大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2017年03月

今でも 397

済州島に帰って来てからのハニはどこか寂しそうで、時々壁に付いている傷の一つを指でなぞり、何かを考えていた。
【ソウルに行こう】
ハニはその言葉を言ってくれなかった。
当然だ。
この島での思い出は沢山あるのだから。
ここで、ハニはスンハを産んで、その時にダニエルの両親と初めて会った。
今住んでいるあの小さな家は、元々の持ち主が偶然にもアンダーソン夫妻が静養するために作った別荘。

オレが知らない間の思い出を、ハニに無理に忘れさせたくない。
ペク家を出たのは、ハニが新しい人生を生きる事に決めたから、ダニエルと過ごした日々はハニの幸せの時間だったのだから。
たった一人の肉親の父親にも言わず、親友のミナやジュリにも言わないで生きていた10年は、オレの知っているハニとしたら、自分の持っている力の何十倍もの努力をしたに違いない。
お世辞にも言えない味だった料理も、見栄えは悪くても不味くはないし、ふたりの子供達に着せている洋服もハニが一針ごと願いを込めて縫っている。
エプロンも、ダイニングテーブルの上のコースターにランチョンマット。
家族が寛ぐソファーのクッションも、ハニが作った物だった。

スンジョはシンクに立ち、荒い物をしているハニの後に行き、その細い身体を両手で抱きしめた。
「ビックリした・・・・どうしたの?」
「ハニ、ここを離れたくないか?」
ビクッと肩が動いた。
はっきりとは離れたくないとは言わなかったが、スンジョがハニの気持ちに気づいていた。
「そんな事は・・・・」
「ハニは嘘が付けないだろ?ここを離れると言っても、この家は人手に渡さなくてもいいし、オレは人手に渡すつもりもない。毎週末に来る事は出来ないが、ハニもハンダイの保養所で働く従業員だから、ウンジョの許可を貰って本社勤務になっても、時々はこっちに来て保養所の手伝いをしたらいいし、月に一度は家族でこの家に帰ってこればいい。」

後ろから廻されたスンジョの腕に、そっと白い手を添えた。
「私ね・・・ハンダイを辞めて、ソウルに戻ろうと決めた。」
辛い決心だとはスンジョは思ったが、ハニが自分に付いて来てくれると知ると嬉しかった。
「仕事を辞めてもいいのか?」
「だって、今までは子供は二人だけだったし、ダニエルが亡くなってこの先の事を考えたら働かないと子供達を大学まで行かせられないと思ったから。スンジョ君の奥さんになったから働くのを止める訳じゃないけど、妊娠して双子が授かった時に、本当は年齢の事もあるけど産もうかどうしようか迷ったの。だって、不器用な私が4人の子供をちゃんと育てられるか不安だったし。」
この妊娠は、予想外な事ではあった。
ちゃんと結婚をしていた訳でもなく、自分らしくなくあの時の流れで先の事も考えずにしてしまった。
リビングのソファーに座り、何を泣いていたのか判らないハニをただ泣き止ませたかっただけ。

「ごめん。」
「謝らないで。今はこの子達をそんな風に思った事を後悔している。私にとって4目の妊娠でも、スンジョ君にとっては初めての子供なのに、ひどい事を考えたと思って謝らないといけないのに。」
スンジョはその時見たハニの頬に流れる涙にキスをした。
ハニが人の妻になり子供の母になって、昔の何も考えずに楽しく生きていたあの頃とは違って随分と強くなっていたが、その中で自分の気持ちを抑える事を覚えた事が愛しく感じた。
「離れるのは悲しいけど、ダニエルと過ごした時間は忘れられない事が沢山あるけど、スンジョ君に付いて行く決心をしたから大丈夫。」
ハニはスンジョの手をそっと外して、ゆっくりと身体の向きを変えた。
大きな目は潤んでいたが、キラキラと高校生の時に見た瞳だった。

抱きしめてキスをしたくなったスンジョは、そのままハニの顔に近づこうとしたが、ハニがそれを止めた。
「子供たちが庭で遊んでいるから、いつ戻って来るのか判らないから。」
それはキスをしているのを見られるのが嫌とかではなく、片付け物を早く済ませたいからだと言う事だと判っていた。




