大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2017年09月

糸 9

学校に行く時も一緒に家を出て、家に帰ってくればバルコニーに並んで立っていた。
高校生の時に同居を始めてからその光景は続いているから、二人の関係がその頃よりも近くなったとは誰も気が付いていなかった。
ハニをからかったり怒らせたり、反対にスンジョをイラつかせたりしても、それも同居を始めてから続いていた事だった。

「ねぇねぇねぇねぇ・・・・・」
「オレはねぇか!」
スンジョを呼ぶ時に何度も『ねぇ』と言ってハニはいつも肩を叩いていた。
「じゃあ、何て呼べばいいの?スンジョ君にとって特別な相手になったのだから、親しみを込めて呼んだだけなのに・・・・」
「今までどおりでいいだろう。」
今までと変わった所は、お試し付き合いという言葉が取れただけで、二人の距離感は本当にグミですら気が付かないとあの時はそう思っていた。

「夏休みも近いし、アルバイトでもしようかと思って・・・・」
「すればいいだろう。」
そんな事をいちいち聞くなと言われているような空気が流れていた。
確かに学生とはいえ、成人した一人の人間だ。
気に入ったアルバイトを見つけたから、アルバイトをする事にしたと言うのならまだしも、これからアルバイトをしようと考えているだけなら自分一人で決めてもいい。
何にでもスンジョに相談をしなくても決められるが、特別な相手にしてみたいと言う子供みたいな考えをハニは持っていた。

「スンジョ君はアルバイトなんてしなくてもいいのでしょ?」
「どうしてオレがアルバイトをしなくてもいいと、お前が簡単に言うんだ。」
どうしてって・・・言われて答えようがなかった。
「長い夏休み期間、無駄に過ごすくらいなら親の脛をかじってお小遣いをもらうよりもいいと思うよ。
脛なんてかじっていないと言いたくても、それはそのままストレートな意味ではない。

「ギョンス先輩の知り合いで、ペンションをやっている人がいる。そのペンションで住み込みのアルバイトを探しているって聞いたから申し込んで通ったよ。」
「そこでアルバイトをするの。」
「まぁ、そういう事だ。」
そう答えたスンジョの意図は知らないが、ハニはスンジョと一緒にオシャレなペンションでアルバイトをして、もっと距離を縮めたいと思っていた。
同じテニス部と言うだけで、ギョンスにアルバイトを紹介をしてもらい、ハニもペンションで住み込みのアルバイトを始めた。





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糸 8

ヘラがギョンスと結婚をして、ハニがスンジョと結婚しても、まだ蟠りはハニの中だけにあった。
妊娠した事を言わなかった理由は、スンジョのためと思って言わなかっただけ。
自分といると、その優秀な頭脳をさらに伸ばす事が出来ないどころか、無駄にしてしまうと思ったから。

「『ずっと、オレの傍にいないか』と言った時のお前のあの顔が今でも忘れられないよ。いつも笑っていて垂れている目が、大きく見開かれて目が零れ落ちてしまうのじゃないかと言うくらいだった。」
まだあの時の事は二人とも昨日の出来事のようにはっきりと覚えていた。


「またまたまたぁ~そうやって、私をからかっているんでしょう!」
真剣な眼差しのスンジョに、ふざけてそう言うしかなかった。
大好きなスンジョからそう言われれば、本当に嬉しくて仕方がないのだけれど、心の準備が出来ていない。
「冗談でもからかっているわけでもない。恋愛なんて面倒で出来れば関わりたくないものだが、ハニとバカみたいな事を言って過ごすのも悪くないと思った。だから、お試しは終わりでオレたち付き合っていかないか?」
「恋人になるって事?本当の恋人になるって事?」
多少、スンジョが言った事に気になる部分があっても、それはスンジョがそういう言い方をする人だとしか思わない。
スンジョの欠点の一つは、自分の気持ちに気が付かずそれをどう相手に伝えていいのか知らない事。

「恋人に・・・って・・ずっとそばにいるって。」
信じられないスンジョの言葉に、ハニはどう答えていいのか分からなかった。
ただ、同じ言葉を繰り返すだけ。
「そのままの意味だ。」
そう言われたらこう考えるのが普通だった。
「け・・・結婚するって事?プロポーズ?」
「飛び過ぎだ、まだ結婚なんて考えていない。人に合わせるのが苦手なオレの、ただの話し相手だ。」
天国と地獄のような言葉にも思えたが、スンジョが心を許せる相手が自分だと思うと、結婚を視野に入れての付き合いじゃなくても、そんな事はどうでもいいのかもしれない。

