大好き!<イタズラなKiss>

韓国版イタズラなKissが大好きです。 切ないお話しか書いていないので、お好みではない方はスルーしてください。

2016年04月

今でも 65

ダニエルと一緒に最終列車に乗ると、車内は毛布を肩に掛けて眠っている人ばかりだった。
知らない人と一度きりの関係を持って、自分をとことん傷つけたいと思っていたのに、いざとなったらそんな勇気はなくなっていた。
「荷物はないの?」
「・・・・・・」
何も話さない私に、ダニエルはしつこく聞いたりはしなかった。
二人掛けの椅子の前後を向い合せにして、私に座るように合図をしてくれたけど、私はその場所から離れた所に座ろうとした。
「女の子の一人旅は危ないよ。特に夜眠っている時は、ヤバい奴らに狙われやすい。オレを用心棒だと思って、ここに座りなよ。」
どうにでもなれと思っていた割に、知らない人と隣同士に座るのは嫌だったけど、寝てしまっても私に何かするような人には見えなかった。

「何もしないよ。初めて会った女の子と、その場限りの関係なんてさ・・・好きじゃないんだ。君が思っている事がそうならだけどね・・・・好きでもない女の子とはしないから。」
口に出して言ってはいなかったけど、ずいぶん経ってからダニエルに言われた。
一度きりの関係をして、自分で自分を傷つけようと思っているように見えたと。

「ほら、綺麗じゃないけど枕変わりだ。カバンの上に足を乗せてもいいよ。座って眠るよりも、向かい側の座席に足を乗せて・・・これも掛けて。」
手慣れた感じで、向かい側の座席との間にカバンを置いて、まるでベッドの様にして私をそこで楽な姿勢で眠るようにしてくれた。
ダニエルは長い足を向かい側に乗せると、自分が来ていたコートを私に掛けてくれて、自分はパーカーのフードを被り、棚の上の毛布を私と自分の上に掛けた。
「余分に毛布は置いていないから、ふたりで一つだ。チョッと匂いがあるけど、毛布が無いと明け方冷えるから。でもさ・・・この方が温かいから・・・・眠れなくても目だけを瞑っていれば身体は休める。」
男の人と同じ布団で寝たのは、スンジョ君とダニエルだけ。
スンジョ君と同じ布団で眠った時も、緊張をしていたけどそれとは違う緊張があった。

思いつきで飛び出して、知らない人と知らない土地に行く。
片道分の料金だけしかなかったから、もう帰る事が出来ない。
この先の事がどうなるのかも判らないから、眠れることはないと思っていた。
毛布を掛けてから暫くすると、ふたりの体温で身体が温まると、眠れないと思っていたのに、知らない間に眠ってしまっていた。


早朝に終点の駅に付くと、ダニエルに起こされて一瞬そこがどこなのか判らなかった。
一瞬だけじゃない。
小さな駅の古びた駅舎。
冷たい空気が、ソウルの朝の空気よりも冷たかった。
駅前に商店があっても、萬屋みたいな店でコンビニどころか自販機も無かった。
改札を出ると、駅前のバス停に書いてある地名を見ても、一度も聞いたことも無ければ見たことも無い地名。
地図にも載っていないその村は、今まで自分が住んでいた所とは比べ物にならないくらい何もない所だった。







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今でも 64

嘘つき!
嘘つき・・・・ハニの嘘つき・・・
本当は今でもスンジョ君が大好きで、一度も忘れた事が無いのに
いつからこんなに平気な顔をして嘘が付ける様になったの?
ダニエルが好きになったのは、スンジョ君と似ていただけじゃないけど、ダニエルに愛されていても、いつも心はスンジョ君の所に行っていた

10年前のあの日と同じ、このバス停からバスに乗って駅に向かった。
駅の券売機の前で行く当てもないのに、ここから一番遠い所に行こうと思っていた。
着の身着のまま、手持ちのお金もそれほどなく、ATMでお金を引き出すことも無く片道分の切符を買おうと思った。
路線図に乗っていない所で、持ち金で行ける一番遠い所に行こう。

