しているの・・・・」
「やっぱり。」
ハニは顔を挙げてユン・ハニを見た。
さっきとは違い、悲しそうな眼をしていた。
「産めない子供・・・だよね。分かるよ、私もそうだったから。」
「ユン・ハニさんも?」

「両親が早くに亡くなって、親戚の家で育ったの。親戚と言っても血縁関係があるのかさえ分からないくらいに遠縁だけどね。そこの息子とお互いに好きになって妊娠した。一人息子で大切に育てたのにって・・・その息子の両親に怒られて、子供を堕ろせって言われてさ・・・」
「堕ろしたの?」
ユン・ハニは首を横に振った。
「産んだよ。産んだけど、彼と子供と私で旅行に行ったその帰り道に事故で二人とも亡くなったのに私だけが生き残った。その旅行の時に使った宿がここ・・・息子と孫が死んで、厄介者の私だけが生き残って、親せきの家にもいられないからそれならソウルに出て仕事をしよう・・・そう思って出て行く前に思い出の場所に来たの。」
ユン・ハニが見せてくれた一枚の写真。
優しそうな旦那様と可愛い赤ちゃんと、幸せそうなユン・ハニの家族写真。
それは、最初で最後の旅行に来た宿の庭で写した写真。

「この部屋で、子供と彼と三人で寝た夜が懐かしくてね。私だけが生き残って彼の家に帰って…彼の両親は私を責めたい気持ちもあったと思う。でも、息子を勘当したばかりに事故に遭ったからと言って逆に気を使わせて・・・それが一番つらかった・・・あんたもその子を産むかどうか迷っているのなら、せっかく授かった命だから産んであげて。産まれておっぱいを飲ませた時に、つらい事もみんな忘れられるから。」
ユン・ハニは、妊娠した相手の事を何も聞かなかった。
聞かなかったけど、彼女の明るさに私はスンジョ君の事を忘れて一人で子供を産んで育てようと決めた。
ソウルに戻って、ちゃんとパパに話して妊娠の事はスンジョ君には言わないであの家を出て、パパにだけ住むところを教えてそれ以外の人には秘密にして暮らそうと思っていた。

「この指輪ね・・・このお腹の子の父親にもらったの。安物だけど、私の大切な物・・・・」
心労で食事をとっていなかったから指は細くなっていた。
つわりも始まって食べなかったのもある。
足湯に浸かっている時にスルリと抜けて湯の中に落ちた。
「私が取ってあげる。」
着ている物が濡れるのに、彼女は湯の中にもぐって探してくれた。
「着替えを取って来るね。」
濡れた服で足湯小屋から出れば、外の冷気で体が冷えてしまうと思って、部屋まで着替えを取りに行こうと小屋を出た。

その小屋の陰で一人の若い男性がしゃがんでタバコを吸いながら、電話の向こうの相手と言い争っていた。
何を言っていたのか分からなかった。
喧嘩をしているのなら、その人の話を聞いてはいけないと思ったから。

「分かったよ!!」
怒鳴るようにして煙草を茂みの方に投げたのが見えた。
「危ないなぁ・・・」
そう思ったけど、あの時まさかあんな事になるとは思わなかった。






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糸 39

「すみません、宿泊したいのですけど・・・2泊3日で。」
旅行でチェックインの手続きなんてした事がなかったから、同部屋を取っていいのかなんて分からなかった。
「こちらをお書きください。」
宿泊記録の髪を出されて、私は宿泊が出来るのだと思い何も考えずに記入をする事にした。
記入が終わると、部屋のカギを預かり宿の施設の説明を受けるとスタッフが部屋まで案内をしますと言われた。
その時に、ユン・ハニとハニはすれ違った。
彼女の声はよく透り離れていても、言葉が聞き取れた。

「今日から2泊3日で予約をしていたユン・ハニです。」
『私と苗字が違うけど同じハニと言う名前の人だ』そう思った時、何かフロントスタッフが慌てているような声が聞こえ、歩いている私たちの方に誰かが近づいた。


「グォンさんちょっとフロントまで戻ってください。」
グォンという名前のスタッフと一緒に、ハニはフロントまで戻る事になった。
何があったのだろうかというよりも、部屋の鍵でも間違えたのだと単純に思っていた。
「鍵を・・・」
カウンターの上に鍵を置くと、フロントスタッフは申し訳なさそうに頭を下げた。
「ありがとうございます。こちらの手違いで予約を頂いていたお客様と間違えまして、当宿は飛び込みでの宿泊はお断りをしているので・・・」
「そんな事を・・・それなら倉庫でもどこでもいいから・・・」
そんな事を言っても無理だと分かっていた。

