大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2016年11月

今でも 279

ハニとグォンの宿を出てから随分といろいろな事があった。
あの頃はこうして一人でここに戻って来る事はないと思っていたし、ハニがずっと想い続けていたあの人に会うとは思ってもいなかった。
自分を捨てた両親と会う事が出来て誤解は解け、初めて対面した兄弟やイギリスの親類たち。
オレにとってたった数年の事が何十年もの時間のような気がした。

枕元に置いた携帯を取り、ここに戻って来る前に行ったピクニックの写真を見た。
草花を取って一つ一つに何か話しかけていた可愛いスンハを思いだし、それを見ていたハニの笑顔と抱かれて穏やかな顔で眠っているビクトル。
済州島からここに来るまでたった一日の事なのに、もうハニや子供たちに会いたくて仕方がない。
今回の滞在は4日間。
片道一日かけているから、来週の今頃はハニと子供たちと一緒にリビングで寛いでいるだろう。
明日、グォンにキョンエ園に送ってもらったら、まず園長に会う事を決めていた。
園長に会ったら両親と再会した事や、兄弟の事を話し、全ての権利を放棄してこの国でハニと子供たちと過ごすことを決めた事を言う。
ただ、園長にはもし今回の話し合いの結果、何かあった場合ハニをペク・スンジョに託すことは言わない。
それは園長とは関係の無い事で、スンジョに自分の気持ちを伝えればそれでいい。
いくら育ての母親として思っていても、そんな事を園長に話したらここに来る事を拒否されることは判っていた。

「ダニエル・・・ダニエル・・・起きてるか?」
「グォン・・どうかしたのか?」
「久しぶりに飲もうと思って・・・ソンナがつまみを作ってくれたよ。」
ガタンガタンと音を立てて引き戸を開けると、グォンが盆に酒とつまみを持って入って来た。
やんちゃだった高校時代、よくそんながソンモおばさんに教えてもらった料理の失敗を持って来ては、大人たちの部屋から盗んで来た酒を飲んで、園長に見つかって二人は叱られた。
高校を卒業してからグォンは麓に降りて、宿屋に住み込むようになってからは週末に会っていたが、さすがに住み込みの見習だから酒を酌み交わしたりしなかった。

「おっ!お前、携帯を持っているのか?」
「ん・・まぁ、仕事で使うから・・」
「済州島に行って直ぐに両親が見つかって、イギリスの財閥の御曹司だったんだってな。」
「御曹司じゃない。権利放棄したから。」
「もったいない・・・イギリスの財閥御曹司として、一生遊んで暮せたろうに・・」
「30年もそんな生活をしていないのに肩が凝るし、こうして安い酒を飲んで親友の女房に作ってもらったつまみを食っている方が似合っているよ。」
いくら親が財閥の人間でも、貧しい孤児院で過ごした生活は、どんなに努力したって沁みついた習慣は簡単に変えられない。

「キョンエ園のペク先生さ・・・・ヤバイんだ。」
「ヤバいって?」
「あの人、いい人過ぎて狙われている。オリエントコーポレーションの令嬢で元妻・・・離婚してから急に人が変わったように良い人になってさ、立ち退きを強制しなくなったんだ。それならそれでいいけど、立ち退きのために雇ったチンピラの仕事が無くなってさ・・・逆恨みしているんだ。ペク先生と離婚しなければ、オリエントコーポレーションの社員と付き合ったりしないし、その人との子供も産まれなかったって。女は母親になると、子供の為に防御に回るって言うか・・・・」
仕事が無くなったからってあの人の責任じゃない。
あの人はハニへ心があるのに、結婚したから続かなかっただけだ。
オレは、あの人をハニの元にちゃんと向かわせる。
オレにはハニの本当の笑顔を出す事が出来ない。
ハニは笑顔をオレに向けていても、目の奥は一度も笑った事はない。

「もう、限界だ・・・」
「まだそんなに飲んでいないだろう?」
「旅疲れだ・・・オレは寝るから、お前は飲み終わったらソンナの所に戻れよ。妊娠中の妻が一人で子供の世話をして旦那が酒を飲んでいたらいかんだろ。」
「あのダニエルが、父親になったら良い人になったな。」
「子供の為ならオレはいい人にだって簡単になるよ。」
ハニと子供の為ならオレは、何だって出来る気がする。







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今でも 278

「ダニエル、久しぶりね・・入って。」
ソンナは昔と変わらない笑顔でダニエルを迎えた。
それとは対照的に、4人の子供達は怯えた目つきでダニエルを両親の陰から見ていた。
「ほら、父さんと同じ孤児院で育ったダニエルだ。覚えているか?コイツが長男のガイ・・・7歳になった、こっちが次男ソン6歳で三男ナル5歳四男マル4歳で・・・・ソンナが5人目を妊娠中だ。」
「5人・・・・」
「ハハ・・・・そんな顔で見るなよ。孤児院でオレ達育ったから、子供が多い方が落ち着くから・・・ほらガイお前は長男だから弟たちに手本を見せないとダメだろう。」
「ガイです・・・」
ぺコント頭を下げると、他の兄妹たちも同じようにボソッと自分の名前を言って頭を下げた。
四男のマルは、スンハよりも半年ばかり年が上のはず。
大人たちの抱えている問題が、子供達にも伝わっているのだろう、やせ細っているばかりではなく身体もどちらかと言うと小柄な感じがする。

