大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2016年07月

今でも 157

その日のハニは風もなく穏やかだから外に出ていた。
ダニエルがハンダイの保養所に行ってしまうと、一人だけになってしまう。
居心地のいい家の中でも、天気が良い日は外に出て家の周りの景色を楽しんだり何も考えずに、ぼぅっとしたりしている。

「スンハ・・・・菜の花が綺麗に咲いているよ。お兄ちゃんは産まれたけど、生きる事が出来なかった。あなたはその代りに、オンマのお腹の中で元気に育ってね。」
少しづつ胎動を感じるようになり、今度の妊娠は無事に出産が出来ると思っていたかった。
顔に当たる風が日ごとに温かく感じる。
ここに立っていると、海から吹いてくる風で菜の花が踊っているみたいに見える。
あの海原は貴方で、この菜の花は私。

貴方が動けば私も動いていた。
戻りたいけど戻れない。
手を伸ばせば触れる事が出来るほど近くにいたのに、触れる事は出来なかった。
貴方の身体は触れられたかもしれないけど、あなたの心は触れるどころか、硬いからで覆われて小さな隙間さえも見えなかった。

パラン大で10年ぶりに再会して話をした。
済州島に来てから診察にに言った病院で見たスンジョ君は、昔の面影もないほどにやつれて驚いたけど、ヘラと幸せに暮らしているんだよね?
そうじゃないと私がスンジョ君への思い・・・・・・

「ハニ~・・・ハニ・・・・・」
菜の花の咲いている中を、昇って来る人がいた。
「パパ?」
ギドンにこの家の住所を教えたのは一週間ほど前。
まさかこんなに早く来てくれるとは思ってもみなかった。
ハニは、ギドンが昇って来る方の道に駈け出した。
「走らんでもいい・・・パパも歳を取ったから歩くのは遅いが、そっちに行くから・・・・・・」
ずっと親不孝をしていた娘に会いに来てくれた。
ギドンは今までハニを叱ったことはなかったが、それは叱らなくてもハニならずっと父と娘で過ごした年数気持ちが繋がっていたから、お互いに何も言わなくても判っていた。

「遠い所を来てくれてありがとう。」
「ハハ・・・・ハニがそんな言葉を言うなんて・・・・大人になったな。」
やっと父と娘が会う事が出来た。
父は年老いて娘はもうすぐ母になる。
ハニの気持ちに気づけなかったことをずっとギドンは気にしていた。
随分痩せてしまったが、済州島の気候に合っているのか、ほんの少し日焼けした顔が元気そうに見えた。








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今でも 158

小さいが綺麗なバンガロー風の家は、まるで新築のように見えた。
「この家の持ち主さんが、一度も住むことなく人に貸す事にしたんだって。だから新築と同じ・・・・・・」
ハニは小さないテーブルの上に、紅茶とスポンジケーキを置いた。
「これ、ハニが焼いたのか?」
「うん・・・・驚きでしょ?お世話になっていたところが孤児院で、そこでお手伝いしていた時に教えてもらったの。ちょっとだけ焦げて、硬くなっちゃったけど味は保証できるから。」
「それじゃ・・・・ハニが作ったチョコレートのスポンジケーキを食べるか。」
「パパ・・・・」
「ん?」
「チョコレートのスポンジケーキじゃなくて・・・・・・プレーンのシフォンケーキ・・・・何だけど・・・・」
シフォンケーキに添えようと思っていた生クリームをギドンは紅茶の中にポトンと落とした。
「その生クリーム・・・・・ケーキと一緒に食べて欲しかったの・・・・」
乾いた笑も出せないその空気は、10年前にもハニが料理を作った時に、一応評価しようと思っていた時にも感じた。