お試しという部分が消えても、スンジョが心を許せて話せる相手と言うだけでも嬉しかった。
特別に『お試し』の時と、二人の間が近くなったと言う感じはなかったが、それでもスンジョから言われた言葉は、ハニにとっては『告白』と同じ事だった。





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糸 7

心療内科では特に何も聞かれなかった。
『記憶が無い時の事を思い出して、それが不安だったりしたらいつでも来るように』と、担当医に言われた。
確かに、当時の事を思い出すと不安になるけど、それは自分で乗り越えるしかない事ではあった。
誰も聞かないのなら話さないで置いたままにするのか、それとも話してすっきりさせるのか。
嫌な事を避けて通っても、結局は何も解決が出来ないし、本当の家族に慣れないような気がした。

心療内科の診察室から出てからのハニは、無口になっていたが暗い顔ではなかった。
「どうした?」
「私ね、スンジョ君がヘラとお見合いをしたと知った時、死んでしまおうかと思ったの。」
院内の会計待ちのフロアで話す事ではないが、順番が来るまでの間に少しだけ話そうと決めた。
「ハニ・・・」
驚いた顔で、何かを言おうとしているスンジョに笑いかけた。
「ちゃんと話せばよかったって、今はそう思っているよ。」
「無理に話さなくてもいい。」
「ううん、無理じゃない。もう逃げない事にしただけ。」
ハニの会計番号が表示されると、スンジョはハニをそこに待たせて支払うために立ち上がった。

全部を話そうと決めたが、まだ心の中ではどう話したらうまく伝わるのか、頭の中で考えるのが精一杯だった。
「どこかで話そうか。」
会計が終わってもいつまでもここにいる必要もない。
ここにいれば、スンジョを知っている人が通るし、プライベートな事をあまり公にしたくない。

どこで話をするのかはスンジョに任せて車の助手席に座ると、ダッシュボードから何かの招待状を出した。
「ハニが何か話すとは思わなかったけど、今から話す事に関連している事だ。」
封筒の差出人は『オリエントコーポレーション』。
ハニは驚いてスンジョの顔を見ると、中を見るようにと言っているような気がした。
「日頃の感謝の気持ちとして、小規模のパーティを開催・・・同伴は一人まで・・・」
「ハニが話そうとしている事に関連しているから、先にこれを見せてから話を聞いてもいいか?オレはこれを先輩から預かった。もう一通は親父の会社に来たからお袋もそのパーティに参加する。同伴一人までだから、ハニを連れて行くつもりでいる。オレの妻だから、それは普通の事だと思うし、その場で披露しようと思う。今からハニが話す事は、黙って聞くし何も責めたりしない・・が、最初にハニに謝っておきたい事がある。」
スンジョが人に謝る事は今まで一度もなかった。

「スンジョ君が謝るって事なんて・・ないよ。」
「いや、あるよ。ハニの心と体に傷をつけたのだから。」
「体に傷って・・・」
「無責任なオレの行動で、ハニが妊娠した事だ。妊娠をオレに言わなかったのだって、ヘラとの見合いが進んでいたからだろ?」
妊娠した事を言わなかった事は、確かにヘラとの見合い話が進んでいた事もあるが、ハニの中での理由は別の事だった。





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糸 6

「諸事情は同伴された方からの説明で、おおよその事は分かりましたが、通院していた病院の先生の書面と、その当時生活をしていた方のお話をお聞きしてから、編入学を担当している職員と会議をして決める事になります。出来れば死亡による退学の届け出をしたオ・ハニさんの保護者であるご両親と届け出ていただきたいのですが。」
面倒な復学をあまり受け付けたくないと取れる、窓口職員の話ぶりにハニは新しい生活に期待をしていた気持ちが萎えそうだった。

「オ・ハニは結婚したので、届け出は夫でもいいですよね?」
「それは勿論。既婚者でしたら、夫が保護者になりますから。」
「私ペク・スンジョとオ・ハニは夫婦なので、私とこうして来たのですから届けを出してもいいですね。」
目の前の復学手続き書類を封筒に入れて、スンジョは窓口職員にきっぱりと告げた。
「社会科学部に復学が出来るかは、人数枠がないとどうにもなりませんので、一応他の学部の人数枠を明記した書類もお渡ししますので、できるだけ早く提出をしてください。場合によっては学力確認のために試験を受けてもらう事になります。」
試験を受けるのは多少どころかかなり不安だったが、新しい自分になるために乗り越えなければいけない事なのかもしれない。

職員から受け取った封筒を胸に抱いて、後先考えずに飛び出した事を考えると、悔やんでも悔やみ切れなかった。
「心配するな。ちゃんと復学が出来るから。」
「うん・・・」
サイレントにしていたのか電話が鳴った音は聞こえなかったが、スンジョはジャケットのポケットからスマートフォンを出してそれに応えた。
ハニは仕事の話だと思い、自分の方に背を向けたスンジョの後姿を眺めていた。
ぼそぼそと電話で話をしている間、スンジョと共通の話題がないのは淋しくて不安な気持ちになった。