「どちらまで?」
対人窓口で切符を買う事にした。
「このお金全部で行けるところまで・・・・・」
受付けてくれた人は、怪訝な顔をして私を見ていた。
「大丈夫です、変な考えはありませんから。リフレッシュしたいだけですから。」
一応笑顔で話してはいたけど、顔は引きつっていたに違いない。
「座席指定にしますか?」
「いえ・・・・最終列車の自由席で。」
まだあの時は迷っていた。
本当に、何もかも捨ててここを出て行っていいのかと。
ホームのベンチで何時間も座っていたから、駅員の人が時々声を掛けていたけど、知らない間に隣に誰かが座っているのに気が付いた。

顔を上げる事はしないで、その人の足元を見るとGパンを履いた男性。
足だけを見て背の高い人だと判った。
スンジョ君よりも足が長かったから。
「ねぇ・・・・ずっと君の横にいるけど、次の電車が最終だよ。どこまで行くの?」
ナンパ・・・だと思った。
もうどうなってもいいから、このナンパ男と一度きりの関係を持ってしまってでもいいから、自分をとことん傷つけてしまいたかった。
「次のに乗るわ・・・付き合わなくてもいいから。」
「付き合うつもりはないし、オレも最終で帰るから声を掛けただけ。」
少し鼻にかかった声がスンジョ君と似ていた。
まさか、スンジョ君?
そう思って顔を上げたら、明るい瞳の色に明るい髪の色。
外人とは違う、でもアジア人でもない。

「行く所が無かったら、オレの帰る所に行く?別に変な意味でもないよ。オレ・・・孤児なんだ。ソウルで仕事をしてお金が貯まったから、孤児院に帰るんだ。」
それがダニエルとの出会いだった。







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今でも 63

「オレはこれから夜勤だから、どこかで軽く食事をしてから病院に行くけど、ハニはどうする?」
一緒に食事でもしようかと言えばよかったのかもしれない。
「それは出来ない・・・」
「どうして?」
「スンジョ君はヘラと結婚をしているし、私も夫がいる身だから二人だけで食事をすることはいけない事。もし、私がスンジョ君と一緒に食事をしているのをヘラが見たら・・・・・私みたいに流産をしてしまうよ。」
どうも今朝から色々な人にヘラの体調を聞かれるからおかしいと思っていたけど、まさかハニはヘラが妊娠していると思っているのか?
「ヘラが妊娠しているって、誰かに聞いたのか?」
「さっきそう話していた人がいたから・・・・違うの?」
違うも何も、オレのいない所で話が出ていてオレはヘラから何も聞いて手いない、とはハニに言って何の意味があるのか。

「スンジョ君、夜勤があるのなら、何か食べたらどこかで休まないと。私は家で留守番をしている子供がいるから・・・・・」
「遅れないけど、タクシーを呼ぼうか?」
「いらない・・・・・バスで帰るから。」
タクシーで帰って、後からスンジョがどこまで乗って行ったのか調べてしまうかもしれない。
10年間会うことなく避けていたのに、時が経ったからスンジョへの想いが薄れたのか、それとも本当にスンジョへの想いが消えたのかと考えれば、そのどれでもないのかもしれない。
大人になったから自分の心の中を隠すことが出来るようになったのだ。
ハニを心配そうに見ながら、大学の構内を歩くと学生たちがスンジョがヘラ以外の人と歩いているのを見て、ヒソヒソと話していた。