人気ブログランキングへ

今でも 396

ヘラの事務所を出ても、帰宅するにはまだ早い時間。
久しぶりに会ったから、一緒に食事でもと誘われたが、スンジョはハニの体調を理由に断った。
体調を理由と言うよりも、ハニがヘラに対してまだ抵抗がある事を感じたから。
「これで良かったのかな?」
「ダニエルの件か?」
「それもだけど、こんなにいろいろな事が、上手く行って夢だったって言う事はないよね。」
「夢かも・・・」
スンジョの捻くれたように見せるその言い方も、今のハニには嬉しくて仕方がない。
ハニにしか言わない言い方。

「確かに、離れていた10年の月日より、再会して6年の月日の方が長く感じた。誰が一番間違っていたのかは、はっきりとオレだと判っている。」
「スンジョ君が間違っていた訳じゃないよ。お義父さんが倒れた時の、あの状況だったら私がスンジョ君だったにしても、ああしていたと思うの。自分の父親の会社を救う為、沢山の従業員の生活も全てスンジョ君に掛かっていたから。でも、これで良かったと思わないと、ダニエルが可哀想すぎる。私はダニエルに自分の心を偽っていたし、可愛がっていた子供達を置いて逝く事になったから。」
ビクトルが出来た時は、自分の子供だろうかと疑っていた時期もあったが、産まれてからは自分がして貰えなかった事をビクトルにさせていた。

まだ小さかった二人には、ダニエルが父親として一生懸命に教えるべき事は教えていた。
人に努力をしているように見えるようにしてい手も、人一倍努力をしているから誰もそれに気が付かない。
そんな所はスンジョと似ていた。

「ハニ。」
「何?」
「どうしても、済州島のあの家に住んで行きたいかずっと。」
「どうして?」
「パラン大病院から、そろそろ戻って来て欲しいと依頼が来て。スンハもこっちの小学校で勉強させてやりたいし、ハニもお義父さんの事が気になるだろ?」
確かにハニはギドンの事は気になっていた。
昨日の、ハニとスンジョや子供達が帰って来た事の集まりだったが、前は楽しそうに笑いながら食事を作っていたが、あの時はかなり疲れているように見えた。

「スンジョ君はどうしたい?」
「オレとしては、研究途中で済州島に行ったから、戻ってその研究を終わらせたい。」
あの家を出てしまえば、ダニエルとの思い出がまた一つ減ってしまう。
ダニエルと過ごした年月は、ハニにとっても大切なものだった。





人気ブログランキングへ

今でも 395

相変らず、私は難しい言葉は頭に入って来ない。
スンジョ君が一緒に来てくれて良かったと思う。
もしかしたら、スンジョ君はヘラが会いたいと言った時、理由は聞かなかったかもしれないが、何を話すのか判っていたのかもしれない。
だから、私の為に付いて来てくれたのだ。

「気持ちは?」
「気持ち?」
「ハニの気持ちはどうなのかな?ご主人が亡くなった事には違いないし、子供達はハニが再婚しても実の父親はいないのだから、本心から事故にしたいと思っていたのかな?とずっと気になっていた。」
「辛いもの・・・スンジョ君と間違えて刺されて命を落としたのなんて・・・・私がダニエルと結婚をしなければ、こんなに早くに命を亡くす事はなかったかもしれない。」
スンジョが好きな気持ちのまま、自分の心を偽ってダニエルと結婚した事が一番の原因だと思っている事は、誰にも言えないハニの本心。

「変わらないわね・・・イギリスのアンダーソン夫妻にも連絡をしたわ。あちらは、ハニとは違っていた。」
ダニエルの両親にも、ハニが『事故として欲しい』とヘラに言った事は伝わっている。
あの時の気持ちに、あの時は何も言わなかった。
むしろ、自分を慰めてくれていた。
「どう・・言っていたの?」
「自分たちは、ダニエルを捨てた親だから、ハニの考えを尊重してほしい。きっと、優しいハニならダニエルが亡くなった事で自分を責めるかもしれない。でも、それはして欲しくない。30年ちょっとの短い人生の、数年をハニと過ごした事はきっとダニエルにとって一番幸せな時期だった。そう伝えてほしいって・・・・」
面と向かってそう言ってくれた事もあった。
改めて、裁判の判決が出た後に、またそう伝えられると胸に刺さっていた棘が取れたように、心の奥から軽くなった。