「見かけは左程必要じゃない。食べてみて美味しければそれでいいよ。ハニが作ったケーキをいただくよ。」
見かけはよくないシフォンケーキ。
昔は見かけが良くなくて味も保証できない物が多かったが、10年生きて行く為にハニが努力をした成果をギドンは噛み締めていた。
「ダニエルがね、この家を買い取ろうかと言っているの。そうなれば、ソウルには多分あまり行く事は出来ないけど・・・・・・」
「いいのか?」
「ダメなの?ダニエルと子供と一緒にこっちに落ち付こうと思って。」
「そうじゃない。スンジョ君への想いはもう断ち切れたのか?」
「何を言うのよ。私はダニエルと結婚して、彼の子供も産まれるんだよ。」
少し温くなった紅茶を、ギドンは静かに飲み干すと、ここにいるのが自分とハニだけだから本心を聞き出そうと思っていた。

「ハニがダニエルを選んだ理由が判るよ。」
「選んだ理由?」
「目の色や髪の色は違うけど、ダニエルはスンジョ君と似ている。心の奥に深い傷を負った、どこか冷めた目で見ている所が似ていると、初めて見た時から気が付いていた。」
「似ていないよ。スンジョ君みたいに冷たくないし、ダニエルはすごく優しいよ。だからダニエルと結婚しようと思ったのだから。変な事を言わないで・・・・・ダニエルが聞いたら悲しむわ。」
「そうだな。」
これ以上ハニに何かを聞き出そうとしてはいけない。
10年前と変わらないハニのはずはない。
21年間のハニは誰よりも知っているが、10年間のハニは親であっても知ることは出来ない。

「ところで、体調はいいのか?昔よりも痩せたんじゃないか?」
「体調はいいよ。最近ね、お腹の中の子供が動くようになったの。」
「そうか・・・・体調が良くてよかったよ。で・・・・・買い物とかはどうしているんだ?」
家の中には大体の物は揃っているように見えるが、余分なものは置いていない堅実な生活をしている事が判る。
「欲しいものがあったら、ダニエルが仕事に行く前にメモを渡したり、メールを入れるの。この子の前に一人流産をしているから、一人で買い物に出かけさせてもらえないの。」
「流産した事があったのか?」
「うん、6年前にね・・・・男の子だったの。それから精神的に弱って、それで痩せちゃったの。」
「辛かったろ?何も知らなくて・・・・・」
痩せた原因が、その流産ばかりではないが、ハニの中に残っている僅かなスンジョへの想いをギドンには知られたくない。

きっとここに来るために作ったのだろう。
沢山のハニが好きな料理を、一つづつタッパの蓋を開けてハニに見せると、その一つ一つに父の愛をハニは感じた。
一晩ここに泊まって行って欲しかったが、ギドンはスチャンやグミたちとハンダイの保養所に来ているからと言って、夕方よりも少し前にハニに見送られて家を出た。




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今でも 156

「シェフ!電話です。」
「クリス、誰からだ?」
「ダニエルでぇ~す。」
ダニエル?
ハニに何かあったのか?

「ダニエル・・・ハニに何かあったのか?」
ギドンはハニたちが済州島に渡ってひと月後に連絡があった。

家の前の菜の花が綺麗に咲いているから、一度遊びに来て欲しい

あの時はまだ変わった様子はなかったが、ソウルよりも風が強いから、身体でも冷やしたのではないかと不安になった。
<お義父さん、産まれました・・・・女の子です。早くに産まれてしまいましたが、ハニも子供も元気です。もう少ししたら、お義父さんの携帯にハニと子供の写真が届きます>
ダニエルからの報告を聞いても、ギドンは実感はなかったが、急いでレジ下の引き出しに入れていた携帯を取りたした。
画像が送られてから、それほど経っていない事は判っているが、届くまでの数分がとても長く感じられた。

携帯に送られて来た写真に写っている娘は、その娘が産まれた時の妻の顔とよく似ていた。
こちらに産まれたばかりの子供の顔を見せて、親子三人で写っているその姿を見て、10年の間行方不明になっていて随分心配をしたが、何も出来なかった娘が自ら見つけた幸せだったのかもしれない。

「産まれたん?」
「複雑だけど・・・・まぁ、いいっかぁ~」
ギドンが見つめているハニとダニエルと子供の写真を、ジュングやクリス、そして店の従業員も、ギドンの携帯を覗き込んで見ていた。
「おおかた、夕方からの準備も終わったから、上に上がって休んでくるよ。」
「判りました。」
夕方の開店までの時間、ハニたちから送られて来た写真を、亡き妻にも見せてやろうと思った。
幼いハニを残して逝った妻が生きていたら、きっと一緒になって孫の誕生を喜んでいたはずだ。

