終った・・・・
まだ離婚はしていないが、ヘラが納得をしてくれただけでも、オレは気持ちが楽になった。
もうこれからは一医師として、自分が目指すところに真っ直ぐに生きて行けばいい。
ハニのように、自分が目指す夢を信じて進んで行こう。
あの最後の日、オレはハニに何をしようとしていたのか。
ハニの気持ちを弄んで、思わせぶりな事をして、自分の利益の為だけに選んだ結果がこれだ。
ハニさえ幸せになればそれでいい。
オレは一生ハを傷付けたことを償って行かなければいけないと思っていた。
明日には、この医務室に新しい医師が来て引き継ぎを終えたら、パランに戻るつもりだった。
まだ体重は戻っていないが、夜も薬を服用することなく眠れるようになったし、いつまでも弟の世話になっている訳にはいかない。
スンジョは、机の周辺や仕事内容、ハンダイ社員の健康状態を記入しているファイル等、引き継ぐ人がすぐに使う事が出来るように片付けていた。
机の中に入れてある私物を箱の中に入れていた時に、ハラリと一枚の写真が落ちた。
ハニが家を出て行った時は、何も持たずに出て行ったが、この一枚の写真はこっそりとハニの部屋に行って持って来た物だった。
意地悪く笑ったまだ子供っぽかった自分と、大きな目を見開いて驚いているハニの顔。
「あれから13年か・・・・・」
高校の卒業式の後に撮ったたった一枚の写真は、二人がこんな風に離れてしまう事など、想像もできないくらいに楽しくも見えた。
誰にも写真を撮らせないで いたのに、ハニが撮って欲しいと言って来るのを待って、シャッターが押される直前にハニを驚かせる言葉を言ったのだった。
「お客さん、レジからお釣りを持って行ってください。」
変なパーカーを着て顔を隠していたって、それがハニだと判っていた。
判っていたからあのコンビニに行ったのだ。
それが原因でクビになった時に言ったチキン屋は、 ハニだと気が付かなかった。
突拍子もない事をするハニでも、いつも真剣に頑張っているから惹かれたのだ。
戻れない事は判っているが、もし戻れるのならどの時に戻りたいのかと聞かれれば、 あの自販機の時に戻っていたら同じ過ちをしないで、ハニの気持ちを今なら真っ直ぐに受け止めれたかもしれない。
それは無理な事だから、今のハニの幸せが永遠に続く事を願うしかない。
スンジョはその写真を封筒に入れて、ジャケットの胸ポケットの中に入れた。
最後の箱をテープで封印をした時に、後任の医師が数人入って来た。
その人たちは、スンジョが選んだパラン大医学部出身でパラン大病院で勤務をしていた優秀な若手医師たちだった。
「ペク先生、引継ぎをお願いします。」
「大体の事はこの棚にあるファイリングされた物を読んでもらえば判ると思う。保養所を利用するお客様だけではなく、従業員やその家族に対しても、同じ気持ちで接して欲しい。知り合いがその中に入れても、特別な扱いは・・・・・・・・」
引き継ぐ医師たちにスンジョは、当たり前だとは思っていたが、父の教えを受け継いでいるハンダイの社員の心得として伝えた。

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まだ離婚はしていないが、ヘラが納得をしてくれただけでも、オレは気持ちが楽になった。
もうこれからは一医師として、自分が目指すところに真っ直ぐに生きて行けばいい。
ハニのように、自分が目指す夢を信じて進んで行こう。
あの最後の日、オレはハニに何をしようとしていたのか。
ハニの気持ちを弄んで、思わせぶりな事をして、自分の利益の為だけに選んだ結果がこれだ。
ハニさえ幸せになればそれでいい。
オレは一生ハを傷付けたことを償って行かなければいけないと思っていた。
明日には、この医務室に新しい医師が来て引き継ぎを終えたら、パランに戻るつもりだった。
まだ体重は戻っていないが、夜も薬を服用することなく眠れるようになったし、いつまでも弟の世話になっている訳にはいかない。
スンジョは、机の周辺や仕事内容、ハンダイ社員の健康状態を記入しているファイル等、引き継ぐ人がすぐに使う事が出来るように片付けていた。
机の中に入れてある私物を箱の中に入れていた時に、ハラリと一枚の写真が落ちた。
ハニが家を出て行った時は、何も持たずに出て行ったが、この一枚の写真はこっそりとハニの部屋に行って持って来た物だった。
意地悪く笑ったまだ子供っぽかった自分と、大きな目を見開いて驚いているハニの顔。
「あれから13年か・・・・・」
高校の卒業式の後に撮ったたった一枚の写真は、二人がこんな風に離れてしまう事など、想像もできないくらいに楽しくも見えた。
誰にも写真を撮らせないで いたのに、ハニが撮って欲しいと言って来るのを待って、シャッターが押される直前にハニを驚かせる言葉を言ったのだった。
「お客さん、レジからお釣りを持って行ってください。」
変なパーカーを着て顔を隠していたって、それがハニだと判っていた。
判っていたからあのコンビニに行ったのだ。
それが原因でクビになった時に言ったチキン屋は、 ハニだと気が付かなかった。
突拍子もない事をするハニでも、いつも真剣に頑張っているから惹かれたのだ。
戻れない事は判っているが、もし戻れるのならどの時に戻りたいのかと聞かれれば、 あの自販機の時に戻っていたら同じ過ちをしないで、ハニの気持ちを今なら真っ直ぐに受け止めれたかもしれない。
それは無理な事だから、今のハニの幸せが永遠に続く事を願うしかない。
スンジョはその写真を封筒に入れて、ジャケットの胸ポケットの中に入れた。
最後の箱をテープで封印をした時に、後任の医師が数人入って来た。
その人たちは、スンジョが選んだパラン大医学部出身でパラン大病院で勤務をしていた優秀な若手医師たちだった。
「ペク先生、引継ぎをお願いします。」
「大体の事はこの棚にあるファイリングされた物を読んでもらえば判ると思う。保養所を利用するお客様だけではなく、従業員やその家族に対しても、同じ気持ちで接して欲しい。知り合いがその中に入れても、特別な扱いは・・・・・・・・」
引き継ぐ医師たちにスンジョは、当たり前だとは思っていたが、父の教えを受け継いでいるハンダイの社員の心得として伝えた。

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