「ハニ、心療内科のハニを担当していた先生が、診療を完了にするから近くに来ているのなら診察室に来てくれないかと言っているけどどうする?」
「どうするって・・・どうしたらいい?」
「細かい事はオレが説明しているから、担当医の問診に応えるだけだけど、リャンさんとの事を聞かれても大丈夫か?」
ワン・リャンの妻として最初は心療内科医に通院をしていた。
医師は守秘義務があるから、患者の個人的な事を他言する事はないが、そうかといってすべてを話すのは記憶が戻った今はあの頃とは別の不安はあった。
心療内科の診察を完了にするためには、迷いはあってもそのままにしておくわけにはいかない。
この先、ペク家の嫁として生きて行くのだからきちんとワン・リャンの妻【ユン・ハニ】としての出来事を終わらせておかなければいけない。

「大丈夫、そのままにしておくわけにはいかないから。」
きっぱりとそう言ったハニは、昔の元気なころのハニの顔がチラッと見えているみたいだった。

病院の正面玄関から、もう何度も通った記憶のある心療内科の診察室に向かう。
よく見えていなかったときは、病院の中がこんなに人が多いと思わなかった。
スンジョを見ると、挨拶をしている人は職員がほとんどだが、時々スンジョが担当した患者が挨拶をする。
医師としてのスンジョの顔を間近で見ると、ハニは別の感情がチラッと浮かんだ。




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糸 5

風船がユラユラと、緩やかな風の流れに合わせるように動いていた。
その風船に繋がれている糸は、特別に太くもなく強くもないのに飛んで行く事がない。
風船をくれた女の子は弟が産まれたと言っていた。
好きな人と結婚をしたら、その人の子供を産みたい。
そうじゃなくても、女なら母親になりたいと思うのは自然な事。

「諦めたじゃない・・・・」
スンジョは、ハニがいるだけでいいと言ってくれた。
グミは、一度スンジョの子供がハニのお腹に宿ったのだからそれでいいと言ってくれた。
でも自分には一度も母親としての自覚を持った事はない。
新しい命が宿ったと知った時、嬉しさよりも迷いの方が強かった。
喜んでいたのなら、もしかしたら産まれたかもしれないと思う時もあったが、もう今となっては取り返すが付く事ではなかった。

トスンとベンチの横に誰かが座った振動で、ハニは現実に引き戻された。
「どうした?考え込んでいて。」
「何も考えていないよ。スンジョ君と、大学に復学が出来るか聞くだけなのに、なんだかデートの待ち合わせをしているみたいで、ちょっと妄想していた。」
「そうか・・・・」
白衣から私服に着替えても、スンジョのその容姿が人目を惹くのか、顔見知りの患者や病院勤務の人たちが挨拶をして行く。
「行こうか・・・」
さりげなくハニの手を取り立ち上がるスンジョは、夢を見ているくらいに優しくていつもハニを見ている。

「どうした?」
「優しすぎるスンジョ君に、戸惑っている・・・」
「今だけだ・・・ハニが復学出来る事になったら、鬼のスンジョに戻るから。」
そう言ってニヤッと笑っても、スンジョの本当の優しさを知っているから、たとえ鬼のスンジョになっても耐えられる。

パラン大病院からパラン大までは、病院の敷地内を通って15分ほど歩くと大学構内になる。
5年前と何も変わらないその風景。
テニスコートでは、学生たちが先輩の厳しい指導で汗を流していた。
「スンジョ君、テニスは今でもしているの?」
「たまに・・後輩を見に行っている。」
スンジョが歩いているのに気が付いた学生が、軽く会釈をした。
一人の学生が、立ち止まって見ているスンジョの方に駆け寄ると、フェンス越しに挨拶をした。

「今の部長だ。」
「先輩、今日は・・・」
スンジョが手を繋いでいるハニを気にして、チラッと見るが特に誰かと聞く事もしないが、明らかに気になる雰囲気だった。
「オレの妻だ。事情があって休学していたから、復学手続きに来た。今日は、悪いけどみんなを見る事が出来ない。」
「いつ・・・ご結婚されたのですか?」
「最近。公にはしていないから、気にしなくてもいいよ。」
卒業をしても、テニス部は先輩との繋がりを大切にしている。
これも『縁』と言う糸で、繋がっているからなのだ。


「復学ですか・・・・休学届けではなく、死亡による退学なので復学が出来るかどうか・・・」
思った通りだった。
そんなに簡単に復学が出来るとは思ってもいなかった。




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