「ホテルの受付の間違いじゃない。」
チェックインシートの上に、その人はボールペンを乱暴に置いた。
「私が来なかったら、名前の間違いに気が付かなかったでしょ?それに、どう見ても客室がいっぱいには見えない。それでも予約がいっぱいで泊める事が出来ないと言うのなら、私の部屋で一緒に泊めるようにして。ツインルームだからベッドは二つあるから。」

パッと見た目は、ハニと同じくらいの年に見えた少し勝気そうな女の人だった。
チェックインシートに書かれた名前を見たら【ユン・ハニ】と記されていた。

ユン・ハニとその時に初めて会った。
本来なら予約内容の変更は事前に連絡をしないといけない。
当日受付時に変更はホテルの人もトラブルに巻き込まれたくないからとはっきり言わなくても、それはハニにも当然の事だと思っていたし、逆に簡単にチェックインが出来た方が不思議だった。

「どうぞ~お金がないからいい部屋を取れなかったけど、女二人が泊まるには十分だと思わない?」
私以上に人懐っこい人がいるなぁとその時は思った。
明るくて人懐っこいのに、私以上に辛い思いをしていたと思ってもいなかった。






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糸 38

「これ・・・・」
ハニが鞄の中に入っていた手帳から一枚の紙を、スンジョの目の前に出した。
スンジョはそれが何かハニに聞かなくても分かっていた。

「最初で最後の写真。誰に似ているのかも分からないし、その子の体温すら感じた事がないけど、ずっと私の部屋のクローゼットの中に入れたままにしたリュックの中の学生証とい一緒にこの手帳に挟んでいたの。」
どうして誰も気が付かなかったのだろう。
いや、誰もハニのリュックを触る事をしなかったのは、ハニの死を信じられなかったからだ。
「病院に一人で行って、妊娠が分かった時、普通に結婚をしていたら嬉しくて飛び上がるんだよね。」
「ハニ・・・すまない・・」
「嫌味とかそういうのじゃないから。スンジョ君だけに責任があるわけじゃないよ。あの時は私も迷っていたの。産んじゃいけない子かもしれない・・・それよりも、どこかに行きたかった。どこかに行ってゆっくり考えたら、スンジョ君のお見合いも私の妊娠も夢かもしれないと思った。」

スンジョはハニの話を黙って聞くしかなかった。
あの時は、自分の事で精一杯でハニが何かに悩んでいる事に気が付いていたが、それが妊娠した事だとは気が付かなかった。
オレがヘラと見合いをして、ハニを裏切り傷つけたとただそう思っただけだった。

「じゃあ、どこで落ち着いて考えようかと思ったら、店で考え事をしたらパパが心配をするしジュングもいるからパパに相談もできない。勿論、ここの家で何か考え込んでいたらスンジョ君に気が付かれると言う前に、お母さんが私の妊娠に気が付く。お母さんに気が付かれたら、スンジョ君に知られてしまう。そうなったらヘラとのお見合い話はなくなって・・・・・お父さんの会社に資金を融通してもらえなくなる・・・・」

スンジョ君に迷惑をかけてばかりで、いつになったら迷惑をかけないようになるのだろう。
誰も知っている人がいない場所で、私が一人で行ける場所。
それが、スンジョ君と言った温泉宿だった。

予約なしで行っても泊めてもらえないかもしれない。
泊めてもらえなかったら、泊めてもらえなくてもいいから温泉にだけ入ってゆっくり考えよう。
だから、お財布と鞄ひとつでこの家を出て行った。
まさか家事に遭遇するとは思ってもいなかったから。

温泉宿は、観光シーズンじゃないから駐車場も車が数台停まっていただけ。
今でも温泉宿に付く間、何をどう考えていたのか覚えていないだけじゃなく、前にスンジョ君と言った時は車で行ったけど、電車でどう乗り継いで行ったのかも覚えていない。

「その時の記憶は戻らなくてもいいさ・・・ハニは自ら命を絶つ人間じゃないしそんな事を考えないだろ?」
「うん・・・・」
「エコー画像を置いて行ったのは、パパにちゃんと話をして産もうと決めていたのかもしれない。」
そう、診察をした医師は私の様子を見て、望まない妊娠だと思って話をしてくれた。
確かに望まない妊娠でも、スンジョ君と結婚が出来ないのだからスンジョ君に話さないで、この子を一人で産んで育てようと思っていた。
医師には手術はしません、産みますと言ったけど・・・・言ったけど考えをまとめたかった。