「ママ、ワシたちの小さなはにがお母さんになったよ。見えるか?」
笑顔でこちらを見ている妻も、写真の中で少しまた笑ったように見えた。
ギドンは数ヶ月前に、ハニたちが住んでいる済州島に行った時の事を、思い出して目頭が熱くなった。
あの時は、小高い丘の上にあるハニたちの住む家が、菜の花畑の中に埋もれるように、そこだけが別の時間が流れていた。
ウンジョから、両親と一緒に済州島のハンダイの保養所で休暇を過ごすことを提案された時、いつもは自分を気遣ってくれているその想いを遠慮していたが、ハニに会いたさに即答した。
それはウンジョがギドンの為に、ハニと過ごす時間を作ってくれたからだった。

「お袋には内緒にしているから。」
親子水入らずで過ごすことを計画してくれていた。
グミがハニの存在を知ってしまえば、10年の時間を埋める事は出来なくても、その時間だけを過ごす事も出来なくなってしまうから。
保養所からハニが住む家の近くまでバスに乗って、緩やかな上り坂を見上げると一面に広がった菜の花畑。
歳もあって坂道を登るのも少ししんどくなっていたが、その咲いている菜の花がハニの笑顔に見えて、その笑顔の向こうに愛娘が住んでいると思うと、子供のように足取り軽く上がって行きそうに思えた。








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今でも 155

医務室に体調不良や怪我をしたと言う理由で来る人はほとんどいない。
「兄貴・・・・忙しい?」
「忙しいわけないだろう、コーヒーを飲んでいただけだ。」
「このコーヒーを淹れる人間も、テストして選んだんだ。兄貴はコーヒーの淹れ方にもこだわりがあるだろ?」
「別に、そう言うわけじゃ・・・・・」
オレのコーヒーが好きと言うのは、淹れ方や豆が理由じゃない。
ハニが淹れたコーヒーが、いつも神経を張り詰めていたオレの心に少しだけ安らぎを与えてくれたからだ。
「コーヒーにこだわっていた訳じゃない。あれはハ・・・・・いや、ところで何か用事があったのじゃないか?」
そう、コーヒーに特別にこだわっていた訳じゃない。
あれは、ハニが淹れたコーヒーがオレの口に合っただけで、ハニが淹れたコーヒーが好きだっただけだ。

「社員のチョ・ダニエルが、無事に子供が産まれて母子とも元気にしている事を伝えて欲しいと今朝あった時に言っていた。」
「別に・・・・医師として、専門外でもここで休ませて連絡を取っただけだ。オレは何もしていない。」
表情は変えていない。
大丈夫だ、ウンジョにオレの心の中を見透かされることはないから。
「ダニエルは、ハンダイにとって大事な写真だから、その家族が具合が悪くなった時は、ちゃんと他の人と変わらずに診てくれるよね。」
「当たり前だろう、オレは医者だから病気や怪我をした人を診るのが仕事だ。何が言いたいのだ?遠まわしに言わないで、ストレートに聞けばいいだろう。」
そんな言い方をウンジョにするつもりはないが、オレはこんな言い方しか出来ない。
だから、ハニを傷つけヘラも傷付けた。
誰に対して本心を言えばいいのかも判らず、冷たく突き放してはいけない人には突き放して、言わなくてもオレの行動が理解できる人には気を使って。
ヘラは、オレの行動を理解していたのか?
理解していると思っていただけじゃなかったのだろうか。

「ダニエルの妻がハニだと・・・・・・気が付いていたよね?」
「まぁ・・・パラン大でも会ったし、痩せているとはいえあの頃からハニは変わっていないから。それに、名前を聞いたら、ちゃんと応えたし・・・・だけど、ハニはオレの事には気が付いていなかったけどな。」
どんなに遠く離れていても、オレを見つけ出していたハニが、オレ以外の男を好きになって結婚するとは思ってもいなかった。
それは、それで良かったのかもしれないが、あの時のハニの顔を見ると後悔してももうどうしようもないのだと自分の奥にある思いに言い聞かせていた。
「ハニの事、諦めたの?」
「諦めたとか、諦めないじゃない。運命があるのならこれがオレの運命だったのだ。オレには結婚生活は向いていなかったと言うだけだよ。もうすぐ、アンダーソン夫人が点滴に見える。悪いが、話は今夜仕事を終えてからにしてくれないか?」
「そだね・・・・オレも仕事に戻るよ。」