「あなた達、本当にお似合いよ。スンジョの横にいるのは、私じゃなかったのを痛感するわ。スンジョ・・・ごめんなさいね。」

「ヘラ?」
「本当なら、あなたに訴えられてもおかしくないのに、ソラの父親が誰なのかも知っていてお義母様にもお義父様にも言わなかったのでしょ?」
「どうして、今その事を言うんだ?」
「この間、おじい様の所に行った時、お義父様がいらしてたの。ソラは元気にしているかって聞かれたから、本当の事を話したらご存じだった。でも、知ったのは私との結婚生活にピリオドを打って、その後に空が産まれた時でしょ?」
「元嫁でも、君が子供を産んだ事を伝えた方がいいと思って。」
「優しい人だったのね、あなたも・・・」
今でこそギョンスとは仲の良い夫婦として生活をしていても、あの時は当て付けで関係を持ったのは事実だった。
ただあの時の自分は、誰かに愛されたいと思っていた。
大学時代から自分に好意を持っていたギョンスを利用した事に、罪悪を感じていたのは忘れる事は出来ないが、娘の存在はヘラにとって大きかった。

「ヘラ、私達この先友達になれる?」
「なれないわ、永遠になれないと思う。私とあなたは永遠にライバルよ。」
ヘラとは彼女が言うように『永遠にライバル』かもしれない。







人気ブログランキングへ

今でも 394

「おまたせ。」
さっき飲み物を運んで来た秘書とは別の、少し年配の秘書と一緒にヘラが入って来た。
「忙しそうだな。」
「あなたは幸せそうね。」
「君もだろ?」
スンジョとヘラが、元夫婦としてではなく久しぶりに会う親友のような挨拶をしたのを見て、ハニは少しだけ安心したが、それでもヘラに対しては少しガードをしてしまう。
「ハニも幸せそうね・・・・そうして二人並んで座っているのを見ると・・・こうなるのが運命だったように見えるわ。」
数年前のヘラとは違う、大学時代の様な話し方のヘラは、もうスンジョの事を吹っ切れたのだろう。

「いつ産まれるの?」
ゆったりとしている服を見て、いくらハニが手を前にしていてもヘラには判る。
ハニが応えようか迷っていると、苦笑いをしながら言った。
「大学時代も意地悪したけど、あなたの旦那様と結婚していたあの頃の私だったら、その子供が憎いと思ってハニに何をするか判らなかったけど、今は再婚した今の主人と娘と幸せだから、ハニの妊娠を妬んだりしないわ。」
「10月の終わり・・・・」
「そう、元気な赤ちゃんを産んでね。で・・・本題に入るわね。今日ハニに来て貰ったのは、前のご主人のチョ・ダニエルさんを刺した犯人の判決が出たの。」

傍に立っていた秘書から、A4版の封筒を受け取った。
「裁判記録だけど・・・・ハニが読む?」
「スンジョ君に、読んでもらった方がいいかと・・・・」
納得の返事を待ってすぐに書類をスンジョに渡した
「ハニの希望した通りに彼を弁護したわ、判決は・・・」
ヘラが教えてくれた結果を耳にして、これでよかった思った。