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糸 37

無言で診察室を出ると、後から診察室を出たスンジョがハニの手を握った。
「分かっていたの。前にパラン大病院で診察した時に聞いていたから。ふたりの先生が同じ診断ならどうにもならないよね。」
「ゼロじゃないと言っていただろ?」
ハニはスンジョの顔を見ないで俯いたまま首を振った。
「そうじゃないの。絶対安静は絶対に無理。やっと見つけた私の夢を実現したいから。」
本当は泣きたいほどに悲しい結果だった。

強くならなければいけない。
嫌な事から逃げたから、あの火事に遭ったのだから。
ちゃんとあの時スンジョ君に話していれば、何か方法があったとは思わないけど、もうこれからは嫌な事や辛い事から逃げ出したりしない。

何か目標を見つけたハニは、キラキラと輝いていて綺麗だった。
スンジョの知っているハニは、周りの空気を読まないで、楽しい事を夢見ている女のだった。
何がハニを変えたのか、それとも自分で変わろうとしているのか。
スンジョは、ハニのまだ知らない部分を見ているような気がした。

「な・・何を見ているの?」
「ハニの顔に見とれていた。」
意地悪でもなく、からかっている訳でもなかった。
スンジョは、ただ自分の動揺を誤魔化しただけ。
ハニの事を『綺麗だ』『好きだ、愛してる』と、言葉にして言う事はまだ出来ない。

「私が片想いをしている時に、そんな風に見つめられたかった。」
「あの時は、バカ丸出しの顔だったからな。」
「もぅ!意地悪!」
笑った顔のハニは本当に好きだ。

「ユン・ハニさんとね、色々な話をしたよ。たった2日しか一緒にいなかったのに、あの時はお互いに誰かに話がしたいと思ってたのかも。」
「随分、ハニを傷付けたからな。」
「今なら言えるけど、誰も気が付かなかったみたいね。私が病院で妊娠が分かった時のエコー画像を置いたままにしていた事。」
「置いたままにしていた?」
初耳だった。
ハニと正式に結婚をして数ヶ月経ったのに、今までそんな事を言ってくれた事はなかった。




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糸 36

二泊三日の新婚旅行は、私が約5年間過ごした釜山だった。
すぐ近くにジュングが来ていて、私を見たけどパパにそれを伝える事が出来なくて苦しかったと、プサンのお土産を持って行った時に聞いた。
たった5年と言う人もいるけど、私と私の周りにいる人にはたった5年ではなかった。
長くて暗いトンネルを抜ける事が出来たのは、私を待っていてくれる人たちが糸を引いてくれたから。

「ハニ、名前が呼ばれた。」
今日、ハニはスンジョと一緒にペク先生の診察を受けに来ていた。
リャンの妻として数回パラン大病院の産婦人科に通院したが、今回は不妊が専門のパク先生に診てもらう事になった。
パク先生は、不妊では有名な医師で、スンジョの口利きがなければ予約が取れなかった。
こんな時、普通の若手医師では予約を取る事が難しいが、スンジョのその優れた医師としての能力で取れたようなものだった。

「ワンさんから送られたカルテのコピーと、以前にこちらの病院で診察したカルテを見ました。死産が原因で流産をしたのではないですが、ゼロではないですが確率は低いですね。腰部が微妙にずれているので、それが正しい位置にあれば問題ないのですが、どうしても妊娠を希望されるのでしたら入院をして人工・・・・・」
「先生・・・分かりました。」
パク医師の話を途中で遮ったのはハニだった。
遮った言葉の後に、どんな言葉が続くのか言わなくても分かっていた。

「妊娠はゼロではないですよ。可能性が低いだけですから。」
「違います。看護学科に復学で転入学したので、入院は出来ないです。ほかの学生よりも遅れての転入学なので、これ以上遅れたくないので・・・すみません。」
スンジョが骨を折ってくれたのも分かっていたが、最終手段としての事を考えるのは嫌だった。
パク医師は特に不快になった顔はしていないが、逆にハニに大学を終えてからでも待っていると言ってくれた。

「ごめんねスンジョ君・・・」
「オレが、ハニに変に期待をさせてしまった。ゼロではないと言ったから、自然に任せてもいいと言う事だよ。ハニがパク先生に言ったように、今は大学を卒業する事が優先だ。」
望んでいない時に子供が出来たのに、望んでいる時に出来ないとは運がないで済ませるにはあまりにもハニが可哀想に思えた。
今日の結果も、結局は自分が自分の考えを正当化していたあの時の間違った判断が切れていなかったのだとスンジョは思った。




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