スンジョのその言葉は、インウに言ったのかサンウに言ったのか。
今はサンウの可能した傷の治療に来ている。
サンウが、スンジョの向かい側の椅子に座るとその足にまかれている包帯を外し始めた。
「消毒薬で少し濡らしますから冷たいですよ。」
スンジョの声は優しくて、昔の片想いだった時の感情が湧き始めて来た。
サンウの傷はインウによってつくられた傷。
あのときの事はサンウは父であるドンウの前では覚えていないと言っているが、本当は覚えている。
いつも自分を可愛がってくれる母が、全く自分のことなど忘れてしまったと言う表情で見ていた。
「先生・・・・娘の傷は綺麗に治りますか?」
「化膿していますからね・・・・・多少の傷跡は残ると思います。あと・・・・担当ではありませんが、お母さんは抜糸したその後はどうですか?」
覚えていてくれた・・・・・私の事を覚えていてくれた。
「ええ・・・おかげさまで綺麗に治りました。ありがとうございます。」
頭を下げて何気なく見ると、インウはスンジョの左の薬指に気が付いた。
指輪をしている。
そうよね、私達28歳になったんだもの結婚位しているわよね。
「どうかされましたか?」
「先生・・・・ご家族は・・・・・・」
不思議そうな顔をしている。
あの、ペク・スンジョに表情がある。
「妻と娘がいます。それがなにか?」
「いえ・・・・サンウの傷を綺麗にしてくださったので、何かお礼をと思いまして。」
「仕事ですから。」
その一言はインウにとって、突き放されたように感じた。
「次の予約日は来週の水曜日で良かったですね。」
「他の曜日は・・・・あの私学校のテスト期間で。」
「そうか、君は中学生だったね。」
あの彼が、こんなににこやかな表情で子供と話してくれるなんて、こんな風に変えた奥さんはきっと素敵な人なんだろうな。
大好きだったペク・スンジョが結婚して子供もいるなんて。
会ってみたい。
彼の奥さんと子供に。
インウとサンウはスンジョの診察室から出て来た時は、お昼近くになっていた。
パラン大病院はいつも混雑している。
会計の待ちも、大勢の人がロビーで時間を潰していた。
「ママ?どうしたの?私の治療の時から急に話さなくなっ。気分でも悪いの?」
「大丈夫よ・・・・チョッと疲れただけ。ねえサンウ。」
「なあに?」
「妹・・・欲しい?」
サンウは首を横に振った。
「どっちでもいいわ。ママが薬を沢山飲んでいるから、兄妹は出来ないとパパに聞いたわ。」
そうだよね。
薬の量が減らないと、兄妹なんて望めなかった。
「インウ?」
呼ばれて振り向くと、そこには小さな女の子を抱っこしているハニが立っていた。

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今はサンウの可能した傷の治療に来ている。
サンウが、スンジョの向かい側の椅子に座るとその足にまかれている包帯を外し始めた。
「消毒薬で少し濡らしますから冷たいですよ。」
スンジョの声は優しくて、昔の片想いだった時の感情が湧き始めて来た。
サンウの傷はインウによってつくられた傷。
あのときの事はサンウは父であるドンウの前では覚えていないと言っているが、本当は覚えている。
いつも自分を可愛がってくれる母が、全く自分のことなど忘れてしまったと言う表情で見ていた。
「先生・・・・娘の傷は綺麗に治りますか?」
「化膿していますからね・・・・・多少の傷跡は残ると思います。あと・・・・担当ではありませんが、お母さんは抜糸したその後はどうですか?」
覚えていてくれた・・・・・私の事を覚えていてくれた。
「ええ・・・おかげさまで綺麗に治りました。ありがとうございます。」
頭を下げて何気なく見ると、インウはスンジョの左の薬指に気が付いた。
指輪をしている。
そうよね、私達28歳になったんだもの結婚位しているわよね。
「どうかされましたか?」
「先生・・・・ご家族は・・・・・・」
不思議そうな顔をしている。
あの、ペク・スンジョに表情がある。
「妻と娘がいます。それがなにか?」
「いえ・・・・サンウの傷を綺麗にしてくださったので、何かお礼をと思いまして。」
「仕事ですから。」
その一言はインウにとって、突き放されたように感じた。
「次の予約日は来週の水曜日で良かったですね。」
「他の曜日は・・・・あの私学校のテスト期間で。」
「そうか、君は中学生だったね。」
あの彼が、こんなににこやかな表情で子供と話してくれるなんて、こんな風に変えた奥さんはきっと素敵な人なんだろうな。
大好きだったペク・スンジョが結婚して子供もいるなんて。
会ってみたい。
彼の奥さんと子供に。
インウとサンウはスンジョの診察室から出て来た時は、お昼近くになっていた。
パラン大病院はいつも混雑している。
会計の待ちも、大勢の人がロビーで時間を潰していた。
「ママ?どうしたの?私の治療の時から急に話さなくなっ。気分でも悪いの?」
「大丈夫よ・・・・チョッと疲れただけ。ねえサンウ。」
「なあに?」
「妹・・・欲しい?」
サンウは首を横に振った。
「どっちでもいいわ。ママが薬を沢山飲んでいるから、兄妹は出来ないとパパに聞いたわ。」
そうだよね。
薬の量が減らないと、兄妹なんて望めなかった。
「インウ?」
呼ばれて振り向くと、そこには小さな女の子を抱っこしているハニが立っていた。

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