医務室を出て遠ざかって行くウンジョの足音を聞きながら、スンジョはここに運ばれて来たハニの顔を思い出していた。
済州島に来た時にこの医務室との連携の話しと自分の身体を診察してもらうために訪れた総合病院で会ったハニの、妊娠によってなのだろうか少しふくよかになった姿を思い出していた。
いつも自分の名前を呼んでくれたあの声で『主人』と言った時の、ハニのあの声と顔が遠く感じた。
戻る事のない昨日ではなく、行かなければ行けない明日に、少しづつ少しづつ前に踏み出して行くんだよと、オレに言っていたような気がした。







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今でも 154

ハニと一緒に、保育器の中に入っているスンハを見ると、お母さんはどんな気持ちでオレを見ていたのかと考える。
まだ高校生。
どれだけ不安になっていただろう。
もしかしたら産まれなかったかもしれない。
普通の高校生のように、友達と甘い物でも食べて家に帰りたいのを、お腹が目立ち始めた時はどうしていたのかと思うと、可哀想な気持ちになって来る。
留学生だったお父さんは、留学先の国の高校生の女の子と付き合うのなら、もっと考えて付き合えば良かったと思う。

初恋の人がお母さんだと知ったのは、最後に会った5歳の時だった。
時々キョンエ園に来て、いつもオレに本を読んでくれた綺麗なお姉さん・・・・今度いつ来てくれるのかな?
帰って行くと、その人がいつも座っていた木陰を見ては来る日を考えていた。
読んでくれていた本は、オレの父親から貰ったものだと思う。
いつもお母さんが読んでいたページは同じ所ばかり。
オレと最後に会った日にその本をくれたけど、5歳の子供にはとても読める物じゃなかった。
全部英語だった。
あのページは、お父さんと付き合っていた時の思い出のページだと思う。

「ダニエル・・・見て・・スンハが欠伸をしている。」
「寝ているのに、まだアイツは眠いのだろうか?」
ハニがどうしてスンハと名前を付けたのか、オレには判る。
昔お前を傷付けた男で、ハンダイの社長の兄。
あの医務室にいた男の事が、まだ心のどこかにあるのだろうか?
妊娠したとハニから聞いた時、一瞬疑ったのは事実だ。
ソウルに来て、オレはすぐに仕事を見つけたから、傍にいる時間は少なかった。
宿の女将さんにジェウクを預けて、出掛けた事を聞いた。
あの男に会ったのかと思ったけど、ハニは隠し事が出来ないし、それを聞いた時に会っていたと言われるのも怖くて聞けなかった。

良かった。
スンハは間違いなくオレの子供だと判る顔をしている。
「スンハの髪の色・・・ダニエルと同じだね。明るい髪の色で・・・・授乳のときに目の色も見ようと思ったけど、ほとんど目を瞑っていて見えなかった・・・・・」
「目の色も、オレと同じだよ。」
オレと似ているスンハは、オレが育った時のように寂しい思いをさせたくない。
「そう言えば・・・・私、こっちに搬送される前に保養所の医務室の先生にお礼を言っていなかった。」
「そうだな、明日保養所に行った時にオレが言って来るよ。」
「ダニエルが言ってくれても、やっぱり私も言わないといけないと思う。」
「いいったら!!」
「・・・・・」
「ゴメン、オレが言っておけばいいだろう。別に治療をしたわけじゃないし、こっちの先生に連絡を取ってくれただけだから。」
「そうだね・・・無事に産まれました・・・ってダニエルが言うだけでいいね。」
声を荒げて言うことも無かった。
間近で見た、ハニが昔好きだった男に、オレは嫉妬しているのかもしれない。






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