ありがとうと声を掛けると、ダニエルの事があるから、完全な事故にする事はいけいないと言う事だった。






人気ブログランキングへ

今でも 393

オリエントコーポレーションのビルで は無く、オフィス街にある3階建てのビルの一室にヘラの事務所があった。
オフィス街にあるビルでも、さすが実家がオリエントコーポレーションだと思える建物だ。
ヘラくらいの年齢の弁護士が、自分の弁護士事務所が持てるのは、財力がある証拠なのだろう。
「緊張するね。」
「そうか?」
スンジョが緊張をする事は滅多にない。
ヘラの秘書がふたりに待っている間に飲む飲物を聞きに来た。
「ご主人はコーヒーでよろしいですか?」
スンジョが何も言わないでも、秘書はスンジョが何を飲むのか知っていた。
「奥様は・・・」
スンジョと結婚してからまだ人から奥様と言われた事がない。
ダニエルの時には言われた事はあったが、ほとんど知っている人からは当時使っていた【ユナ】と言う名前で呼ばれていた。
「私はココア・・・ミルクを大目に・・・」
「畏まりました。先生は後10分くらいで戻って見えます。」
ヘラが好みそうなタイプの秘書は、なんだか昔のヘラとどこか似ていた。
育ちが良さそうで頭もよさそう、でも冷たい感じで人の心の中を見透かすように見える。

「ヘラ、忙しそうね。」
「そうだな。予定よりも遅れる事をしない人だったからな。」
時間通り、計画通りにすべてを行う性格は、今のスンジョも同じだ。
考えは帰る事は出来るかもしれないが、産まれた時からの性格はそう簡単には代えられない。
「あの秘書の人、スンジョ君知っているの?」
「ぁあ、ヘラがこの事務所を作った時からの人だから。」
「私の事をどう見たのかな・・・・」
「オレの奥さんに見えたのだと思うよ。」
スンジョの知らないハニがあったように、ハニの知らないスンジョの時間があった事は帰る事は出来ない。

暫くすると、先ほどの秘書が二人に飲み物を持って来た。
コーヒーカップもココアの入っているカップも、一目見て高級陶磁器だと判る。
同じ物ではないが、アンダーソン夫妻がこちらに来た時に、部屋で使っていた物と似ていた。
秘書はハニの左の薬指のふたつの指輪を、チラチラと見て何か疑問を感じたような顔をしていた。
ひとつの指輪はダニエルが買ってくれた物で、もう一つはスンジョから贈られた物。
その指輪は、スンジョが左の薬指にはめている物とも同じだ。

ココアを飲もうとすると、湯気がゆらゆらと揺れ、少し口に含んだ時にドアが開きハイヒールのかかとが床を蹴って来る音と、誰かが話している声が聞こえた。
それがヘラだと判ると、ハニは何を言われるのか気になってドキドキとした。







人気ブログランキングへ
ギャラリー
  • お知らせ
アーカイブ
美容室美容院レーシックfx 口座開設美容整形キャッシング
デリヘルデリヘル 求人里親 募集求人情報美容室裏dvd保険出会い出会いエステ美容整形クレジットカード消費者金融
アクセスカウンター
キャッシング社長ブログseothink tank医薬品 買取ブログパーツお見合い結婚相談住宅ローン
アルバイト情報海外サーバー海外サーバーアクセスカウンター無料ブログカウンターオンラインカウンター借金時計ページランクアダルト動画
アダルト動画 比較裏dvd裏dvddvdレンタル 比較有料アダルト動画 比較月額アダルト動画 比較出会い系サイト 比較ライブチャット 比較裏dvd
ブログカウンター無修正dvdフェラチオキャバクラデリヘル風俗
無料カウンターデリヘル 求人高級 デリヘルキャバクラ 求人借金時計プロバイダ 比較ウォーターサーバー 比較レンタルサーバー 比較クレジットカード 比較生命保険 比較
etcカードエステ脱毛インプラントホームページ製作ドメイン取得化粧品 サンプル自動車保険 比較学資保険 比較おまとめローン 比較キャッシング 比較証券会社 比較fx 比較fx口座開設 比較
無料アクセスカウンターフレッツ光 auひかり 比較fx 初心者誕生日 プレゼント
東京 デートスポット消費者金融 一覧銀行 口座開設アクセスカウンター無料カウンターページランククレジットカード ランキング生命保険 ランキング自動車保険 ランキング学資保険 ランキング育毛剤 ランキング証券会社 ランキングプレゼント ランキングクレジットカード おすすめ
bto パソコンエアコン 工事エアコン クリーニング給湯器 交換犬 里親猫 里親エアコン 取り付けエアコン 取り外しガス給湯器 交換ホストクラブ新宿 デリヘル新宿 デリヘル歌舞伎町 キャバクラ渋谷 デリヘル


バラが降るオルゴール


  • ライブドアブログ