「スンハ、オンマとアッパとお家に帰ろうね。」
ウツラウツラとしているスンハは 、ハニの声にわずかに頷いてまた目を閉じた。
点滴によって幾分熱は下がったが、知らない所でハニやスンジョに会えないと言うことがで精神的に参っていた。
チャイルドシートに座らせないで、後部座席にハニに抱かれて眠っているスンハは、一時もハニの服から手を離すことがなかった。
「スンジョ君・・・・・スンジョ君が会っていた人って・・・・キム・ドンウって言う弁護士さんでしょ?」
バックミラー越しにスンジョはハニを見ていた。
「知っているのか?」
「うん・・・・・・あの・・・・・スンジョ君に言わないと・・・私ね・・・・」
「会ったのだろ?イ・インウに。」
「知っていたの?」
「お前は、会うなと言っても会うヤツだと判っていたからな。」
怒っているだろうと思いながら、顔を上げてバックミラーに映るスンジョの顔を見るが、怒っている風にも見えなかった。
「インウって・・・・高校の時の・・・」
「それも知っている。顔は随分と変わったけど、あの頃はいつもオレの傍にいたし、1クラスの女子の中では一番の成績だったから。 」
何でもスンジョ君はお見通しなんだ。
でもインウがスンジョ君のことを好きだったのは知らないよね。
スンジョ君はそう言ったことには無関心というか、興味がないのだから。
家に着くころの時間をスンジョが連絡していたのか、門の前では心配そうに待っているグミとスチャンとギドンとウンジョがいた。
「ハニちゃん、お帰り。スンハの具合はどう?」
「まだ熱があって・・・・・その・・・・話すことが出来なくなってるんです。」
「まぁ・・・・こんなに小さいのに・・・どうして・・・おばあちゃんが悪かったわ。扉が閉まっていたから安心して、可愛いスンハをそこに置いて家に入ったから。」
グミが悪いわけではないことはスンジョもハニも判っていた。
暗証番号を開けなければ鍵は外れない。
スンハが覚えていたことが一番の原因なのだから。
ハニがスンハを抱き、スチャン達は荷物を持って家の中に入って行った。
スンハの部屋は、布団のカバーも洗い立ての物に変わり、体調を崩したスンハの為にグミは準備をしてくれていた。
「しばらくオレ達の部屋で寝かせよう。」
「いいの?スンジョ君、早くから一人で寝かせろって言っていたじゃない。」
「スンハの声が出ないのは、知らない所で知らない人といて、オレ達の所に帰ることが出来ないからと言う不安から来ている。スンハは幼いが、状況判断が出来る。他の子供みたいに、大きな声で泣いて家に帰りたいと言えば、心因性失声症にはならなか った。暫くはハニは仕事を休んでスンハに付いていてやれ。オレ達が傍にいるから大丈夫だと思えば、きっとすぐに話が出来るようになるさ。」
小さな娘の心の傷がそんなに簡単に癒せるはずはない。
自分がスンジョの言葉に従って、インウに会わなければスンハにこんな思いをさせずに済んだ。
「スンジョ君・・・・あのね・・・・・」
ハニが話そうと口を開いた時、スンジョは手でハニの口を塞いだ。
「スンハはオレと似ている。耳は聞こえているから、お袋に見てもらってから親父の書斎を借りて話そう。」

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ウツラウツラとしているスンハは 、ハニの声にわずかに頷いてまた目を閉じた。
点滴によって幾分熱は下がったが、知らない所でハニやスンジョに会えないと言うことがで精神的に参っていた。
チャイルドシートに座らせないで、後部座席にハニに抱かれて眠っているスンハは、一時もハニの服から手を離すことがなかった。
「スンジョ君・・・・・スンジョ君が会っていた人って・・・・キム・ドンウって言う弁護士さんでしょ?」
バックミラー越しにスンジョはハニを見ていた。
「知っているのか?」
「うん・・・・・・あの・・・・・スンジョ君に言わないと・・・私ね・・・・」
「会ったのだろ?イ・インウに。」
「知っていたの?」
「お前は、会うなと言っても会うヤツだと判っていたからな。」
怒っているだろうと思いながら、顔を上げてバックミラーに映るスンジョの顔を見るが、怒っている風にも見えなかった。
「インウって・・・・高校の時の・・・」
「それも知っている。顔は随分と変わったけど、あの頃はいつもオレの傍にいたし、1クラスの女子の中では一番の成績だったから。 」
何でもスンジョ君はお見通しなんだ。
でもインウがスンジョ君のことを好きだったのは知らないよね。
スンジョ君はそう言ったことには無関心というか、興味がないのだから。
家に着くころの時間をスンジョが連絡していたのか、門の前では心配そうに待っているグミとスチャンとギドンとウンジョがいた。
「ハニちゃん、お帰り。スンハの具合はどう?」
「まだ熱があって・・・・・その・・・・話すことが出来なくなってるんです。」
「まぁ・・・・こんなに小さいのに・・・どうして・・・おばあちゃんが悪かったわ。扉が閉まっていたから安心して、可愛いスンハをそこに置いて家に入ったから。」
グミが悪いわけではないことはスンジョもハニも判っていた。
暗証番号を開けなければ鍵は外れない。
スンハが覚えていたことが一番の原因なのだから。
ハニがスンハを抱き、スチャン達は荷物を持って家の中に入って行った。
スンハの部屋は、布団のカバーも洗い立ての物に変わり、体調を崩したスンハの為にグミは準備をしてくれていた。
「しばらくオレ達の部屋で寝かせよう。」
「いいの?スンジョ君、早くから一人で寝かせろって言っていたじゃない。」
「スンハの声が出ないのは、知らない所で知らない人といて、オレ達の所に帰ることが出来ないからと言う不安から来ている。スンハは幼いが、状況判断が出来る。他の子供みたいに、大きな声で泣いて家に帰りたいと言えば、心因性失声症にはならなか った。暫くはハニは仕事を休んでスンハに付いていてやれ。オレ達が傍にいるから大丈夫だと思えば、きっとすぐに話が出来るようになるさ。」
小さな娘の心の傷がそんなに簡単に癒せるはずはない。
自分がスンジョの言葉に従って、インウに会わなければスンハにこんな思いをさせずに済んだ。
「スンジョ君・・・・あのね・・・・・」
ハニが話そうと口を開いた時、スンジョは手でハニの口を塞いだ。
「スンハはオレと似ている。耳は聞こえているから、お袋に見てもらってから親父の書斎を借りて話そう。」

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