「スンジョ君・・・ここでいいわ。お互い相手がいるのだから、その相手と違う人と歩く事はいけない事だと思う。バカな私でも、バス停の場所は確認をしているわ。」
スンジョもハニの顔を見て、昔とは随分と変わったのだと思った。
顔に考えている事がすぐに表れるハニだったが、今は考えている事が全く分からなかった。
「また会えるかな?」
「もう会わないわ。」
「会わない?」
「はっきり言うと、10年前にスンジョ君がヘラとお見合いをした時に、死にたいくらいにショックだったけど、スンジョ君の前から逃げて遠い所にいたけど、案外スンジョ君の姿を見ない生活があると、忘れちゃうみたいね。もう、スンジョ君とは会うことはないけど、ヘラを大切にして幸せな家庭でいてね。私も、流産したショックはまだ消えないけど、彼との子供を考えているの。」
「彼との子供って・・・あの男の子は、お前の子供じゃないのか?」
「ジェウクは、預かっている子供なの。親が見つかったら返すの・・・・・もう行くね。」
「おじさんに、会いに行けよ。」
「今は会えない・・・・もう少し太って元気なころの私になったら会いに行く。スンジョ君のおばさんとおじさんにも、元気になったら会いに行くね。」

もうあの頃のハニではなかった。
いつもスンジョばかりを追いかけて見ていたハニは、もうここにはいない。
新しい自分になって、知らない間に結婚をしていたハニは、もしかしたらオレよりも早く過去を切り捨てられたのかもしれない。
ハニ・・・・
お前がいなくなってからはっきりと判った。
オレの横にいる人はハニだ、ハニしかいないと。
ヘラとは考えが似ていると思ったが、全く思い違いをしていたのかもしれない。
オレと考えが似ているのは、本当はハニだったのかもしれない。
自分の想いを封じ込めて、新しい未来を見て行くことが先に出来たお前をオレはこの先も忘れない。
お前の好きな言葉で言うのなら、生まれ変わって出会う時があったら、ちゃんと言うよ。
お前が好きだ、お前しかいないと。

腰よりも長く伸びたハニの髪の毛が、太陽の光に当たって黄金色に輝いていた。






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今でも 62

顔を上げたハニは、青白く肌の色はこんな色なのかと思うほどだった。
「どうした?」
「人が沢山いる場所に出たのは随分と久しぶりで疲れたのと、スンジョ君を応援している人の勢いに圧倒されて・・・」
見た目に痩せていて昔の面影よりも大人っぽいハニだったが、話すと昔と変わらないハニのままだった。
スンジョの姿見たさに影から見ているうちに、ヘラとの約束はすっかりと忘れていた。
ダニエルと過ごしている間、一度もスンジョを忘れたことはなかったが、ダニエルとの生活も決して不幸ではなく、それはそれで幸せだった。

「水分補給とかはしているのか?」
ハニが横に首を振ると、絹糸のように細くて長い髪が風と一緒にスンジョの顔に触れる。
「ううん・・・・すぐに帰るつもりだったから、何も飲んでいない・・・」
「オレのだけど、飲んでいないから飲むといい。水分補給に良いドリンクだ。」
スンジョらしく、あまり冷やしていないが、一口口に含むと、身体に沁み込んでいくのが判る。
独りでここに来たのだろうか?
あの時いた明るい髪の背の高い男も、5歳くらいの男の子の姿も無い。

ハニの横に置かれているダニエルのスーツが入った箱を見れば、誰がそれを見ても男物が入っていると判る店名が書かれていた。
「旦那さんのか?」
「うん・・・仕事が見つかって暫くこっちにいるの。」
電話でほんの一言だけ話した時は、お互いに緊張していたのか思った事を話せなかった。
こうして目の前で見ると、ハニはあの頃の子供っぽさは無くなり、自分から去って行ったからなのか、それとも結婚をして幸せになったからなのか大人の女性になっていた。
ハニから見るスンジョは、男らしくなって以前よりもさらに素敵な男性になっているが、初めて出会った高校生の時よりもさらに心の中を見せない瞳になっていた。

