無意味に大学の研究室に残っていても仕方がない。
久しぶりに他の連中は家でゆっくりと休みたいと言ってもう誰も残っていない。
ハニが何かしたわけではないが、ハニのすることなすことが今まで以上に気になっていた。
ただ今までと違うのは、どう対処していいのかが判らないと言うことだ。
からかったり意地悪な言葉をハニに言っていた時とは違う物のようだ。
「この研究室の鍵を返却する時間が過ぎているんですけど・・・・・・・」
「あぁ・・・・すみません。もう帰宅します。」
研究棟の管理人が、戻って来ない鍵を気にして見に来たのだろう。
建物から出て、学生駐車場に向かいながら、女子学生の笑い声を聞くとスンジョは彼らしくなく振り返ってそちらを見た。
女子学生はスンジョが振り向いたりしたことで、自分たちの事を気にしてくれたと思ってまた騒いでいた。
「スンジョ、お帰り。ハニちゃんが家に帰って来てから一度も部屋から出て来ないんだけど見て来てくれる?」
「昼寝でもしてるんじゃないか?」
「まぁ!冷たいわねぇ。家に帰って来た時に、何か思いつめていたみたいなの。」
「判ったよ。着替えるから様子を見てくるよ。」
お袋はハニの顔色の変化は読み取るが、オレのこの気持ちが何なのかも読み取っているのだろうか。
部屋のドアを開けて中に入ると、ハニは貸し出し用の練習キットを机の上に広げて考え込んでいた。
スンジョの気配に気が付くと、目を輝かせてスンジョの方を見た。
「お帰り!久しぶりに早く帰って来てくれてありがとう。」
まるで迷子になった子供が母親と会えたように嬉しそうな顔をしてスンジョに笑いかけた。
「何がありがとうだよ。採血の試験がクリアできなかったのか?」
「ど・・・どうして・・・どうして知っているの?」
「そこにあるものを見ればわかるだろう。自分の腕で練習をするのか?」
「ううん・・・・不器用だから自分の腕では出来ない。」
スンジョがシャツをまくって腕を差し出した。
「えっ?」
「オレの腕を使えよ。」
「いいの?」
信じられないと言った顔で見ているハニは、いつもオレが困るのは自分だと言っていたからだろう。
オレから助けると言ったことは今までに一度もないから。
「ほら・・・・オレの気の変わらないうちに練習をしろよ。」
恐々とスンジョの腕に触れるハニの手は、まるで片想いの女の子が 憧れの男の子の腕に触れるように緊張をしていた。
「腕が付かれる。ちゃんとオレの腕を持てよ。」
「だって・・・・・・恥ずかしいんだもん、スンジョ君の腕を触るのは。」
「何が恥ずかしんだ。オレ達結婚してるんだろ?腕を触るよりももっと恥ずかしいこともしているだろう。」
赤い顔をさらに赤くしているハニをからかうとやっぱり気持ちが晴れてくる。
がちがちに緊張をしているハニを見ていると、久しぶりに笑えて来そうだった。
「何を緊張してるんだよ。」
「だって・・・・スンジョ君の腕に針を刺すなんて・・・・恐れ多い・・・・・・・・。」
「恐れ多くてもいいから練習して、採決試験をクリアしないとな・・・・・。」
「うん・・・・・ギョルに頼んだら、本番に一回だけでいいって・・・断られたの。ギョルってね、いつも私とコンビを組むの。男の子が看護師になるなんて看護学科に行ってから知ったの。」
スンジョの表情が一瞬変わったことにハニは気が付いていなかった。

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久しぶりに他の連中は家でゆっくりと休みたいと言ってもう誰も残っていない。
ハニが何かしたわけではないが、ハニのすることなすことが今まで以上に気になっていた。
ただ今までと違うのは、どう対処していいのかが判らないと言うことだ。
からかったり意地悪な言葉をハニに言っていた時とは違う物のようだ。
「この研究室の鍵を返却する時間が過ぎているんですけど・・・・・・・」
「あぁ・・・・すみません。もう帰宅します。」
研究棟の管理人が、戻って来ない鍵を気にして見に来たのだろう。
建物から出て、学生駐車場に向かいながら、女子学生の笑い声を聞くとスンジョは彼らしくなく振り返ってそちらを見た。
女子学生はスンジョが振り向いたりしたことで、自分たちの事を気にしてくれたと思ってまた騒いでいた。
「スンジョ、お帰り。ハニちゃんが家に帰って来てから一度も部屋から出て来ないんだけど見て来てくれる?」
「昼寝でもしてるんじゃないか?」
「まぁ!冷たいわねぇ。家に帰って来た時に、何か思いつめていたみたいなの。」
「判ったよ。着替えるから様子を見てくるよ。」
お袋はハニの顔色の変化は読み取るが、オレのこの気持ちが何なのかも読み取っているのだろうか。
部屋のドアを開けて中に入ると、ハニは貸し出し用の練習キットを机の上に広げて考え込んでいた。
スンジョの気配に気が付くと、目を輝かせてスンジョの方を見た。
「お帰り!久しぶりに早く帰って来てくれてありがとう。」
まるで迷子になった子供が母親と会えたように嬉しそうな顔をしてスンジョに笑いかけた。
「何がありがとうだよ。採血の試験がクリアできなかったのか?」
「ど・・・どうして・・・どうして知っているの?」
「そこにあるものを見ればわかるだろう。自分の腕で練習をするのか?」
「ううん・・・・不器用だから自分の腕では出来ない。」
スンジョがシャツをまくって腕を差し出した。
「えっ?」
「オレの腕を使えよ。」
「いいの?」
信じられないと言った顔で見ているハニは、いつもオレが困るのは自分だと言っていたからだろう。
オレから助けると言ったことは今までに一度もないから。
「ほら・・・・オレの気の変わらないうちに練習をしろよ。」
恐々とスンジョの腕に触れるハニの手は、まるで片想いの女の子が 憧れの男の子の腕に触れるように緊張をしていた。
「腕が付かれる。ちゃんとオレの腕を持てよ。」
「だって・・・・・・恥ずかしいんだもん、スンジョ君の腕を触るのは。」
「何が恥ずかしんだ。オレ達結婚してるんだろ?腕を触るよりももっと恥ずかしいこともしているだろう。」
赤い顔をさらに赤くしているハニをからかうとやっぱり気持ちが晴れてくる。
がちがちに緊張をしているハニを見ていると、久しぶりに笑えて来そうだった。
「何を緊張してるんだよ。」
「だって・・・・スンジョ君の腕に針を刺すなんて・・・・恐れ多い・・・・・・・・。」
「恐れ多くてもいいから練習して、採決試験をクリアしないとな・・・・・。」
「うん・・・・・ギョルに頼んだら、本番に一回だけでいいって・・・断られたの。ギョルってね、いつも私とコンビを組むの。男の子が看護師になるなんて看護学科に行ってから知ったの。」
スンジョの表情が一瞬変わったことにハニは気が付いていなかった。

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