ここの占いは当たると、高校2年の時に雑誌で取り上げられクラスの中でも一度は行って見たいと、女の子同士話していた。
ただ、占いをするためには相談料が必要だと言う事で、高校生には行くことは出来ない。
運がいい事に、私ファン・グミはお金には困らない。
自分を溺愛・・・・とまでは行かないが、必要なお金は何も聞かないでお父様から貰う事が出来た。
何も聞かないと言うのは、取引先との接待で留守がちになる両親が、急にいることがあってはいけないからと、一般の家庭よりは多くお小遣いとして与えてくれた。
あの時は、ルミ姉さんが亡くなってもファン家に婚約者として、よく来ていたスチャンさんの気持ちを知りたかったから。
占い師のポルさんは少し怖い顔で、例えれば童話に出て来る魔法使いのおばあさんのような感じがした。
水晶玉に両手を翳して、呪文のような言葉を唱えていた。
「グミさん・・・・」
「はい!」
「今想い人はいるのではないかな?」
「判ります?」
「相に表れている・・・その人と結婚をしなければいけない。」
しなければいけないと言われて、どうして命令口調で言うのか不満だった。
その言葉を聞いて、運命と言うのは本当にあるのだと知ることが出来た。
「300年・・・・・いや・・この悲しい運命はその前600年から続いている。600年前の占い師が、運命の二人が結ばれるのは600年後と告げた。その600年後とはあなたが結婚して子を授かった年になりこの世に誕生した時になる。同じ年ではないがさ程離れていない生まれた月の子供が出会って様々な出来事に遭いようやく600年前の願いが叶う事になる。」
その占いで告げられた言葉は、当時はバカバカしくてあまり気にもしなかった。
高校2年のあの頃は、長い間亡くなった姉を想い、結婚もしないスチャンが気になり、幼い頃からその容姿ではなく、温かい笑顔で姉を見つめているスチャンに対して芽生えた幼い恋の様な物だった。
グミは勉強は特に成績が悪いわけではないが、あまり熱心にするタイプの娘ではなかったが、新しい事や人の恋愛の仲立ちをすることが不思議と得意だった。
時々行き過ぎた行動をしてしまうのは、両親にとって頭の痛い所ではあるが、ルミの妹でグミの姉のユミとレミが言い出したら聞かない所があるから、それを見て育っているのなら仕方がない事だと思われていた。
留守がちな親がいない日の夜にスチャンの家に泊まり、何事もなかったことは両親はスチャンを信じているから判ってはいたが、グミの隠さないスチャンへの想いと、亡くなった自慢の娘から頼まれた事を守ってあげたかった。
これ以上問題を起こされては困ると、大学に行かせることなく高校を卒業してそのままスチャンと結婚をした。
まだ19歳の若い年で、子に恵まれ心が落ち着いて行くだろうと思ったのはただの思い込みで、待望の男の子が生まれたのにもかかわらず、女の子の服を着せて玩具のようにしている事に、この先その子供の行く末を信じていた。
久しぶりに見る占い師ポルは、何の悩みも感じられないグミよりも、女の子の服を着せられた綺麗な顔をしているその赤ちゃんが気になった。
「ポル先生・・・・この子が600年前の願いの子供ですよね。夫から扇錘と木刻粧刀をいただいたの。これなんですけど・・・・・ペク家の長男が受け継ぐものだそうです。でもよくも続きましたわよね・・・600年も・・・・・その間に男の子が生れなかった年もあったのに・・・・・私としては嬉しくないですけど、一番気になるのはその相手の女の子が生まれたのかどうかが気になって。」
話し出したら止まらないグミに、ポルの眉間に深いしわが作られた。
「ちょっと静かにしてくれないかい?水晶の玉に邪念が表れている。」
クスッと笑ってグミは手で口を覆った。
「今月中に生れる・・・・・明るくてとても心の優しい可愛い女の子が生まれる。」
伝説の様なペク家に伝わる悲しい恋の話は、グミは結構好きだが、それが現実になる事にグミの余計な考えが芽を出し始めた。

