大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2017年05月

あいたい 57

いつも決まった席に座る。
注文もいつも同じ。
「モカ・・」
話し方は、先日家に来た時とは違い、つっけんどんな言い方。
「ちょっと!」
ミヒュンは片手を上げて、店員を呼んだ。
「灰皿、持って来て。」
え?タバコを吸うの?

店員は急いで灰皿を持って来て、それをミヒュンの前に置いた。
バックの中からシガレットケースを出すと、手慣れた感じでタバコに火を付けた。
フゥーッと吸い込んだ煙を吐くと、誰かからの連絡が来たのか携帯のメールを確認していた。
グミは、今目の前でのミヒュンの行動をタブレットに打ち込むと、バックの中から手帳を取り出すと、ミヒュンの大学時代を知っている人から聞いた話を読み返した。


「彼女、見かけは大人しそうだけど、実際は結構な遊び人。美人だし成績も昔からよかったけど、同学年の女の子とは遊ばないの。両親も姉も真面目で控え目だけど、家でも先生の前でもいい子でいるのは苦痛だと話していたわ。留学している時も、親には内緒で複数の男性と結構親密な付き合いをしていたと聞いたわ。急に親に呼び戻されて帰国したけど、どうしてなのだろうと思ったわ。」
その話をしてくれた同級生は、中学から大学までずっと同じ学校だったから、結構細かな事まで話してくれた。

グミが自分で調べた事を読み返している時、店員がすぐ横を通った。
「あの・・・」
ミヒュンに聞こえないように小さな声で、店員を呼び止めた。
「はい?」
「小さな声で話してね・・・あそこでタバコを吸っている彼女・・・・いつもああなの?」
店員は、グミが射す方を振り向いて頷いた。
「はい、うちは禁煙ではないので特に声を掛けませんが・・・待ち合わせをする相手によって、タバコを吸わない時もありますよ。お相手の方が、きっとタバコがお嫌いなのかもしれませんね。」
相手によって使い分けているの?

「最近よく会っている方は、どこかのお医者様みたいですけど、古くから待ち合わせをされている方は、恋人なのかテーブルの上で手を繋いでキスをしている時もありますよ。」
そう言うと、何も知らない店員はグミの横から離れて行った。

「何なの?恋人って・・・スンジョじゃないわね。スンジョは人前で、手を繋いだりキスをしたりする子じゃないし。どこかのお医者様・・・の方がスンジョね。」
カランカランとドアベルの音が聞こえると、遊び人風の男が入って来た。
ミヒュンはその男の方に手を振ると、その男はミヒュンに笑顔を向けて近づいて来た。

「よぉ!」
「よぉ!じゃないわよ。決まった時間に家に帰らないといけないから、先に来て待っていてよ。」
「わりぃ!あっ!コーヒーをブラックで。」
グミはふたりの様子を、動画で写し始めた。






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あいたい 56

グミは今日も独りでカフェにいた。
変装をして出来るだけ見つからない場所で、一人の人物が来るのを待っていた。
昔に比べれば、あまり目立たなくなった変装を何年かぶりにしていた。
開いた雑誌を見るでもなく、何か思いつめた様子でコーヒーを飲んだ。
こうして、カフェで人を待つようになったきっかけの頃の事を、ここに来るといつも考えていた。
その一つは、夫のスチャンの言った事。

「実は、経理部長からミヒュンの事はあまり詳しくは聞いていないんだよ。信頼している経理部長だから、履歴書だけでも十分だと思って。仕事ぶりは申し分ないし、特に接客やアクシデントの対応は本当によく出来るんだよ。語学も堪能だし・・・・秘書としては、とても素晴らしい女性だよ。」
完璧な人間などいない。
何か一つ欠点はあってもおかしくない。
そう思っても、秘書として信頼しているスチャンにそれを言う事も出来ずにいたが、たった一言漏らしたスチャンの言葉が、雲をこんな行動に出すきっかけになったのかもしれない。

「上の娘さん夫婦に結婚して長いが、なかなか子供が授からなくて、海外に行っているミヒュンを呼び戻したんだよ。男性とお付き合いをしていたのかどうか知らないけど、誰とでも直ぐに合わせられる性格だと話していた。」

誰とでも?
冗談じゃないわ、スンジョのあの性格に合わせられる人はただ一人しかいないわ。
縁談の話しだって、スンジョが気に入ったから早く進んでいるのじゃなくて、ミヒュンがそう持って行っているのじゃないのかしら?

