他事が気になって仕方がないと言う事は今までなかったが、マ・ドンスン刑事から、ハニの携帯の電波が一瞬拾えたと言う連絡があったせいか、仕事に集中が出来ない。
診察は、怪我の治療で重篤な症状でもないから心配ないが、オペは少しのミスで大変なことになる。
集中が出来ない理由が、プライベートな事で、それもヘラにも言えない事だから余計にそうなのかもしれない。
「電話を掛けて来る・・・・」
「おぅ・・判った。」
スンジョは、ハニの携帯の電波が一瞬でも拾えたのなら、番号が変わっていないと言う事だと思い、こちらからハニの携帯に電話を掛けて見る事にした。
この10年間の間、電話を掛けなかったわけではない。
ハニが行方不明になって何年かは掛けていたが、電源が切れた状態で繋がる事が無かった。
いつかけても繋がらない事に諦め、警察の捜索依頼に頼るだけだった。
自分が蒔いた種であることが判っているから、自分の気持ちを封じ込めてヘラとの生活をしていた。
ハニへの思いに気が付いたのなら、ヘラを騙して一緒に生活をしていてはいけないと思っていても、何が邪魔しているのか本心をどうしてもいう事が出来なかった。
スンジョの携帯に登録をしてある、ハニの番号を押すのにも、これほど勇気がいるのかと思うくらいに直ぐに指が動くかなかった。
午後のオペの打ち合わせに遅れる訳にはいかない。
今、電話が繋がるのかどうかも判らなし、ハニの事だから携帯の番号を削除したりしていない限り、電話に出るはずだとは判っていた。
どうしても会いたい。
でも会ってどうするのか?
自分は妻帯者で、もしかしたらハニも10年の間に誰かと結婚をしたかもしれない。
そうなると、もうどうにもならない事だと思う事が、スンジョが電話を掛けるのを迷わせているのかもしれない。
ギドンとジュングもずっと探しているが、そんな話も聞いていないから、ハニまだ誰かと結婚していないと思おう。
スンジョはハニの電話番号を押した。
が、ハニの携帯から聞こえたのは、何年か前と同じ電源が入っていないと言う案内メッセージだった。
残念な気持ちもあったが、携帯の番号が変わっていないと言う事と、ハニが確かに存在していると言う事だけは確認が出来た。
掛るなら、留守番メッセージに伝言を入れておけば、ハニはそれを聞くはずだろうし、スンジョを避けていても電話が掛って来ていることは知るはずだ。
「ハニ、元気か?おじさんは元気だけど、あれから10年経った。年老いて行く親にだけは連絡をしてやれよ。それと、お袋も・・・・・・」
たったそれだけしかメッセージを入れる事は出来なかった。
メールでもメッセージを送ろうと思ったが、メールアドレスは変更されて送信をすることは出来なかった。
後は、明日の当直明けに警察に行って、ハニの僅かな情報をマ・ドンスン刑事に確認をしてから、今後の事を考える事にした。

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診察は、怪我の治療で重篤な症状でもないから心配ないが、オペは少しのミスで大変なことになる。
集中が出来ない理由が、プライベートな事で、それもヘラにも言えない事だから余計にそうなのかもしれない。
「電話を掛けて来る・・・・」
「おぅ・・判った。」
スンジョは、ハニの携帯の電波が一瞬でも拾えたのなら、番号が変わっていないと言う事だと思い、こちらからハニの携帯に電話を掛けて見る事にした。
この10年間の間、電話を掛けなかったわけではない。
ハニが行方不明になって何年かは掛けていたが、電源が切れた状態で繋がる事が無かった。
いつかけても繋がらない事に諦め、警察の捜索依頼に頼るだけだった。
自分が蒔いた種であることが判っているから、自分の気持ちを封じ込めてヘラとの生活をしていた。
ハニへの思いに気が付いたのなら、ヘラを騙して一緒に生活をしていてはいけないと思っていても、何が邪魔しているのか本心をどうしてもいう事が出来なかった。
スンジョの携帯に登録をしてある、ハニの番号を押すのにも、これほど勇気がいるのかと思うくらいに直ぐに指が動くかなかった。
午後のオペの打ち合わせに遅れる訳にはいかない。
今、電話が繋がるのかどうかも判らなし、ハニの事だから携帯の番号を削除したりしていない限り、電話に出るはずだとは判っていた。
どうしても会いたい。
でも会ってどうするのか?
自分は妻帯者で、もしかしたらハニも10年の間に誰かと結婚をしたかもしれない。
そうなると、もうどうにもならない事だと思う事が、スンジョが電話を掛けるのを迷わせているのかもしれない。
ギドンとジュングもずっと探しているが、そんな話も聞いていないから、ハニまだ誰かと結婚していないと思おう。
スンジョはハニの電話番号を押した。
が、ハニの携帯から聞こえたのは、何年か前と同じ電源が入っていないと言う案内メッセージだった。
残念な気持ちもあったが、携帯の番号が変わっていないと言う事と、ハニが確かに存在していると言う事だけは確認が出来た。
掛るなら、留守番メッセージに伝言を入れておけば、ハニはそれを聞くはずだろうし、スンジョを避けていても電話が掛って来ていることは知るはずだ。
「ハニ、元気か?おじさんは元気だけど、あれから10年経った。年老いて行く親にだけは連絡をしてやれよ。それと、お袋も・・・・・・」
たったそれだけしかメッセージを入れる事は出来なかった。
メールでもメッセージを送ろうと思ったが、メールアドレスは変更されて送信をすることは出来なかった。
後は、明日の当直明けに警察に行って、ハニの僅かな情報をマ・ドンスン刑事に確認をしてから、今後の事を考える事にした。

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