人気ブログランキングへ
ただ、占いをするためには相談料が必要だと言う事で、高校生には行くことは出来ない。
運がいい事に、私ファン・グミはお金には困らない。
自分を溺愛・・・・とまでは行かないが、必要なお金は何も聞かないでお父様から貰う事が出来た。
何も聞かないと言うのは、取引先との接待で留守がちになる両親が、急にいることがあってはいけないからと、一般の家庭よりは多くお小遣いとして与えてくれた。
あの時は、ルミ姉さんが亡くなってもファン家に婚約者として、よく来ていたスチャンさんの気持ちを知りたかったから。
占い師のポルさんは少し怖い顔で、例えれば童話に出て来る魔法使いのおばあさんのような感じがした。
水晶玉に両手を翳して、呪文のような言葉を唱えていた。
「グミさん・・・・」
「はい!」
「今想い人はいるのではないかな?」
「判ります?」
「相に表れている・・・その人と結婚をしなければいけない。」
しなければいけないと言われて、どうして命令口調で言うのか不満だった。
その言葉を聞いて、運命と言うのは本当にあるのだと知ることが出来た。
「300年・・・・・いや・・この悲しい運命はその前600年から続いている。600年前の占い師が、運命の二人が結ばれるのは600年後と告げた。その600年後とはあなたが結婚して子を授かった年になりこの世に誕生した時になる。同じ年ではないがさ程離れていない生まれた月の子供が出会って様々な出来事に遭いようやく600年前の願いが叶う事になる。」
その占いで告げられた言葉は、当時はバカバカしくてあまり気にもしなかった。
高校2年のあの頃は、長い間亡くなった姉を想い、結婚もしないスチャンが気になり、幼い頃からその容姿ではなく、温かい笑顔で姉を見つめているスチャンに対して芽生えた幼い恋の様な物だった。
グミは勉強は特に成績が悪いわけではないが、あまり熱心にするタイプの娘ではなかったが、新しい事や人の恋愛の仲立ちをすることが不思議と得意だった。
時々行き過ぎた行動をしてしまうのは、両親にとって頭の痛い所ではあるが、ルミの妹でグミの姉のユミとレミが言い出したら聞かない所があるから、それを見て育っているのなら仕方がない事だと思われていた。
留守がちな親がいない日の夜にスチャンの家に泊まり、何事もなかったことは両親はスチャンを信じているから判ってはいたが、グミの隠さないスチャンへの想いと、亡くなった自慢の娘から頼まれた事を守ってあげたかった。
これ以上問題を起こされては困ると、大学に行かせることなく高校を卒業してそのままスチャンと結婚をした。
まだ19歳の若い年で、子に恵まれ心が落ち着いて行くだろうと思ったのはただの思い込みで、待望の男の子が生まれたのにもかかわらず、女の子の服を着せて玩具のようにしている事に、この先その子供の行く末を信じていた。
久しぶりに見る占い師ポルは、何の悩みも感じられないグミよりも、女の子の服を着せられた綺麗な顔をしているその赤ちゃんが気になった。
「ポル先生・・・・この子が600年前の願いの子供ですよね。夫から扇錘と木刻粧刀をいただいたの。これなんですけど・・・・・ペク家の長男が受け継ぐものだそうです。でもよくも続きましたわよね・・・600年も・・・・・その間に男の子が生れなかった年もあったのに・・・・・私としては嬉しくないですけど、一番気になるのはその相手の女の子が生まれたのかどうかが気になって。」
話し出したら止まらないグミに、ポルの眉間に深いしわが作られた。
「ちょっと静かにしてくれないかい?水晶の玉に邪念が表れている。」
クスッと笑ってグミは手で口を覆った。
「今月中に生れる・・・・・明るくてとても心の優しい可愛い女の子が生まれる。」
伝説の様なペク家に伝わる悲しい恋の話は、グミは結構好きだが、それが現実になる事にグミの余計な考えが芽を出し始めた。

人気ブログランキングへ