「そんなが安定期に入ったら、オレはここに残るけど子供たちを連れて暫く安全な場所に行く事になってる。ソンヤが『姉ちゃんの面倒位見られるから』って言ってさ、兄弟はいいもんだよ。」
紛争地帯ではないからそこまでしなくてもいいとソンナが言っているが、グォンは子供達にはいい環境とは言えないから我慢してくれとしか言えなかった。
大人たちの事情で子供たちに負担を掛けている。
家族全員で移るのではなく、身重の母と自分達兄弟だけが他の土地に行く。
行きたくないだろうことは判っているが、どうしようもない事だ。
話がうまくまとまれば、また家族揃って一緒に暮らせるはずだから。

オリエントコーポレーションのホテル建設中に泊まっていた工事関係者は引き上げ、今は営業をしているのかしていないのか判らないくらいに宿は閑散としている。
大きなホテルが立ってしまえば、低価格な民宿よりも、お洒落な設備のホテルの方が観光客にはありがたい。
判ってはいたが、生活をして行くのにはとても楽な環境ではない。
「宿を利用する人は減ったのか?」
「もともと多いわけではなかったからな・・・まぁ食べていけるくらいは・・・ひとりも泊まらなくなったら、いい方法を考えるよ。」
麓の生活をしている人たちの状況、今営業をしている店の状況と住民たちの年齢や性別を聞きだし、長旅の疲れも見せないで、遅い時間までグォンとダニエルはどう話をして行ったらいいのかを考えた。







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今でも 277

駅からグォンが営んでいる宿までの道、所々に他地方から来た車が住人たちを困らせるように停まっていた。
元々裕福な町ではなかったが、塀や家の壁などが何かで壊された形跡があった。
「酷いな・・・・」
「だろ?ここに住むのを諦めて出て行った家は、直ぐに壊されるんだ。」
確かにその場所にあったはずの家や店が無くなり、更地になっているか建設会社の仮事務所が立っていた。
「みんなオリエントコーポレーションの関係か?」
「どうだろう・・・」
「どうだろうって、どう言う意味だ?」
「オリエントコーポレーションは、ホテルが完成したら表立ったことはしていないんだ。ただ、子会社の連中がさ・・・・どうもホテルの建設で成果を上げたから、欲張っているのか知らないけど土地の買い占めを始めたんだ。オリエントコーポレーションもかなり強引な事をしたけど、あそこはそれなりに金額を上乗せしてくれていたし、嫌がらせはしなかったからな・・・・オレんとこみたいな小さな宿にも、ちゃんと宿泊料はくれたけど、下請けはとにかく酷いんだ。」

「酷いって言っても、オリエントコーポレーションが付いているだろ?」
グォンは前方を見たままハンドルを切っているが、とても辛そうな顔をしていた。
「あそこの令嬢が・・・離婚しただろ?」
「あぁ・・・」
「婿はハンダイの御曹司で、パラン大病院の優秀な外科医。その先生は今キョンエ園の診療所にいるんだ。」
ダニエルはそれがスンジョだと判っていたが、黙ってグォンの話を聞いていた。
「いい先生なんだ診療所のペク先生は・・・・手なんてさ、節くれだったごついオレ達みたいな指じゃなくてさ・・白くて細くて長くて女みたいな綺麗な手で、ペンや箸にフォークくらいしか持った事のない手で、キョンエ園の花壇の整備をしたり、建物の修復までしてくれて・・・医者だから人間だけを診ればいいのに『人が生きて行く為には、目から見える景色や、身体を休ませる場所を綺麗に治すだけでも健康になる』って言うんだ。」

ハニが好きになるだけの人だ。
あの人の目指すところは、オレよりももっと大きくて深くて温かい、そんな場所なんだ。
だから、自分の想いを閉じ込めてオレにハニを任せたのかもしれない。
「ペク・スンジョ・・・って言うんだろ?その先生は・・・・」
「知っているのか?」
「あぁ・・・オレが何かあったら、ハニと子供たちを任せたいくらいに信頼できる男だよ。」
スンジョに対して、最初は嫉妬心があったが、今ではスンジョと言う男から見ても信頼できる人だと思っていた。






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今でも 276

『終点駅』と車内放送が流れると、ダニエルと相席していたふたりの女性は、最初とは打って変わって笑顔も無く気取った感じで先に下車した。
駅周辺はダニエルが10数年前よりも綺麗になり、観光スポットもないのに観光客が結構いた。
オリエントコーポレーションが開発している理由が判らない。
鉱山があるわけでもなく、温暖な地域でもなければウインタースポーツを楽しめる環境でもない。
ただ山があって川があって、空いている土地があるだけ。
それだけあれば十分なのかもしれない。

