「よかったね・・みんな幸せになれるね。」
「そうだな。」
憧れていた光景を見られたことは、ハニにとって一番の幸せな気分になった。
両親に結婚を反対されていたインスンは、それが切っ掛けで和解が出来た。
それは切っ掛けかもしれないが、二人はこの先の事を考えて自分たちでできる限りの努力をして、何不自由なく育った若い二人が金銭的にも節約しながら努力した結果だった。
若い二人の努力は、スンジョは自分の子供夫婦だと思うと誇らしくもあった。
「ママ・・・赤ちゃんかわいかったね。僕もあんなに小さかったの?」
スマホに保存されている小さな甥の何枚もの写真と動画を見ながら、スンリは少し誇らしそうな表情をしていた。
「スンリもお姉ちゃんも、最初はとっても小さくて抱っこをするのも怖かったのよ。」
ハニは初めてスンハを抱いた時は、先の生活の事も不安だったが、この子と一緒ならきっと乗り越えられると思い、スンジョは初めてスンリを抱いた時に、小さくて軽い息子にこの先の生活は体感する重さよりもずっしりとした責任感という重さを感じた。
「もっと赤ちゃんを見ていたかったな・・・・」
スンリの言葉はそのままスンジョとハニも思っていた。
みんなに祝福をされた結婚式ではなかったが、みんなが祝福した新しい命の誕生でそれを補ったのかもしれない。
スンハが産まれた時とスンリが産まれた時とは違った祝福ではあっても、人の命の誕生はいつも心の底から温かく明るい物なのかもしれない。
「スンハを妊娠した時からもう20年だね・・・」
「そうだな、あれから20年が過ぎて、やっとオレたちは本当の幸せをつかんだのかもしれない。」
いつの間にか後部座席のスンリは慌しく家を出て、姉が産んだばかりの甥との対面で疲れたのか眠っていた。
20年前の自分は色々な意味で子供だった。
言葉にはしていないが、スンジョもハニも同じ事を思っていた。
初めてのいたずらにしたキスは本当に子供っぽくて、片想いだったハニの一方的な想いから知らない間に心が通じて、引き寄せられるようにしたキスもいつの間にか深い想いのキスに変わり、お互いの肌の触れ合いに最初は緊張をしていたが、それがいつの間にかお互いの愛に変わる物に変わっていた。
言葉にしなくても通じ合っていたと思っていた時から、ほんの少し歯車が狂った時から心も離れて行った。
離れて初めて知ったお互いの必要性。
「スンジョ君の夢を叶えたいな・・・・」
「お前の夢でもあるだろ?」
「まぁ、そうだけど。」
「もう15年待ったら叶えられるよ。」
路肩に車を停めると、バックミラー越しに息子の様子を見て、スンジョはハニの頭を片手で引き寄せてキスをした。

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「そうだな。」
憧れていた光景を見られたことは、ハニにとって一番の幸せな気分になった。
両親に結婚を反対されていたインスンは、それが切っ掛けで和解が出来た。
それは切っ掛けかもしれないが、二人はこの先の事を考えて自分たちでできる限りの努力をして、何不自由なく育った若い二人が金銭的にも節約しながら努力した結果だった。
若い二人の努力は、スンジョは自分の子供夫婦だと思うと誇らしくもあった。
「ママ・・・赤ちゃんかわいかったね。僕もあんなに小さかったの?」
スマホに保存されている小さな甥の何枚もの写真と動画を見ながら、スンリは少し誇らしそうな表情をしていた。
「スンリもお姉ちゃんも、最初はとっても小さくて抱っこをするのも怖かったのよ。」
ハニは初めてスンハを抱いた時は、先の生活の事も不安だったが、この子と一緒ならきっと乗り越えられると思い、スンジョは初めてスンリを抱いた時に、小さくて軽い息子にこの先の生活は体感する重さよりもずっしりとした責任感という重さを感じた。
「もっと赤ちゃんを見ていたかったな・・・・」
スンリの言葉はそのままスンジョとハニも思っていた。
みんなに祝福をされた結婚式ではなかったが、みんなが祝福した新しい命の誕生でそれを補ったのかもしれない。
スンハが産まれた時とスンリが産まれた時とは違った祝福ではあっても、人の命の誕生はいつも心の底から温かく明るい物なのかもしれない。
「スンハを妊娠した時からもう20年だね・・・」
「そうだな、あれから20年が過ぎて、やっとオレたちは本当の幸せをつかんだのかもしれない。」
いつの間にか後部座席のスンリは慌しく家を出て、姉が産んだばかりの甥との対面で疲れたのか眠っていた。
20年前の自分は色々な意味で子供だった。
言葉にはしていないが、スンジョもハニも同じ事を思っていた。
初めてのいたずらにしたキスは本当に子供っぽくて、片想いだったハニの一方的な想いから知らない間に心が通じて、引き寄せられるようにしたキスもいつの間にか深い想いのキスに変わり、お互いの肌の触れ合いに最初は緊張をしていたが、それがいつの間にかお互いの愛に変わる物に変わっていた。
言葉にしなくても通じ合っていたと思っていた時から、ほんの少し歯車が狂った時から心も離れて行った。
離れて初めて知ったお互いの必要性。
「スンジョ君の夢を叶えたいな・・・・」
「お前の夢でもあるだろ?」
「まぁ、そうだけど。」
「もう15年待ったら叶えられるよ。」
路肩に車を停めると、バックミラー越しに息子の様子を見て、スンジョはハニの頭を片手で引き寄せてキスをした。

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