グミの考えは、先日スンジョが初めて家に連れて来て泊まった日から、それまでとは変わって来ていた。
いつもスンジョと待ち合わせをしているカフェに張り込んで三日目。
仕事時間中は、ミヒュンの身辺調査をしていた。
本当はこんな事はしたくはなかったが、親友から貰った資料を基に、ミヒュンの大学時代の交友関係を調べていた。
昔、ギドンが震度2の地震で家が壊れた時に、あらゆる手を使って連絡先を探した事があった。
あの当時とは随分と変わったが、地道にグミはミヒュンの情報を集めていた。

もうすぐハンダイの退社時間だから、あと15分くらいで来るわね。
グミは持参したタブレットを机の上に置いてスタンバイをした。
店員の話しでは、日曜日以外は毎日決まった時間に来店していた。
来店をして待ち合わせをして、少し話をして店を出る。
が、時々長い時間待ち合わせ相手と親しげに話しているという事だった。
ほとんど毎日スンジョと会っているが、仕事が休みの時や夜勤明けはスンジョはミヒュンと会っていない。
今日は、スンジョの仕事は夜勤明けで今頃の時間は自宅にいる。

来た!
グミはさり気なく、入店したミヒュンの姿をタブレットで写した。





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あいたい 55

「そう言う事だから、ミレイはおばさんを困らせないように待っていてくれないか?おばさんには、連絡を入れておいたから・・・・・今度春になったらみんなで行けばいいから、わがまま言わないで待っていてくれないか?」
ハニは、リャンの背中を見ていた。
見よう見ようとしても輪郭と着衣の色しか見えない。
声や足音でしかリャンだと判別できない自分が悔しかった。
何も記憶が無くなった自分が頼れるただ一人の人。
好きかどうかと聞かれれば、頼れる人としか答えられない。

「ミレイも行きたいって言っていたでしょ?」
「本当にミレイはハニが大好き過ぎて、留守番をするのが嫌だと引き下がらなかったよ。連れて行ってもいいけど、一度釜山に帰ってから行くにしても、ハニの体力が心配だからと言ったら、やっと諦めてくれたよ。」
年齢が近いからリャンよりもミレイと早く親しくなれた。
ミレイが姉のように慕い、ハニが妹のように可愛がっていた。
リャンが宿に宿泊の空きがあるか電話を掛けていた。
壁を伝って窓際に行くと、背の高い男性が歩いていた。
不思議とその男性の後ろ姿を見た時、急にその人が今の自分の視力ではっきりと一瞬だけ見えた。

何だろう。
あの人は確か、入院をする時に一度会ったけど、胸の深い所でザワザワとする。
それが何の感情なのか知らないけれど、思い出せそうで思い出せない・・ううん、思い出してはいけない事があるような気がする。

「ハニ?」
「え?」
「具合が悪いのか?」
「悪くないよ、どうして?」
「いや・・・・今、温泉宿に予約の連絡を入れたけど、今週末しか空いていないって。何だか知らないけど、旅行雑誌の特集で宿泊したいという問い合わせがあって大変らしい。」
4年前に火事になるまでは、毎年リャンはミレイと温泉で休暇を過ごしていた。
「今週末って、あと三日もあるよ。」
「それでも、無理を言って空けてもらったんだよ。4年も行かなかったのに、それまで毎年泊まりに来ていたからと言って融通を利かせてくれたよ。」
ハニはリャンが無理を言う人ではない事は知っていた。
その人柄で、どんな人もリャンの為ならと言ってくれている事は知っていた。

「明日の夕方に退院だけど、行く途中でハニを治療してくれた診療所で、当時のハニの様子を教えてもらおうと思って。私は、あの時ミレイがまだ小さくて、火事のショックで不安定になっていたから、あの診療所の先生にお礼も言っていなかったから寄ろうと思う。」
ひとつずつ前に進むために、不安ではあるけどひとつずつ辛い事も乗り越えて行かなければいけない。
断片的にも思い出せば、それはそれで良かったが、今のハニは断片的にも思い出せないでいた。





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あいたい 54

心の問題だった。
何か忘れたい事があって、生い立ちから火事の日までの記憶を自分で封印しているのが原因って・・何だろう。
それさえも、私は判らない。
「ハニ、明日の夕方に退院だって。」
「明日・・・予定通りだね。」
「大きな病院に来たから、他に診てもらいたい診療科があったら明日の朝受付けしておくよ。」
「怒らない?」
「ハニ、今は止めよう。ハニが見てもらいたい診療科は判っているけど、前回の流産からもう少し間を開けてからにした方がいい。今のハニは気持ちが焦っているよ。目が見えるようになりたい、無くした記憶を取り戻したい、早く子供が欲しい。一つずつ解決して行こうよ。」
不安だった。
目が見えない事も記憶が無い事も、原因が自分の心だとしても今の幸せな生活が続くのなら思い出せなくてもいいような気もする。

