夜通し付き切りでスンハの看病をすることは、日ごろから夜勤をしているから慣れてはいる。<br />昨日はほとんど眠ることなく、スンハの事を心配していた。<br />どうして、スンハはいなくなったのかは、当事者であるインウは病気を理由にスンジョとハニの二人の前には来ていない。<br />「ぅう・・・・う・・・・」<br />「スンハ、眠れないの?」<br />額に触れる熱はかなり下がっているが、それも薬が効いているから。<br />布団から出した腕は、ハニに抱いて欲しいとせがんでいる。<br />掛け布団を上げると汗でパジャマが湿っていた。<br />「着替えようね。オンマがずっと傍にいるから、もう大丈夫。」<br />窓の外をスンハは気になっているのか、そちらの方ばかり見ていた。<br />水分補給の為にカップを口に持って行くと、美味しそうにゴクゴクと飲んでいた。<br />体温はまだ37度台後半でまだ熱が残っている。<br />「アッパに診てもらおうね。」<br />スンハから離れようとすると、服の裾を引っ張って離れようとしない。<br />「一緒に行こうね。」<br />ハニの首にスンハが腕撒きつけて、スンジョが眠っている。<br /><br />「スンジョ君・・・・・スンジョ君・・・・」<br />ハニの呼ぶ声に眠っていたスンジョは目を開けた。<br />「どうした?」<br />「スンハが今起きて熱を測ったら37度台後半、汗を掻いていたから着替えも済ませたわ。」<br />スンハの診察をしていると、昨晩と違って両親がそろっていると安心したのか、スンハから消えていた笑顔が戻って来た 。<br />「ぁ・ぁ・ぁ・・・・」<br />「アッパたちと一緒に寝ような。」<br />自宅に戻ってから深夜までずっと食事も摂らないでスンハは眠り続けていた。<br />今日からしばらくは、二人の間で眠る事を言うとスンジョの左腕とハニの右腕を抱きしめた両親の顔を見上げてニッコリと笑った。<br />スンハとハニとを一腕で抱くとスンハは嬉しいのか、声が出ることも忘れて燥い(はしゃい)でいた。<br /><br />「スンハ、誰が門の扉を開けたのだ?」<br />「ぅっ・・・・・・・」
「スンジョ君、スンハはまだ体調が良くないから・・・・・・」<br />「忘れないうちに、聞いておいた方がこの先の事を考えると、誰も邪魔をしない自分たちしかいないこの部屋で、聞きだした方が安心感もある。<br />その時に、恐る恐る口を開いた。<br />「どうやって扉を開けたのかは知らないけど」<br />きっと、門でグミが傍に来るまでの事をしているのだろう。<br />指でプッシュボタンを押すような真似をしてドアを開けたと身振りでスンハは説明をした。<br /><br />「そうか・・・スンハは大人がロックを開けているのを覚えていたのか。」<br />コクンと頷くと、泣かずに身振りで教えたことにスンジョは褒めた。<br />続けていくつも効くのは、スンハがパニックになるだろう。<br />無事に家に帰って来たのだから、時間をかけても構わないから、少しづつ聞き出して、インウがまた同じことをしない様にしようと思った。<br />「ねえスンジョ君、インウに何かするの?」<br />「いや、問題なのはインウじゃない。あのインウの旦那が間違った愛し方をしているともう。ただインウの為と言っているけど、病気を理由にちゃんと現実とインウの状況を事実を教えていないんだ。教えなければ、数多同じようなことをするだろう。彼女がどうして今の状況になったかを、直接もう一度話そうと思う。警察の立ち合いがあると、無事に見つかって家に帰ったのだから示談にしようとするはずだ。ここで、きちんと家族が対策を取れるように、直接アポを取って話してくるよ。」<br />「私も一緒に行くわ。その方がインウも安心すると思うから。」<br />「そうだな。・・・・クスッ。スンハ、笑ったまま眠っている。こんな顔はお前とそっくりだな。」<br />まだ、熱が残っているが子供の回復力は早い。<br />話すことは今はまだできるほど回復はしていなくても、少しづつ時間をかけてスンハの心の傷を治して行かないといけない。<br /><br /><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?1624093" title="人気ブログランキングへ"><img src="http://image.with2.net/img/banner/m11/br_banner_forest.gif" width="150" height="60" border="0"></a><br /><a href="http://blog.with2.net/link.php?1624093" style="font-size:12px;">人気ブログランキングへ</a>