「ちゃんと食べているのか?」
「食べているけど、食が細くなって・・・量を食べる事は出来ないの。」
「旦那はハニが痩せてもなんとも思わないのか?」
「ダニエルは、そんな人じゃないわ。スンジョ君とは違うわ。」
ダニエル?
どこかで聞いたことがある名前だけど、どこだったのか・・・・変わった名前ではないから、そう思うのだろうか。
「外人と結婚したのか?」
「韓国人よ・・・・正確にはハーフなの。」
だから明るい髪の色をしていたのか・・・・・あの時見た子供は、遠目から見ても白人系の血が混じっている顔には見えなかった。
ハニが幸せならそれでいいが・・・・
「こっちに暫く住むのなら、おじさんに会って来たのか?」
「スンジョ君、さっきから聞いてばかりね。」
「そうだったか?」
ワンピースの襟元から見える鎖骨がこれほど見えるのは、ハニがかなり痩せているからなのだろう。
そこから見える胸元に目を背けなければいけないのに、目がそこに行ってしまう。
鎖骨が浮き出るだけではなく、ろっ骨も見えるくらいに痩せている。
昔から福与かな胸ではないが、痩せすぎじゃないか。

ハニはスンジョの視線に気が付いたのか、胸元を手で押さえた。
「やだ・・・お互いに結婚しているんだし、変な事を考えないで・・・・」
「そう言うわけじゃ・・・・痩せすぎだろう。」
「判ってる・・前に流産をしてから、精神的に不安定になっているの。」
流産・・・
その言葉を聞いた時に、ハニはもうオレ以外の男を愛する事が出来る様になっていた事に気が付いた。






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今でも 61

模範試合と言ってもいい加減な気持ちではなくやらないスンジョに、テニス部員は完敗だったが試合の相手に選ばれた事に笑顔を見せていた。
挨拶を交わしてベンチに引き揚げると、見物している人たちがスンジョを近くで見たいからと移動をして来た。
「ペク先輩お疲れ様でした。タオルをどうぞ・・・・」
「ありがとう。」
タオルを持って来たテニス部員からそれを受け取ると、自然に礼の言葉が出て来る。
昔のスンジョを知らない後輩のテニス部員たちは、その言葉の大切さは知らないし何も気にすることなく聞き流していた。

「先輩・・・ちょっとお聞きしてもいいですか?」
「どうぞ・・・」
「先輩の事を聞いたわけではないのですが、トップスピンの名前を知っている人と会ったのですけど・・・・・」
トップスピンの名前はテニス部員以外知らない。
その名前が出たのならテニス部に在籍していた人だろう。
「その聞いて来た人が、ずっと先輩の試合を見ていましたよ。」
その言葉を聞いた瞬間に、それはハニだと思った。
あの頃の事を思い出したにしても、OBならコート付近のベンチで座るはずだ。
振り返って自分を見ている人たちの方を見るが、その中にはハニはいない。

「先輩・・・・あの木の下のベンチにいる人ですよ。」
ベンチに座っているその人は、具合が悪いのか身体を横に倒しているが、間違いなくハニだとスンジョには判った。
明るい栗色の髪が顔に掛り見えなく、昔よりも随分と髪が長くなっているが、顔に掛る髪の毛の隙間から見える鼻とおでこはハニだ。
「なんだか具合が悪いみたいですね。僕があった時も、病人みたいに随分と青い顔をしていましたよ。」

「診て来るよ。」
持っていたタオルをそのテニス部員に渡すと、持って来ていた飲料水と乾いたタオルをカバンの中から取り出し、ハニが横になっているベンチに急いで走って行った。
具合が悪そうにしているハニの所の行くスンジョに、医師としてその人を見るのだと思っているのか、見物をしている人たちは後を付いていくことはなかった。



ハニの傍に行くと、気を失っているのか、それともただ動かないだけなのか判らなかった。
崖の上から見かけたハニは、遠目にも昔よりは痩せてはいたが、傍にいた背の高い男と幸せそうに話していた。
今目の前にいるハニは、その時よりも痩せて見えるが、痩せて見える事よりも額に玉のような汗を掻いている方が心配だった。
手を伸ばせば、ハニの身体がそこにあるが、触れてはいけないような気がする。
触れてしまえばその身体を抱きしめて離したくない。
だが、医師として具合の悪い人を置いたままにはして行けなかった。
「ハニ・・・・ハニ・・・・・」
スンジョの問いかけに、ハニは目を開けてゆっくりと体を起こした。

「スンジョ君・・・・」






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