スチャンの書斎に向かい合って座るハニは震えていた。
その震えはスンジョが怒るのではないかという震えではなく、自分が大切な娘を傷つけてしまった事への後悔で震えていた。
「ゴメンなさい・・・・・インウに会ったの。」
「何回会ったんだ?」
「二回だけ・・・・・・一度目は、インウが退院した時に元気かなって・・・・。退院したのなら同級生としてあってもいいと思って・・・・」
チラッとスンジョの顔を伺うが表情を読み取ることが出来ない。
怒っている風でもなく、何か考え込んでいるようにも見える。
「スンジョ君・・・・インウが同級生だって・・・・・」
「知っていたさ。いくら顔が変わっても、その人の癖は変わらないから。でも、オレは無視をしていたんだ。」
コーヒーを一口飲むとカップを置いてハニの手を握った。
「お前がアイツに近づいたのは、同情だろ?自分と同じように子供を亡くした過去があるという、共通する悩みを抱えていたから・・・だから近づいた。自分ならもしかしたらインウの心の傷を癒してあげることが出来る。そう思ったんだろ?」
コクンと頷くと今まではの事を話すことにした。
「インウが可哀想だから・・・・・・自分の赤ちゃんを流産して・・・それだけじゃない・そのせいで病気になったって・・・・」
ハニの性格や10年間一緒に暮らしていて判っていたはずだった。
人が困っていれば助けてあげたくなるし、その人の苦しみや悲しみを自分も同じように感じる。
そんなハニの誰にもまねのできない優しさに、オレはどれだけ救われ甘えて来たのか。
「・・・・・お前の・・・ハニの優しさだよな。」
優しいスンジョのその声と言葉に、ハニは驚いて顔を上げた。
「自分と共通する部分があると共感し、今もし自分がその人よりも幸せだと思うのなら助けてあげる。自分だって本当は苦しくて仕方がないのに・・・・・・・本当はハニはインウが流産したのではないことを知っているのだろ?」
「えっ?スンジョ君・・・・知ってるの?」
「お前・・・・秘密が出来ない性格だろう。寝言で言っていた。だけど、インウと会っていた事とスンハと一緒に会ったことは、寝言で言っていなかった。本当にインウを助けるつもりだったんだな。」
「・・・・・」
「メンタル面は専門家に任せないと、お前も共倒れになるぞ。」
いつも冷たく、他人(ひと)からは無関心のように見えても、スンジョはハニの事を知っていた。
その優しさは人に見せる物ではなく、その一人の人にだけわかればいい優しさ。
そんなスンジョにしたのも、母グミや父スチャンではなく初めて愛したハニだけだ。
「向こうはこの件を有耶無耶にしたいみたいだけど、オレはそれが解決策だとは思わない。」
「裁判にするの?そんなことになったら・・・・・」
「それは大丈夫だ。向こうも、そのことを引き合いにしたけど、結果的には示談になるかもしれないけど、ハニは知らないが高校時代のオレの数少ない友人に弁護士になったやつがいる。そいつと相談しながら、どうするのかは決めるよ。マスコミの方も、オレ達が変わらない生活をしていれば忘れるだろう。スンハも暫くはインフルエンザに罹ったと言って幼稚園を休ませればいい。そのうち、スンハの誕生日になるし夏休みになるからお袋や親父たちと海外にでも旅行に行けば、スンハの言葉の方も良くなるよ。」
スンジョもハニもこの人を好きになって結婚して良かったと思った。
どのみち、どのようにしてスンハが連れて行かれたのかは、話せないスンハと平常心ではないインウでは事実は判らない。
無事にかわいい娘が見つかれば、それで十分だとスンジョもハニも思っていた。

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その震えはスンジョが怒るのではないかという震えではなく、自分が大切な娘を傷つけてしまった事への後悔で震えていた。
「ゴメンなさい・・・・・インウに会ったの。」
「何回会ったんだ?」
「二回だけ・・・・・・一度目は、インウが退院した時に元気かなって・・・・。退院したのなら同級生としてあってもいいと思って・・・・」
チラッとスンジョの顔を伺うが表情を読み取ることが出来ない。
怒っている風でもなく、何か考え込んでいるようにも見える。
「スンジョ君・・・・インウが同級生だって・・・・・」
「知っていたさ。いくら顔が変わっても、その人の癖は変わらないから。でも、オレは無視をしていたんだ。」
コーヒーを一口飲むとカップを置いてハニの手を握った。
「お前がアイツに近づいたのは、同情だろ?自分と同じように子供を亡くした過去があるという、共通する悩みを抱えていたから・・・だから近づいた。自分ならもしかしたらインウの心の傷を癒してあげることが出来る。そう思ったんだろ?」
コクンと頷くと今まではの事を話すことにした。
「インウが可哀想だから・・・・・・自分の赤ちゃんを流産して・・・それだけじゃない・そのせいで病気になったって・・・・」
ハニの性格や10年間一緒に暮らしていて判っていたはずだった。
人が困っていれば助けてあげたくなるし、その人の苦しみや悲しみを自分も同じように感じる。
そんなハニの誰にもまねのできない優しさに、オレはどれだけ救われ甘えて来たのか。
「・・・・・お前の・・・ハニの優しさだよな。」
優しいスンジョのその声と言葉に、ハニは驚いて顔を上げた。
「自分と共通する部分があると共感し、今もし自分がその人よりも幸せだと思うのなら助けてあげる。自分だって本当は苦しくて仕方がないのに・・・・・・・本当はハニはインウが流産したのではないことを知っているのだろ?」
「えっ?スンジョ君・・・・知ってるの?」
「お前・・・・秘密が出来ない性格だろう。寝言で言っていた。だけど、インウと会っていた事とスンハと一緒に会ったことは、寝言で言っていなかった。本当にインウを助けるつもりだったんだな。」
「・・・・・」
「メンタル面は専門家に任せないと、お前も共倒れになるぞ。」
いつも冷たく、他人(ひと)からは無関心のように見えても、スンジョはハニの事を知っていた。
その優しさは人に見せる物ではなく、その一人の人にだけわかればいい優しさ。
そんなスンジョにしたのも、母グミや父スチャンではなく初めて愛したハニだけだ。
「向こうはこの件を有耶無耶にしたいみたいだけど、オレはそれが解決策だとは思わない。」
「裁判にするの?そんなことになったら・・・・・」
「それは大丈夫だ。向こうも、そのことを引き合いにしたけど、結果的には示談になるかもしれないけど、ハニは知らないが高校時代のオレの数少ない友人に弁護士になったやつがいる。そいつと相談しながら、どうするのかは決めるよ。マスコミの方も、オレ達が変わらない生活をしていれば忘れるだろう。スンハも暫くはインフルエンザに罹ったと言って幼稚園を休ませればいい。そのうち、スンハの誕生日になるし夏休みになるからお袋や親父たちと海外にでも旅行に行けば、スンハの言葉の方も良くなるよ。」
スンジョもハニもこの人を好きになって結婚して良かったと思った。
どのみち、どのようにしてスンハが連れて行かれたのかは、話せないスンハと平常心ではないインウでは事実は判らない。
無事にかわいい娘が見つかれば、それで十分だとスンジョもハニも思っていた。

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