王宮内の出来事は、吉事であれそうでない事でも伝わるのは早い。
スンジョのというより、王族に対して忠誠心が強いのか、王妃の懐妊は御医が安定しているとの診断が出るまで伏せられていた。
それよりも何年も伏せられたキョンの出生についての秘密は、誰の口からも語られることはなかった。
そして遂にキョンが王宮から平和寺に入る日が訪れた。
王の私室には王と王妃、そして世子と公主が無言で人が訪れるのを待っていた。
静かな空気の流れに乗るように、女官が訪れを伝えた。
「恵景妃様、キョン様がお見えになられました。」
部屋の扉が開くと、泣いていたのか目を赤くした恵景妃と、その後ろに続いてキョンが入って来た。
罪のない二人
罪を作ったのはキョンの実の父親だが、キョンはこの先も会うこともなければ知ることもない
恵景妃も成長するキョンを見るのは辛いだろう
一番罪を作ったのは、何も言わず自分の子供としてそばに置いたのは、恵景妃にあの騒動の時に助けてもらった気持ちがあるからだが、妃はそれ以上に側室として尽くしてくれた
真っ直ぐにこちらを見ているキョンの琥珀色の瞳は澄んでいて何の濁りもなく深い
「父上、母上(ハニ)・・・今日キョンは王宮を出ます。母上に作っていただいた衣類は大切にします。姉上、姉上が遊んでくださったことは忘れません。兄上、兄上のように強い皇子ではありませんが、とても健康になりました。ありがとうございました。」
まだ6歳になったばかり。
きっと、この日が来るまで何度も練習をしたのだろう。
緊張した空気が流れる中、明るい声が響いた。
「キョン、知っているか?兄の『スン』という名は父が付けた名だけど本当の名じゃない。」
それを聞いて驚いたのは、実母であるハニだった。
「スンリ(勝利)・・・これが兄の名前だ。父上から本当の名前を教えていただいた時は、今のキョンの年齢ですぐに理解できなかった。姉上はスンハ(純夏)・・・父上の名前の一文字を姉上は頂いたのに、兄は父の名前の一字も母の名前の一字も頂けなかったと拗ねたことがあった。キョンは恵景妃の名前の一字を頂いた。妹や弟も親の名前を一字頂いた。だから、王宮から離れて暮らすことになっても、心はいつも一緒だ。辛いことがあったら、王宮の方を見て姉や兄、妹や弟たちを思い出して、兄たちもキョンを忘れないから。」

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スンジョのというより、王族に対して忠誠心が強いのか、王妃の懐妊は御医が安定しているとの診断が出るまで伏せられていた。
それよりも何年も伏せられたキョンの出生についての秘密は、誰の口からも語られることはなかった。
そして遂にキョンが王宮から平和寺に入る日が訪れた。
王の私室には王と王妃、そして世子と公主が無言で人が訪れるのを待っていた。
静かな空気の流れに乗るように、女官が訪れを伝えた。
「恵景妃様、キョン様がお見えになられました。」
部屋の扉が開くと、泣いていたのか目を赤くした恵景妃と、その後ろに続いてキョンが入って来た。
罪のない二人
罪を作ったのはキョンの実の父親だが、キョンはこの先も会うこともなければ知ることもない
恵景妃も成長するキョンを見るのは辛いだろう
一番罪を作ったのは、何も言わず自分の子供としてそばに置いたのは、恵景妃にあの騒動の時に助けてもらった気持ちがあるからだが、妃はそれ以上に側室として尽くしてくれた
真っ直ぐにこちらを見ているキョンの琥珀色の瞳は澄んでいて何の濁りもなく深い
「父上、母上(ハニ)・・・今日キョンは王宮を出ます。母上に作っていただいた衣類は大切にします。姉上、姉上が遊んでくださったことは忘れません。兄上、兄上のように強い皇子ではありませんが、とても健康になりました。ありがとうございました。」
まだ6歳になったばかり。
きっと、この日が来るまで何度も練習をしたのだろう。
緊張した空気が流れる中、明るい声が響いた。
「キョン、知っているか?兄の『スン』という名は父が付けた名だけど本当の名じゃない。」
それを聞いて驚いたのは、実母であるハニだった。
「スンリ(勝利)・・・これが兄の名前だ。父上から本当の名前を教えていただいた時は、今のキョンの年齢ですぐに理解できなかった。姉上はスンハ(純夏)・・・父上の名前の一文字を姉上は頂いたのに、兄は父の名前の一字も母の名前の一字も頂けなかったと拗ねたことがあった。キョンは恵景妃の名前の一字を頂いた。妹や弟も親の名前を一字頂いた。だから、王宮から離れて暮らすことになっても、心はいつも一緒だ。辛いことがあったら、王宮の方を見て姉や兄、妹や弟たちを思い出して、兄たちもキョンを忘れないから。」

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