「よぉ!」
「よぉ、迎えに来てくれてありがとう。」
久しぶりに会うグォンは、ダニエルの後に誰かいない瓶がそちらをチラチラと見ている。
「一人で来たのか?」
「一人だ。」
「見たかったな、お前とハニの子供。」
「ハニさん!」
「ごめん、ハニさん。」
グォンよりもハニは4歳年上で、ダニエルと同い年。
同い年だから、ダニエルはグォンにハニの名前を呼び捨てにするのを昔から嫌がっていた。

「写真はあるのか?最近のハニさんと子供たちの。」
ダニエルは上着のポケットから携帯を取り出すと、保存してあるハニと子供たちの画像を開けてグォンに見せた。
「はは・・・・かゎいいなぁ。でも、家の子供達には叶わんけどな。」
「目を瞑って声を聞いていればな、お前の子供はかわいいかもしれない。」
「どういう意味だよ。」
「そう言う意味だ。」
久しぶりに会う親友との、昔と同じような掛け合いの話し。
挨拶もそこそこに、迎えに来たグォンの車に荷物を乗せてダニエルは助手席に座った。

車に乗りドアを閉めて発信すると、早々に麓の事をダニエルは聞いた。
「立ち退きさせる為に、いくら金を摘まれても誰も受け取らない。麓はキョンエ園出身や、あそこに通っている人が多いからさ・・・麓を出てどこに行けばいいのかって・・・キョンエ園もいい人が来て。」
「医者だろ?」
「知っているのか?」
「まぁ・・・・園長に電話を掛けた時、電話口の向こうで誰かと話しているのが聞こえた。」
「その人・・・ここを早くでた方がいいよ。麓の人間は、あの先生には感謝しているけど、オリエントコーポレーションの連中がよく思っていないんだ。」
気の荒い連中が、一時でもオリエントコーポレーションの一族だった人間が、敵対している方にいる事が面白いはずがない。
ハニを置いて自分だけここに来た理由を、いくら親友とはいえまだグォンには言う事は出来ない。









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今でも 275

ハニには大丈夫だと言って家を出たけど、本当は怖くて仕方がない。
怖い物知らずで喧嘩速かったオレが、ただ荒れている故郷にいる友人に会いに行くのに怖いと思う様になったのは、守らなければいけない家族が増えたから。
ハニを泣かせたくないし不安にさせたくない。
それは判っていても、自分が育った故郷が大変な時に、怖いからと言って知らない顔は出来ない。

10数年前に、ハニと出会ったこの駅は相変わらず人が多くて、自分に何か言ってくれる人はいない。
ここは大都市で、他人の事などどうでもいい場所。
人がベンチに腰かけて泣いていても、誰も声を掛けないし相手にもしない。
あの時、ハニに声を掛けたのは『彼女が運命の人』だから。
ベンチに腰掛ける前、券売機で長い間買う様子もなくたたずんでいた。
邪魔だどいてくれと言われて押され、ふらついて転んでも誰も助けない。
オレが助け起こそうとした時に、ハニが券売機にお金を入れて行先ボタンを押した。

ソウルから一番遠い駅で、そこはオレが帰る孤児院がある駅。
別に何時に帰らないといけない訳でもなかったから、ハニと同じ時間の電車に乗ろうと、離れた場所に会ったベンチから眺めていた。
ポロポロと涙を流して、ハンカチでぬぐう事をしないで両手で顔を覆って肩を震わせていた。
辛い事があったのは一目瞭然。


「ここ、空いていますか?」
「どうぞ・・・・」
合席した女性は、連れがいるのか手招きをした。
下車するまでの付き合いだから、お互いに軽く会釈をしてダニエルは窓の外を見た。
ガラス越しに映るダニエルの顔と、相席した二人連れの女性の顔。
その顔は、明らかにダニエルに興味がある顔で、どのタイミングで話しかけようかと二人でヒソヒソと話していた。
「どこまで行くのですか?」
「終点まで・・・」
「終点?」
最初にダニエルに聞いて来た女性が、聞き返すように言うと連れの女性が身を乗り出して聞いて来た。
「私達も終点の駅で降りるので・・・・そこの駅近くにあるオリエントホテルに宿泊するんです。着いたらホテルのラウンジで飲みませんか?」
「オレと?」
興味があると思ったのか二人は嬉しそうに目を輝かせて、カバンの中から携帯を取り出した。
「電話番号・・・」
ダニエルは、ふたりに見えるように左手を挙げた。

「済州島に、妻と二人の子供がいる。」
驚いたものの、ばつが悪いと思ったのか二人の顔から笑顔が消えた。

こんな女は嫌いだ。
自分が一番綺麗だと思って、全身にいったいいくら金を掛けているんだ。
外見の美より、内面の美の方がどれだけ綺麗か、この二人にハニを見せたいと言いたい気分だった。









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