「リャンさん、私の目が見えるようになって、記憶が戻って本当の自分の住む所に帰りたいと言うかもしれないよ。その時はどうしたらいいの?」
「そこがハニのいるべき所なら、そこに戻ればいい。」
「そうなったら、リャンさんが・・私を助けてくれたリャンさんに申し訳ない・・・」
ハニの見えていない目が、本当は見えているのじゃないかと思ってしまいそうになるくらいに、黒い瞳がリャンを見ていた。

「助けたのは、私とミレイに縛り付ける為じゃない。怪我をした人や事故に遭った人がいたら助けるのが人間だ。それに、私は医師だよ。怪我をしたハニを助けて、私の病院で過ごして行くうちに、お互いに相手を必要と思う様になって結婚したと思っている。ハニが私に対して、助けてくれた恩として妻になってくれたのなら、それはとても悲しい事だ。」
「リャンさん・・・」
リャンはハニの細い肩に、その肉厚のある温かい手を軽く乗せた。
「大丈夫だから・・・あの温泉宿に行ってみよう。あれから改築して、今は普通に営業をしている。ハニと私とミレイが初めて会ったあの宿に行こう。もし時空というものがあったら、あの時と同じ季節だ。その目が見えるようになるかもしれないし、記憶が戻るかもしれない。どちらかしか治らなくても,それをきっかけにして少しずつ良くなると思う。」
リャンはハニを優しく抱きしめると、その温もりにハニは身を任せた。

「思い出す時に怖いと思うのなら、私とハニふたりであの宿に行こう。ハニの心の中に封印した物が少しでも開ける事が出来たら、その時にまた子供の事を考えよう。出来るだけ心に負担を掛けないで思い出しなさいと、教授が言っていたよね?ハニが過去の封印を固くしているのは、思い出そうという気持ちが心に負担を掛けているのだから。何も負担に感じるなと言う事は難しいけど、心を楽にしてみないか?時々見せてくれるハニの笑顔、あれはとても綺麗で私は好きだよ。ハニのその笑顔が、もっとたくさん見たいから、怖いかもしれないけど、もう一度あの宿に行こう。」
リャンがいれば、思い出したくない過去を思い出しても、辛くないかもしれない。
ぼんやりと見える優しいリャンの顔を、もっとはっきりと見たい。
新しい自分になる為に捨てた過去かもしれないけれど、この先見えないままで生きて行く方が、もっと辛いかもしれない。

辛い事も乗り越えれば、きっとそこにはまた別の幸せがあるのかもしれない。






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あいたい 53

廊下の先を歩いている若い女性と、その女性の付添と思われる30代後半の男性。
スンジョはその二人が心療内科の看護師に付いて歩いているのを、遠くから眺めていた。
さりげなく妻を支える手が習慣の様に添えられ、妻の手と添えられている反対の手がしっかりと握られていた。

「ペク先生、急患が搬送されて来ます。」
心療内科の診察室のドアが開けられ、入って行く二人の後姿を見て、スンジョは自分を呼びに来た看護師と一緒にその場を離れた。


「リャンさん、何を言われるのだろう。」
「大丈夫、何も心配する事はないよ。」
ハニとリャンは椅子に座って、心療内科の担当医と教授が来るのを待っていた。
不安だった。
ハニの不安は、思い出したら今の幸せはなくなってしまう。
リャンとミレイと静かな時間を過ごし、時の流れも気にならず世間で起きている事も気にならず、今あるこの時間だけが自分の幸せなのだと思っていたから。
ただそう思う反面、思い出せない原因が何なのかを知りたい気持ちもあった。
その気持ちはスンジョと話していた時に、フワッと思ったのだった。
この人を知っているような気がすると。

「お待たせしました。」
担当医が見るからに教授だと思えそうな人と一緒に入って来た。
リャンとハニは立ち上がって挨拶をしようとしたが、担当医はそのままでいいですと声を掛けた。
「色々とお話を聞いたり、オ・ハニさんの今までの検査結果での判断ですが・・・・外傷性の物ではないと言う診断に菜違いはないです。」
「火事が原因ではないのですね。」
「いえ、家事が原因でハニとは言い切れません。頭を強く打ったりしていないという事です。」
家事の時のハニは確かに頭を打ってはいない。
それは、助けたリャンも当人であるハニも判っていた。

「それでは・・・・・」
「はっきりと申します。ハニさんの記憶が無いのも視力に問題があるのも、心因性が原因です。」
「心因性・・・・」
「忘れたい出来事があったのではないかと言う事です。」
忘れたい出来事。
それが何なのか知りたいが、結局はそれが原因で記憶が無く物を見る事も出来ない。

「恐らく、お二人が最初に会った時よりも前に、ハニさんが深い心の傷を負って、忘れたい・見たくないという気持ちが強く、家事のショックがそれを抑え込んだのではないかと思います。」
担当医の話は、ハニとリャンに怪我による記憶障害ではないという一つの不安はなく安心したが、忘れたいという自らの思いが何であるのかが気になった。





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